2016年6月27日月曜日

「晴耕雨読」は遠く

こうして田舎で農業をしていると、「晴耕雨読の生活で羨ましいですね」と言われることがあります。

そのように思ってくださるのは嬉しいのですが、実際は「晴耕雨読」とはほど遠い……。

今日も、梅雨前線まっただ中の豪雨の中、柑橘園の草払いをして、収穫後のかぼちゃ畑の片付けをしていました。あまりにも雨が強くなってきたら作業を途中で切り上げる予定でしたが、結局予定通りの作業をしてしまいました。雨はかなり強かったんですが……。

本当は、雨の時は雨の時なりの作業をすべきなんですよね。倉庫の中で農業資材の管理をするとか。帳簿の整理をするとか。でも作業スケジュールが押せ押せになって、あれを早く済ませないと、これも早く済ませないと、という状態になっているので、雨でも外作業から開放されません。

もちろん、篤農家、と呼ばれるような人たちは、こういうみっともないことはいたしません(農繁期ともなれば違いますが)。雨の中、カッパを着て作業をしているのは、一見農業を頑張っているように見えるのですが、本当はあまり褒められたことではないのです。

ということで、早く本当に「晴耕雨読」の生活が出来るよう、作業の効率を上げ、段取りよく仕事を済ませられるようになりたいですね!

2016年6月23日木曜日

なぜか割れたかぼちゃ

かぼちゃの収穫作業をしています。

今年の春かぼちゃは、天候に恵まれた部分と恵まれなかった部分が半分ずつくらいあって、結果として差し引きゼロで「普通」の出来でした。

でもこれまでで一番多く作付けしたので、収穫量は過去最高です。ばんざーい!

これまで、かぼちゃは99%を農協へ、1%をインターネットで販売へ、ということでやってきましたが、今回初めて、対面販売でもやってみることにしました。かぼちゃのように重くてかさばるものを、お店で買ってくれるかなーという不安があるのですが、やってみなければ分からないので試験販売してみます。詳細はまた後日お知らせしますね!

ところで、今年のかぼちゃは、かなりの量(数ケース分)が、冒頭写真のようにパカーンと割れて(裂けて)しまいました。これまでこんな風になったことはないのですが、なんなんでしょう?

インターネットで見ると、「乾燥が続いた後に大雨が降ると急激に肥大してこうなる」といったようなことが書いてありましたが、私の観察だと大雨はあまり関係ないような…。むしろその前の「乾燥」が原因のような気がします。なにより、大雨が降ったとしても果実へ吸水される水の圧力というのは、そんなには大きくならないはずです(植物の吸水圧力が何によって定まっているかは完全には解明されていないのですが、どん詰まりの位置にある果実にかかる水圧は小さいはず)。

それに、かぼちゃの果実の大きさは着果後20日くらいでほぼ決まってしまうので、生育後期に肥大するメカニズムがないような気がするんですよね。

というわけで、犯人は「乾燥」と、それから「高温」による生理障害の方が怪しい。今は連日の大雨に苦しんでいますが、前半は空梅雨でしたもんね…。日焼けしたような実ばかりが割れているのもヒントかもしれません。ともかく、昨年まではこういう症状は見たことがないので、今年の気候特有の障害だということですね。

ちなみに、大きくて立派なかぼちゃばかりがこうして割れています。それもヒントかもしれません。なぜか小さいかぼちゃは裂けない。なんでなんでしょう。植物の挙動って不思議ばかりです。

2016年6月19日日曜日

「季節のフィナンシェ」完売!

先日「紅茶の店 シルバースプーン」で開催された「ソレイユ・マルシェ」。お越しいただいた皆様、ありがとうございました!

当日はたくさんのお客さんでごった返すような感じで、シルバースプーンさんの集客力に驚きました。普段はあまり人のいないところで販売しているので、こうしてお客さんが多いところで接客していると、お金の計算が遅くて申し訳ない、という気になります。

そして、今回から販売を開始したコンフィチュールが入った「季節のフィナンシェ」。

ちょっと余っちゃうんじゃないかなあ……と心配していましたが無事完売いたしました。ご購入いただいた皆様、ありがとうございました!

