2016年1月29日金曜日

ヒヨドリとの収穫競争

遂に! ポンカンの最終収穫に入りました。

ポンカンって、果実ごとのバラツキがすごく大きいんです。すっごく美味しいのがあるかと思えば、まっずいのもあったり…。

熟す時期もかなりばらつきます。1ヶ月くらいはずれるんですよね。熟した実のすぐ横に、まだ青い実があることも多いです。

そこで、私はポンカンの収穫作業をを4回するんです。ちゃんと樹上完熟してから収穫したいので。約10日おきに4回。だいたい40日かけて収穫するわけです。

しかし、ここに問題があります。1月15日くらい以降、ヒヨドリの活動がすごく活発化するのです(たぶん、北の方に雪がたくさん降って、南の方に渡ってくるのがこの時期なのだと思います)。

ヒヨドリって知ってます?

ハトより一回り小さい地味な鳥で、「ギャー」とか「ギヨー」といったちょっと気味の悪い声で鳴きます。

このヒヨドリたち、甘い果実や野菜が大好きで、どんどんポンカンを食べてしまうんですね。でもあまり美味しくないと食べない。グルメな鳥です。

今の時期、ポンカン園はヒヨドリの餌場と化します。どれくらいすごいかちょっと体験していただくために、ポンカン園で音声を拾ってみました。こういう鳴き声を聞きながら収穫作業をしているんですよ。



ギャーギャー言っているのがヒヨドリで、スズメみたいな声はメジロです。メジロはヒヨドリが開けた穴から首を突っ込んで果肉をキレイに食べる係です。メジロとヒヨドリの連係プレーですね〜。いやはや、ありがたくない。

普通は、こういう鳥害を受ける前に、全部収穫してしまうんです。当たり前ですね。

じゃあなぜ私はそうしないのかというと、やっぱり樹上完熟にこだわりがあるからです。ただでさえポンカンはバラツキが大きく、熟していてもイマイチな果実があるわけで、せめて樹上完熟くらいはクリアしたい、そういう思いでやっています。今のところ、注文が多すぎて供給が追いつかないということもないですしね。

でもそのせいで、25%くらいはヒヨドリに食べられます。このポンカン園は普通にやれば4tくらい収穫があるはずですが、1tもヒヨドリに食べられてしまうわけです。

お金に換算したら、1kgあたり200円として20万円分の損失です。うーん、我ながら商売が下手だと思うんですが、自信をもって売れる品質でないと、そもそも売る気も湧いてこないですしね…。

というわけで、ポンカンも終盤です。ご注文はお早めに。
【南薩の田舎暮らし】無農薬・無化学肥料のポンカン

2016年1月26日火曜日

大雪の大浦町


普段は温暖な南薩に、数十年ぶりの大寒波到来です。

うちの周りも北国になってしまいました。先日の記事に書いたとおり、農作物への被害が予見されますが、まだ確認に行けていません。

ちなみにこの写真はうちの裏庭から撮ったものです。現実の風景とは思えません。

農作物への被害は措いといて、雪景色もたまにはいいものです。でもおかげで外に出られません。子どもたちの保育園もお休みさせました。


子どもたちが「アナと雪の女王だー!」と大はしゃぎしていましたので、晴れ間に散歩してみました。

畑も田んぼも雪におおわれています。

これが北国の冬の日常なんですよねー。こんなんでよく農業ができるなと思います。

もちろん豪雪地帯の方は冬は露地農業はしないので、こういう中で農業しているわけではないと思いますが…。

…という感じで子どもたちと散歩していたら、天候が急変してブリザードになってきました。

途中ビニールハウスに退避しましたがそこからの帰還が地獄! ひどい吹雪の中を子どもの手を引いて歩きました。ほぼ遭難です。

すごすぎて最後には子どもたちが泣いてしまいました。でも無事帰ってきてよかった。雪の中散歩なんかしたらダメですね、絶対!

亀ヶ丘も雪模様。


日曜、亀ヶ丘に遊びに行ってソリをした家族もあったとか!

すごいですね。チェーンつければ車で登れたんですかね。

私たちは家の近所で遭難しかけたくらいなのに、亀ヶ丘の上で平気だったんですかね…。でも楽しそう!


