2022年12月16日金曜日

「そらまど」は年末年始に営業します!(12月30-31日、1月2-3日)

年末年始の「そらまど」営業のご案内です。

普通のお店なら年末年始は休むものですが、ここ大浦町は、普段は人が少なくて、年末年始に人が帰ってくる場所なので、年末年始は営業いたします。

具体的には、

2022年12月30-31日(金・土)は通常営業します。

そして、

2023年1月2-3日(月・火)は10:00〜18:00で臨時営業します。

昨年も年始の臨時営業はしたのですが、年末はお休みしました。ですが、年末にしか来られない方も多いようだったので、今年は年末も営業することにしたのです。

この時期、私は農業の方も柑橘の収穫等で忙しいのですが、帰省で大浦に来られる方にとっては「そらまど」に来られる貴重な機会だと思いますので営業日を拡大したものです。

特に年始営業は、朝10時から開けることにしました。朝から開ければ、昼までのちょっとの時間を利用して来店することも可能ですからね。

南さつま市に帰省される皆様、どうぞ「そらまど」にお越し下さい。お待ちしております。

↓books & cafe そらまど(ホームページ)
https://sites.google.com/view/soramado/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

↓同 instagram
https://www.instagram.com/books_soramado/

2022年12月2日金曜日

明日で「そらまど」1周年。WEBサイトも公開。

「books & cafe そらまど」が1周年を迎えます。

開店したのが2021年12月3日。明日でちょうど1年。

普通ならば、1周年を記念していろいろと企画するべきですし、そうでなくても「1周年ありがとうございます」というような表示をすべきですが、本日も全く平常通りの営業でした。

この1年営業してきて、一つよかったなと思うことは、「ただの1日も、全くお客さんが来ない日がなかった」ということです。

鹿児島市内からは1時間半くらいかかる僻地にある上、周りには店がない孤立したお店ですから、お客さんが来なくても当たり前です。

それなのに、営業日には必ず誰かしら来て下さいます。

近所の方を中心に、常連さんも何人かできました。今のところ儲かるような店ではありませんが(笑)、しばらくは続けていくことができそうです。

ご支援・ご来店くださっている皆様、ありがとうございます。

ところで、1周年を迎えるまでにやろうと思っていたことがあります。それは、お店のWEBサイトを作ること!

というわけで、まるで夏休み最終日に宿題をやる子どもみたいですが、ギリギリWEBサイトを作ってみました。

books & cafe そらまど
https://sites.google.com/view/soramado/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

見れば分かる通り、「とりあえず作ってみた」というようなお座なりな出来映えです…。内容もレイアウトも写真も、キマっているとはとても言えません。「この程度なら、いっそないほうがいいのでは…」と自分でも思っています。

でもWEBサイトがあると、お客さんにとってわかりやすいんじゃないかなと思いますし、自分たちにとっても蓄積ができていいのではないかと思いますので、思い切って公開しました。

とりあえず1周年に間に合ってよかった(笑)

そんなこんなで明日のそらまど営業は1周年。1年間ありがとうございました。また次の1年をよろしくお願いします。

2022年11月30日水曜日

ミカンナガタマムシのせいでポンカンが壊滅…! やはり無農薬栽培は難しい。

早いものでもう12月です。ついこの間、新年を迎えたばかりの気がするのですが…。

ここ大浦町では、早くもポンカンの収穫準備が始まっています。今年は、どうやら地域的にはポンカンが豊作のようです。

しかし、実はうちではポンカンの収穫がほとんどないような感じになっています。

…というのは、この写真を見れば分かる通り、今年はポンカンが次々と枯れてしまいました! 全部枯れたわけではないですが、壊滅的といってもいいくらいの被害が出ております。

なので、今年が不作というよりも、ちょっとしばらくポンカンの生産が低調になるものと思います。うちの中心商材だったのにこれは痛い。 

どうしてポンカンが枯れちゃったのか?