今回販売したのは、「金柑とたんかん」「うめ」、そして「かぼちゃ」入りのフィナンシェです。

反省点といえば、この3商品を並べて置いたのですが、どれも外観は似たようなものなので、3商品あることが分かりづらかったことですかね…。1種類しかないように思った人も多かったのではないかと思います。今後、わかりやすい置き方を考えたいです。

ところで、うちの隣で「Panya. くらぶ」がパンを、さらにその隣で「カルスコ」さんが加工食肉(ソーセージ等)の販売をしていて、さらに2社のコラボ商品としてホットドッグ(というかサンドイッチというか)を売っていたのですが、これが美味しかったですねー。

南薩(というか大浦近辺)にも、こういうパン屋があったらいいんですけど。ていうか、誰かしませんか? 南薩でパン屋。大浦はともかく、加世田あたりに美味しいパン屋があったら絶対流行ると思うんですけどね。

2016年6月13日月曜日

6月18日「シルバースプーン」で新商品のフィナンシェだします!

告知です!

6月18日(土)、「紅茶の店 シルバースプーン」で行われるソレイユ・マルシェに出店します!

このイベント、いろんな意味で(!?)錚々たるメンバーが出店されるので、私などは若干押され気味なのですが、今回はうちも新商品をここで販売してみようと意気込んでいます。

それがこのフィナンシェ(写真は試作段階のもの)。

「南薩の田舎暮らし」のメイン商材はもちろんコンフィチュール(ジャム)なわけですが、コンフィチュールを活かした焼き菓子があったらいいなと思っていたところ、フィナンシェ+コンフィチュールという組み合わせを思いついたわけです。

これがけっこう美味しい! (試作段階だけど)

正直言うと、私はフィナンシェを一流店で食べ比べしたことがないので、客観的に見てどれくらいのレベルにあるのかなんとも計りかねますが、少なくともジャム入りのお菓子としてはとっても美味しいです。

今販売中の「うめ」のコンフィチュールを使った「うめフィナンシェ」なんか作ったら美味しそうですよね〜!

【南薩の田舎暮らし】南薩コンフィチュール「うめ」

ちなみに、フィナンシェを作るときは卵白を使うので卵黄は余っちゃうんです。じゃあ卵黄はどうするのか。とりあえず今は使い道がないので、自家用のアイスクリームを作るのに使ってはどうかと思案中です。フィナンシェがたくさん売れて、自家用のアイスクリームがたくさんできたら嬉しいですね!

というわけで、6月18日は「紅茶の店 シルバースプーン」へお越し下さい!

ソレイユ・マルシェ
日時:2015年6月18日(土) 11:00〜17:00 (雨天決行)
場所:紅茶の店 シルバースプーン(鹿児島トヨタ内。駐車場多数。電停からも近い)

2016年6月12日日曜日

雨にホッと一息

うちでは3箇所で田んぼを作っているのですが、「久保前」という小字のところにある田んぼは毎年水に困ります。

ここでは、塘川(ともンかわ)という小さな川から水を引いていて、この川の水量が安定しないのが原因です。

米作りで一番大事なことは水管理なので、水が不足する時はその「一番大事なこと」ができなくなり、どうしようもやりようがありません。

ということで、今年も梅雨前に水がなくなり、バリッバリに地面が割れてしまいました。本当に水不足な時は、川からポンプで水をくみ上げて田んぼに水を入れるということまでするのですが(でも私はまだそれはしたことないです)、もうすぐ梅雨が始まる、もう少しの辛抱だ、と思いながら雨を待っていました。

そして、今日、めでたく雨が降ってくれました!