磯間嶽も雪化粧。


風情がありますねー。

ところで、今日(26日)になって木連口(きれんくち)の方へ降りていったら、ほとんど雪が残っていないのにビックリしました。

干拓まで行ったら、雪が降った形跡がわからないくらいです。同じ時に、うちの周りはまだまだ残雪が畑をおおっているくらいなのに!

標高差は40mくらいしかないはずですがすごい違いです。山手と人里の方って、ほんの2kmくらいしか離れていなくてもすごい違いなんですねー。

それにしても、去年は何十年ぶりの台風被害と観測史上最多降雨量、今年は何十年ぶりの寒波と気候の振れ幅が大きすぎます。農業をやるには辛いですね。

2016年1月23日土曜日

アボカドは受難続き

数十年に一度の寒波が来てしまうそうですね…。

というわけで、アボカドに霜よけネットを張ってきました。普段は暖かいこの南薩でも降雪の予報になっていますので、こんなネットがどの程度意味があるのか全くわかりませんが、やらないよりはマシと信じて作業をするしかありません!

写真のアボカドはフェルテという品種です。(一時的な)耐寒温度は-4℃ということですが、これまでの経験では-2℃くらいで弱る感じですね。寒波で痛まないといいのですが。

ピンカートンという品種も植えていて、こちらの耐寒温度は-1℃くらいだということです。かなりヤバイですね。せっかく大きくなって今年からは着果かと思っていたんですが、潰滅の二文字が漂っております。

それにしても、去年の異常な長雨での根腐れ、そしてそれに続く台風直撃での倒伏と、アボカドの受難が続いています。今冬はまず野ウサギの被害がすごくありました。

こんな感じで葉っぱはもちろん主幹までガリっと囓られてしまいました。10本くらい…。

ウサギよけくらいしてなさいと言われればそれまでですが、3年間アボカドを育ててきて、これまでウサギ被害がなかったんです。それで、野ウサギはアボカドなんか食べないんだろうなと油断していました。

が、実際はずいぶん好きみたいですね。そこら辺に軟らかい草がたくさんあるのにアボカドの葉っぱだけ食べてるんですからね…。

ちなみに、なんで野ウサギだと分かるかというと、そこら中に野ウサギの糞が落ちているので。 なんで今年から食べ始めたんでしょうかねー、それにしても。

柑橘の苗木も、昨シーズンはウサギには全然食べられなかったのに今年はかなり被害があるんですよね。野ウサギが増えているのか…?

ちなみに、ウサギよけはこんな感じでやります。

竹の支柱を4本立てて、そこに肥料袋を被せていくわけです。

肥料袋大活躍。捨てないで取っておいてよかった。意外といろんなことに使いますよね。肥料袋。



農業は、気候との戦い、野生動物との戦いですね。

ともかく、寒波がひどくありませんように。

2016年1月21日木曜日

お店のチラシ2016年版

お店のチラシを新しくしました!

本当は年末までにつくって、年初から新しいチラシを使いたいと思っていましたが、3週間くらい遅れました。古いチラシの在庫もあと15枚くらいだったのでギリギリです。

といっても、ほとんど更新してないですけどね。

新しい項目として、「ときどきイベントをしています」というのを付け加えました。他の写真が赤・黄色・青と鮮やかなのにイベントの所だけ暗くていい写真ではありませんが、イベント時の鮮明な写真を使うと人の顔が映っているので仕方ありません! ちなみにこの写真は2015年11月にやった「海の見える美術館で珈琲を飲む会 vol.2」でのつばめ文庫さんの様子です。

そして、その横の項目に、「デザインも少し」として素人ながらデザインのお手伝いをしているのもアピールしてみました。デザインをする時に使うアプリケーションAdobeCC(のIllustratorというソフト)というのを契約したのですが、これは月額約1000円かかるので、ちょっとずつでもお手伝いをして経費を稼がないと赤字になります。