実はこれ、ミカンナガタマムシという害虫の被害なんです。

「そんな害虫聞いたこともない!」という柑橘農家が多いと思います。こいつらは、慣行栽培で農薬を使っていたらほとんどお見かけしない害虫なのです。特に防除しなくても、ダニの殺虫剤などが苦手らしくて、寄りつかないためです(柑橘はダニが主要な害虫で、慣行栽培では殺虫剤を定期的にかけます)。

ところが、無農薬栽培ではこのミカンナガタマムシが非常に強力な害虫になります。日本各地で柑橘の有機栽培/無農薬栽培は行われておりますが、今のところこの害虫の(無農薬での)有効な防除方法が見つかっておりません。これのせいで柑橘の無農薬栽培を諦める方も多いと言われています。

どんな被害をもたらすかというと、この虫は樹皮の下に卵を産み付け、樹皮下で2mmくらいのウジ状の幼虫が育ちます。この幼虫が面状に樹皮下の形成層部分(維管束などがある)を食い荒らし、樹を枯らしてしまうのです。

うちではこれまでも柑橘を無農薬栽培してきましたので、昨年までも多少被害はありましたが、なぜか今年は非常に被害が多く、夏頃にはすでに多くのポンカンの樹で被害が顕在化していました。放置していれば樹が枯れてしまうので、背に腹は替えられないと思い、無農薬栽培を標榜しつつも「ミクロデナポン」という農薬を初めて使用しました。これは劇物の結構強力なやつです。

しかしながら、ミカンナガタマムシが一度樹皮下に卵を産み付けると、農薬でそれをやっつけるのは困難なのです。というのは樹皮下に住んでいるので直接農薬をかけることができないためです。そんなわけで、すがる思いで農薬を使ったものの、やはり目に見える効果はなく、多くのポンカンの樹が枯れてしまいました……。

そんなわけでガックリ来ているところですが、まあ枯れたものはしょうがない。

早速ポンカンの苗木を注文して、再起を期しています。ちなみにミカンナガタマムシは老木や樹勢の落ちた樹にはよく寄ってくるのですが、若い樹にはあまり来ないと言われています。枯れたポンカンの樹は樹齢70年くらいでしたので、もう寿命が来ていたとも考えられます。更新が遅すぎたのかもしれない。

というわけで、今年、ポンカンの販売が全くないということはないと思いますが、かなり数量が限られます。ポンカン以外の柑橘はそれなりに販売する予定ですので、しばらくはそちらの方をご愛顧いただけますようお願いいたします。

農薬を使わずに果樹を育てるって難しいですねー。

2022年11月4日金曜日

今回のMVPは運営のみなさん。「しやくしょマルシェ」ありがとうございました。

11月3日(木・祝)、「しやくしょマルシェ」が開催されました。

南さつま市役所加世田本所前の広場と駐車場を使って行われる、ハンドメイド雑貨中心のマルシェです。

コロナ禍でこういうイベントは見合わせが続いていましたが、今回はほぼ平常の通りの開催となりました。3年ぶりじゃないでしょうか。開催できただけでも嬉しいですね。

私たちにとっても、野外イベントの出店自体が3年ぶりくらいでした。そのため、どんな準備をすればよいのかすっかり忘れており、当日までの準備にだいぶ手間取りました。

しかも、今回は「books & cafe そらまど」としては初めての出店です。なのでドリンクスタンドだけでなく本の販売もあります。というわけで、過去最高の物量(搬入量)とも格闘する羽目にもなりました。

具体的には、直前まで本をどのように陳列したらいいのか悩みました。本棚を持っていけばいいのですが、ちょうどいい本棚はないし、かといってわざわざ作ったり買ったりするのはコストが…。そんなわけで開催1週間前まで本の陳列方法が決まらず!

しかし古いモロブタを立てかけて使えば、いい具合に本が並べられるんじゃないかと突然思いついて、3日前くらいにモロブタ本棚を慌てて作りました!(ちなみに「モロブタ」って方言なんですかね?)