ホッと一息です。

2016年6月7日火曜日

長い長い用水路の溝浚い

うちの集落では、去年から集落の共同事業として米作りを行っています。耕作放棄地になっていた「ひよと松」という不思議な小字(こあざ)の棚田です。

それで、先日は共同作業で畦草払いと溝浚いをやりました。畦草払いはともかくとして、ビックリしたのは溝浚い! 山麓にある田んぼなのでどこから水をとっているのかなーと思いつつ、用水路の溝浚いをして辿っていくと、これが長い長い。

このあたりの標準だと、取水口から最初の田んぼまでの距離は長くても100mでしょうか? 事前に長いとは聞いていましたが、せいぜい200mくらいかとタカをくくっていました。

それがこの杉林に伸びる用水路。延々と続いています。風情がある光景です。

今の用水路は安っぽいU字溝でできていますが、昔の用水路はすごく丈夫なコンクリで出来ていますよね。「昔は貧乏だった」と言いますが、こういうインフラをみると今の方がちゃちな出来のものが多い気がします(でも合理化したという側面もあるので、あながち悪いことでもないかも)。

で、700mくらい遡ったでしょうか。用水路がついに川とぶつかりました。

井堰(いぜき=取水するため川がせき止められているところ)があったのは、こういう山紫水明な場所でした。ちょっと大げさですが、屋久島の白谷雲水峡なんかを彷彿とさせる場所です。

人里離れた澄んだ小川に、鄙びた井堰。苔むした石垣。いやー、よくこんな場所から水を引いてきたものです。昔の人の、米作りへの執念はすごいものがあります。

こんな清流の水で育てられたお米はさぞ美味しいことでしょう。

…といいたいところですが、ここが農業の面白いところで、ただキレイな水を使うだけで美味しいお米ができるわけではないのです。実際、去年収穫したお米は、美味しいと言えば美味しいですが、普通の場所でよく管理して作ったお米と比べたら遜色があるような味でした。

でも今年は去年より美味しい米が穫れそうな気がします。お米に関しては連作した方が美味しくなる気がするんですよね。正直いうと私もどうしたらお米が美味しくなるのか、よくわかっていませんけど。

2016年6月3日金曜日

貴重な梅を使ったコンフィチュール

今家内は、「うめ」のコンフィチュールを作っています。私、このコンフィチュールを使って作る「うめサワー」が大好きなんです。初夏にぴったりな味です。

この「うめ」、私が育てているわけではありません。うちの集落出身で、定年就農して加世田で梅農家をしているM.K.さんから仕入れています。

今年は、梅がものすごーく不作な年なんです。M.K.さんの梅園では、収穫が平年の10分の1くらいしかないということです。ガックリされていました。価格も高騰しているということで、M.K.さんから「価格が高くて元が取れないだろうから、他の安いところから仕入れた方がいいんじゃないか」と何度も言われました。M.K.さんのは、加工するにはもったいないような立派な南高梅なんです。お心遣いに感謝!

でも、昨年他のところの梅を使ってコンフィチュールを作ったらやっぱり味が違ったので、品質本位でM.K.さんから仕入れました。美味しくなかったら作っても意味ないですからねー。

ちなみに、どうしてこんなに梅が不作なのかというと、開花期の天候が悪かったことが大きいそうです。南高梅は自家受粉をしないので、開花期に雨が続くと受粉率がガタ落ちする上、今年は雪害もあったので開花が安定しなかったのだそうです。今年は我が家のスモモもほとんど全く実が付いていませんし、バラ科の果樹には厳しい年みたいです。

というわけで、この貴重な貴重な今年の梅をつかって作るコンフィチュール、これまた貴重品(なはず)です! 「南薩の田舎暮らし」(ネットショップ)の他、天文館のKENTA STOREにて近日発売予定です。

また、6月10日(金)には鹿児島市名山町のレトロフトで出張販売いたしますのでお楽しみに!

あと、ちょっと先ですが6月18日(土)には西千石町のシルバースプーンでも出張販売の予定です。

【6月11日追記】ネットショップで販売開始しました!