というわけで、素人ですけど今年はデザインももうちょっとやっていきたいですね(と言っても農業だって素人みたいなものですけど!)。ちょっとしたもののデザイン(難しいものはちゃんとしたプロにお願いして下さい)のご依頼があったらお気軽にご連絡ください。

2016年1月19日火曜日

金柑をタダで取っていいよ、という悲しい話。

先日、隣に住むMさんから相談がありました。

「金柑の収穫ができないから、もう全部あげる。勝手に収穫して物産館なんかに出してもいいよ」とのこと。

Mさんは老齢の両親の介護をしながら、細々とお米やお茶や柑橘を作ってきた人ですが、昨年自分の体調も悪くなり、もう農作業ができなくなったのです。

それで、この金柑園も昨年1年間あまり管理ができなかったそうです。それでも長年Mさんが育ててきた金柑の樹は、たくさんの実をつけました。しかし体調の悪化で、収穫作業がもうできない。せっかくの収穫ができなくなってしまう悲しさ、寂しさ。百姓仕事をやっていたら痛いほど分かります。

自分が収穫できないとしても、みすみす全部鳥に食べさせるのももったいない。だから私に「せめて無駄にならないようにしてほしい」と話にきたんですね。

この金柑園、軽トラックが通れる道路がないところにあり、ようやく一輪車が通るような細い山道を登ったところにあります。こういう非効率的なところは、仮に「タダで収穫していいよ」と言われても、地元の人はなかなかやりたがらないですから、私に話がきたんでしょう。

といっても、私も自分自身ポンカンの収穫や販売などで忙しいので、20本以上はあろうかという金柑を全て収穫できるとは思えません(金柑の収穫はすごく手間が掛かります)。でもMさんは「全部採れなくても、いいやつだけ収穫したらいいよ」と言っていましたので、出来る限り物産館で売ってみるつもりです。あと、知り合いに声を掛けてみて、欲しい人には金柑ちぎりに来てもらおうかと思っています。

ところで、Mさんは「あげる」と言っていましたが、両親の介護のため収入も僅かなMさんに、少しでも売り上げを渡してあげたいです。私自身かなり貧乏なので生意気な考えかもしれませんが、せめて肥料代くらいは出してあげたいですよね。

ちなみにこの金柑、Mさんが管理できなかったせいで、図らずも今年は無農薬だそうです。無農薬なので、カメムシ被害なども散見されますが品質はわりといいです。ただし、摘果をしていませんので大きさがバラバラで小粒が多いです。でも金柑漬けを作るにはもってこいかもしれません。

2016年1月13日水曜日

A-Zかわなべで、一応今年もポンカン販売しています

今日、A-Z(エーゼット)かわなべにポンカンを納品してきました。

事前の交渉の時は、昨年担当者だったSさんが退職していて、しかも昨年は私のポンカンは動きが悪かった(=売るのに苦労した)ということで、「今年はちょっとお取引は…」というような話だったので、ダメかなと思っていました。

【参考】昨年の納入

ですが、後日連絡をいただいて「4kgを10ケースなら」ということで今年も卸させていただくことができました。この量、昨年の10分の1もありませんから、A-Zさんにとっては付き合い程度の取引かなと思いましたが、私には何の義理もないのにA-Zには儲けがなさそうな商品を納入させてもらったことに感謝です。

しかし、今年もまたあんまり売れなかったら、もう来年はないでしょうね……。

そして、すんなりと売れるような気もしません。売価はたぶん1500円程度(4kg)ではないかと思いますが、量販品に比べたら高めですし、化粧箱でもないですしね!(普通のダンボール箱入り)

そういえば、A-Zは有機栽培とか特別栽培農産物などの棚を設置していますが、いつも商品が少なくてあまり売れているような感じがありません。無農薬とかに反応するお客さんが少ないんだろうと思います。でもそれでも「何でも揃える精神」で、売れ行きがいまいちでも一応入荷するのは立派と思います。

とはいっても商売ですからね、結局売れなかったらもう入荷しなくなるでしょう。私のポンカンもそういう運命にならないように、A-Zで「南薩の田舎暮らし」のポンカンを見かけたらぜひ買って下さいね! よろしくお願いします!

2016年1月11日月曜日

苗は、希望!