というわけでなんとか本も陳列することができ、多くの方に本を見ていただくことができました。モロブタ本棚は思った以上によかった! 

そして正直言うと、「このご時世、本は売れないに違いない」と思って、飾りくらいに考えていたのですが、意外と本を買う人が多かったです。普段とは違ったお客さんの層と出会えるのがマルシェのいいところですね。

それから今回、マルシェに久しぶりに出店して思ったのが、運営側の苦労です。当日までのいろんなアイテムの準備、告知、ポスター貼り、出店者への各種案内…、そしてもちろん、当日は駐車場の誘導まで! そういう地味な仕事を一つひとつやっていって、ようやく開催できるのがこういうイベントです。

私自身、いろんなイベントを開催してきましたが、駐車場の誘導まで手配したことはありません。当日の駐車場係のみなさんを見て、「こういう裏方をしっかりするのが一番大変なんだよなー」としみじみした気持ちになりました。

だから、今回のしやくしょマルシェ、出店者側が意気込んでいたのは当然として、MVPは運営の「南さつまmojoca」のみなさんだと思います。「もっとこうしたらいいなー」といった点も全くなく、全ての対応が完璧だったと思います。みなさんのおかげで、楽しく参加することができました。感謝!

ちなみに、撤収作業が完了した頃にザーザーと雨が降ってきました。まさに天祐(天の助け)とはこのことですね。最高の一日になりました。ありがとうございました。

※次は、11月6日(日)に開催される「秋の丁子屋石蔵文化フェスティバル」に出店します。よかったらこちらにもどうぞ。



 

2022年10月17日月曜日

第4回そらまどアカデミア「竹一本の世界」

第4回そらまどアカデミア、開催します!

テーマは「竹一本の世界」!

「竹一本の世界」って何だろう…? と思うかも知れません。これは、尺八の世界のことなんです。

尺八といっても、普通の尺八とは少し違います。実は尺八には「地(じ)あり尺八」と「地無し尺八」の二種類があり、みなさんが普通に聞いたり習ったりするのは「地あり尺八」の方です。

そして、この二種類はどう違うのかというと、ザックリ言うと「西洋音楽の音階を吹ける尺八が地あり尺八」ということになるみたいです。

で、今回取り上げるのはそうではない方の「地無し尺八」。

そして「地無し尺八」の特徴は、ただの楽器ではない、ということです。これは、もともと虚無僧という修行僧の人たち(時代劇に時々出てくるアレです)が、法器として吹いていた、つまり修業の一環で吹いていたものということになります。

今回講師をお願いした室屋無吹さんは、この「地無し尺八」の音に魅せられてその修業を続けている方。

個人的なことですが、実は、初めて室屋さんにお会いした時に衝撃的なことがありました。 

虚無僧の修業では、「尺八を吹くことで悟りに至れる」といったような教えがあるのですが、私はこんな荒唐無稽なことがあるわけがないと思っていました。というようなことをつい漏らしてしまったところ、ちょっとムッとして

「尺八で、悟りは開けます!!」

と仰ったのです。これには驚きました。

実際やっている人がそういうのだから、間違いないのでしょう。この一言で、私にとって虚無僧(普化宗)のイメージがガラッと変わってしまったのです。たぶん私は、同じ尺八でも「地あり尺八」しか知らなかったために、悟れるわけがないと思っていたのかもしれません。

今回、室屋さんには虚無僧が吹いていた尺八(地無し尺八)を、実際に吹いていただきながら、その歴史を繙いてくださいます。お聞き逃しなく!!

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第4回 そらまどアカデミア

竹一本の世界

講 師:室屋無吹

「尺八」と聞いてパッと思い浮かぶのは虚無僧ではないでしょうか? 実は虚無僧が吹いていた尺八と、現代の尺八には大きな違いがあるのです。その両方を吹き比べながら、日本画から尺八の歴史を読み解いた泉武夫著『竹を吹く人々』を参考に、その変遷を辿ってみましょう。

日 時:11月27日(日)14:00〜15:30(開場 13:00)
場 所:books & cafe そらまど (駐車場あり)
料 金:1000円(ドリンクつき) ※中学生以下無料
定 員:15名
要申込申込フォームより、または店頭で直接お申し込みください。※中学生以下は無料ですが申込は必要です。
問合せこちらのフォームよりお願いします。

<講師紹介>
尺八の音に魅せられ20年。5年前より地無し尺八奏者の上村風穴氏に師事。現在、普化風韻会会員、虚無僧研究会会員。

※本講演は、講師体調不良のため延期となりました。改めて企画したいと思います。

2022年10月2日日曜日

「ブックトーク「儒学・国学・廃仏毀釈」小川景一×窪 壮一朗」を開催します!(10月9日(日)) 

10月9日(日)、ちょっと変わったイベントをします!

ブックトーク「儒学・国学・廃仏毀釈」小川景一×窪 壮一朗

長くなりますが、このイベントの企画趣旨など説明したいと思います。

発端は、もちろん拙著『明治維新と神代三陵—廃仏毀釈・薩摩藩・国家神道』の刊行です。販促の意味も兼ねて、記念のイベントをしたいと思っていました。しかしただ本の出版を祝ったり販売したりするだけでは自分が面白くない。

そこで、儒学や国学に造詣の深い小川景一さんと対談すれば、拙著でボンヤリとしていた「思想的な部分」が自分でも見えてくるかもしれない、そう思って企画したのがこれなんです。

具体的には、小川さんと対談しつつ、互いに本を紹介して「こういうこともある」「このことも重要」などと放談し、「思想的な部分」に肉薄したいと思っています。

では、その「思想的な部分」とは何かというと、ズバリ「儒学と国学がどう接続して、廃仏毀釈や国家神道にどう繋がっていったか」ということです。ここから以降はかなり専門的な話になりますので、ご関心のある方のみお読みください(笑)

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さて、江戸時代の中頃から「国学」が勃興してきます。これは、日本古典に使われた言葉の意味を厳密に考証してその原意を明らかにし、古代日本のあり方に迫っていく学問です。特に国学を大成した本居宣長の主著『古事記伝』は、古事記の一言一句の凄まじいばかりの考証によって現代の古事記研究の基礎にもなりました。

その本居宣長は、古典研究にあたって中国風の概念「からごころ」を廃すことが重要だと考えました。というのは、日本の古典といっても実際には漢文(や変形した漢文)で書かれているので、古代人の語りそのままではなく、漢文(中国語)に翻訳された言葉を通じてそれに触れるということになるからです。なので宣長は、古典から「からごころ」を濾過して取り除き、古代日本人の生の声を再構成しました。

その結果宣長は、古代日本人には「からごころ」である儒教風の倫理秩序はなく、それどころかそういう人為的な規範がなくてもあるがままで国が治まっていたと考え、その点で日本は中国に優越していたと見なして儒学者と対立していきます。

これは宣長に始まったことではなく、その師・賀茂真淵から受け継いだ態度でもありました。儒学者・荻生徂徠の弟子・太宰春台の『弁道書』には、中国の聖人以前に「道」はない、と言う主張があり、これに真淵は反発します。真淵は著書『国意考』で、日本には日本の道「自然(おのずから)の道」があると主張。それどころか、戦乱が相次いだ中国よりも日本の方が神武天皇よりの皇統が連続しているから優れている、として儒教批判を繰り広げました。

さらに宣長も、『弁道書』への反論として『直毘霊(なおびのたま)』という本を書き、儒学の教えは欺瞞と虚飾に満ちたものであると否定しました。もちろんこういわれると儒学者としても黙ってはおれないので、「直毘論争」または「国儒論争」という論争が国学者と儒学者の間で巻き起こりました。