先日、ハウスにかぼちゃの苗を植え付けました。

だいたい250株くらい。一つの株から2つのツルを延ばし、そこに1つずつかぼちゃを成らすので、約500個のかぼちゃが収穫できることになります。1つのかぼちゃが1.5kgだとすると、これで750kgのかぼちゃになるわけです。

が、そんなにうまくいったことないですねー。

一昨年は3月に入ってからの遅霜で壊滅的な被害を受け、去年は(自業自得といえばそれまでなんですが)連絡障害で小玉ばっかりでした。だから収穫量は300kgくらいしかなかったような…。

ともあれ、こうして苗の時はこれからの成長が楽しみで希望があっていいですよね!

去年は苗作りに失敗して苗の数が足りなかったですが、今年は去年の反省を踏まえてばっちりな苗ができたのもよかったです。

無事元気に育って欲しいですね!

2016年1月8日金曜日

南薩コンフィチュール「ジンジャー」のレシピを紹介

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

早速宣伝になりますが、年始から南薩コンフィチュール「ジンジャー」の発売を開始しました! 大浦ふるさとくじら館では初回出荷の分はほとんど売れたみたいです。ありがとうございました。

インターネット販売分は、これまで650円で販売していましたが、配送料金改訂を踏まえて50円値下げし、600円で出しています。ほんの50円ではありますが、お買い求め安くなっておりますのでポンカンなどと一緒にご購入ください!

→ご購入はこちらから。
【南薩の田舎暮らし】南薩コンフィチュール「ジンジャー」

このジンジャーのコンフィチュール、私はジンジャーエールにして飲むのが大好きで、昨年の夏はジンジャーエールばかり飲んでいました。

このコンフィチュールはジンジャーエールが最高の食べ方だな! と思っていたのですが、先日「クリームチーズと合わせると美味しい」ということを聞き試してみたら、すっごく美味しかったです。クリームチーズの甘みやまろやかさと、ジンジャーのピリリとした刺激が調和してステキなおつまみになりました。こっちの方が優れたアレンジかもしれません。我が家で流行しそうです。

また、ホットワインに入れたり、カクテルに入れるのも美味しいそうです(私はお酒が飲めないのでよくわかりません!)。みなさんもぜひ新しい楽しみ方を発見してみてくださいね!

このジンジャーのコンフィチュールのレシピも紹介しますので、もしご関心があればご自分でもつくってみてください。

【ジンジャーのコンフィチュールの作り方】

材料
島砂糖……1.3kg
ショウガ……1.2kg
レモン……150cc
鷹の爪……半分〜1本
スパイス(シナモン、クローブ、カルダモン、オールスパイス)……適量
水……500ml

(1)下処理
ショウガは割と早く痛みますので、入手したら、洗って皮を剝いて、フードプロセッサでにかけます。フードプロセッサでは、「すり下ろし」と「刻み」の処理をそれぞれアタッチメントを変えて行います。処理後、ジップロックに入れ冷凍保存します。ジンジャーのコンフィチュールづくりは、この下処理が一番大変だそうです。

ちなみに、ショウガは加世田川畑でショウガをつくっている若手農家のKさんから仕入れています。自分でも無農薬栽培でつくったのですが、やはり仕入れた方のショウガが美味しいですね…。苦労して育てたのに少し残念。

この時期、加工所の冷蔵庫はショウガでいっぱいになります。

(2)製造
冷凍したショウガに水を加えて、鍋で熱して解凍します。

加熱しながら何度かに分けて砂糖を加えて徐々に糖度を上げ、レモン汁も加えます。

ちなみに、うちで使っているのは「釜焚 島砂糖」。枕崎にある薩南製糖の美味しいお砂糖です。

加熱の最中には、アクが出てきますので丁寧に取り除いていきます。

糖度が上がったら、まず鷹の爪を投入します。これは後から取り除きます。

残りのスパイスを加え、味と糖度を確認し調整します。

スパイスを加えた後、鷹の爪を取り除いて、殺菌済みのビンに詰めていきます。

最後に、蒸し器を使って脱気し、更に後殺菌します。あとはラベルを貼ったら完成です。