国学の方法論そのものには儒学と対立する要素はなく、むしろ国学は儒学の一派といってもよかったのに、こうして国学と儒学は仲違いしていきました。

ところが面白いことに、その主張内容は却って近接していきます。特に近接したのが水戸学です。水戸学は、水戸光圀の「大日本史」という日本史編纂プロジェクトを通じ、歴史観を中心とした思想を発達させた儒学の一派です。彼らは歴史の「正統」を考究する中で、皇統の連綿(=万世一系)や、その正統の証明である三種の神器など、神懸かりな領域に突入していきました。

藤田幽谷の弟子・会沢正志斎は、幕末に発表した『新論』の中で、国体論によって人心を統一して国防にあたろうという尊皇攘夷思想を喧伝します。そして具体的には、国家的な祭祀の体系を整備して人々に崇敬させることを構想しました。当然、そこではキリスト教はおろか仏教も胡神(外国の神)として不純物扱いされ、純粋な日本の「国体」のための神道が国家の中心におかれて祭政一致主義が打ち出されたのでした。これは後に述べる平田篤胤の「復古神道」とほとんど同じ主張だったのです。

「復古神道」について述べる前に、時間を遡って儒学のもう一つの一派について触れなければなりません。それが山崎闇斎の系統(闇斎学・崎門学)です。山崎闇斎は民間の儒者でしたが、とんでもなく厳しい指導によって宗教的なまでの儒学を作りあげ、やがて本当に宗教化して「垂加神道」という神道を創始しました。儒者が神道化していったこと自体が後の儒学の「神懸かり化」を予見しています。

闇斎がまだ神道化しないうちの弟子に浅見絅斎(けいさい)がいました。彼は朱子学の形式論を推し進め、現状の君臣関係を絶対化し、それを儒者らしく「道」だとします。そしてこれを突き詰めると徳川すら天皇の臣ということになり、将軍は「天子の御名代(代理人)」として統治しているに過ぎないと考えました。これは後に本居宣長が『玉くしげ』で主張する「大政委任論」とほぼ一致することになるのです。絅斎も宣長も、現状の秩序を肯定する立場でこのような主張をしたのですが、幕末になるとこれが倒幕の論理となっていくのはなんとも皮肉なことです。

さらに浅見絅斎は、『靖献遺言(せいけんいげん)』という本を書いて「殉忠の思想」を喧伝します。これは中国の「殉教者列伝」というような本ですが、命を犠牲にして忠義を貫いた人間を称揚することによって、幕末には尊皇のバイブルのような存在へとなっていきます。

国学の方に話を戻すと、本居宣長を師と仰いだ平田篤胤は、宣長が恬淡としていたその宗教観の方をどんどん発展させていきます。篤胤は死後の世界に強い興味を抱いていました。最初の妻が死んだ年に書いた『霊能真柱(たまのみはしら)』で死後の世界を語り、その後も厖大に叙述します。さらに神話を再編集し、国学を宗教化していきます。宣長の頃の国学はまことに地味な学問で、宣長をついだ本居家の学者たちも歌学を講じていた保守主義者だったのですが、篤胤は国学に強烈な宗教性を注入して、「日本古代にそうであったに違いない神道」=「復古神道」を興すことを目指していきます。当然のことながら、そこでは仏教は外来のものとして排斥され、日本古来の神を敬うことこそが重要だとしています。

ちなみに先ほどの太宰春台の『弁道書』でも、民間で祀られているものは禁じ、仏教や修験などの世話にはならない方がよいといった記載が見られます。春台は儒者らしく「天子」が統べるべきという考えから、雑多な宗教ではなく「天子」を中心とした祭祀へと人々の宗教を一本化した方がよいと主張していました。

このような思潮がぐるぐると渦巻いていたのが幕末という時代です。儒学と国学は、学者の間では対立していたのですが、それが幕末の志士たちにどう受け取られていたかというと話が別です。例えば薩摩の島津久光は『靖献遺言』を愛読書としたといいますが、平田篤胤の『古史伝』も読んでいます。西郷隆盛は陽明学(儒学の一派)を学んでいましたが、安政期には気吹舎(いぶきのや=平田篤胤の塾)をたびたび訪れ、同行者を入門させていました。これは薩摩藩だけのことではなく、多くの志士たちが国学と儒学の双方に影響を受けていました。

それは、その結論において儒学と国学がほとんど一致していたからです。日本の正統な統治者は将軍ではなく天皇であるという考え。仏教を外来のものと見なし、日本古来の神への国家的祭祀を行うべきとする祭政教一致思想。そして中国ではなく日本こそが世界の中心(中華)であるとする国粋主義、といった点においてです。

しかしそういった共通部分が、当の儒学者、国学者たちにどの程度親近感を抱かせたのかというと、どうもそこがよくわかりません。多くの共通点がある分、かえって細かい違いが対立を深める形になったような気がします。このあたりは私自身詳しくないのですが…。

そして明治維新を迎えると、まず政府が宗教政策を任せたのが国学者たちでした。特に津和野藩(長州藩の隣藩で政治力があった)の国学者と、平田系の国学者が重用されます。彼らはほとんど同じ思想を持っていたのですが細かい点で食い違い、何をするにも話がまとまらないので、明治4年に平田系の国学者が排除されます。

そしてこうした動きの背後で、宗教政策において儒学者が幅をきかせるようになってきます。特に長州藩出身の小野述信(のぶざね)は、国民教導政策において「小野神学」と呼ばれるような宗教的儒学思想による行政を進めました(述信は、系統的には儒学者ですが国学者と呼ばれることもあります)。

そして不思議なことに、あれほど「からごころ」を否定していた国学者たちは、いつのまにか儒学風の封建道徳を喧伝するようになりました。明倫、忠孝、君臣・父子・夫婦・兄弟・朋友の彝倫(いりん)といったものです。これは、平田篤胤が復古神道の構想にあたってその倫理観に儒教道徳を据えたためと言われていますが、私はその点は原典で確認していません。仮にそうだとしたら、誇大妄想なまでに日本ナショナリズムを推し進めた篤胤が、なぜ道徳観を儒学から借りなければならなかったのか不思議です。

それはともかく、幕末から明治にかけて、儒学と国学が互いに思想的に近接していったということは間違いないことだと思います。そして儒学と国学の力が合わさることによって、廃仏毀釈が起こされ、また国家神道に繋がっていくと考えられます。明治23年の「教育勅語」は、後に国家神道の聖典のような存在になっていきますが、そこにはかつての国学の面影はもはやなく、忠孝、義勇、徳、修学といった儒教道徳で貫かれています。でもそれが完全に儒学的であるかというとそうでもなく、四書五経などの中国古典から切り離された宗教的な(教育勅語は各学校で奉安殿に安置された)ものであるのが特徴です。

儒学と国学が協力して国家神道を生んだというよりは、そのどちらもが変容することで時代を支配する思想が生まれていったようなのです。

というのは、——ここからは私の妄想も入って来ますが——儒学も国学も、どうも「宗教」を目指していたような感じがするんです。

儒学は元々「儒教」からその宗教性を排除して学問化したものです。では排除した宗教性は何かというと「礼楽」、つまり天地祖先を祀る儀式(礼)と音楽(楽)です。だから、儒学には宗教に必要な道徳や至高の存在(天)といったものはありますが、(儒には元来あった)祭祀の方法・儀式がなく、祀るべき対象(天)が抽象的でした。

一方、国学は古代の神々の世界を蘇生させましたが、宗教ならば備えていて当然の、道徳や人間としての規範は全くありませんでした。元々、本居宣長がそうしたものを人為的なものだと退けていたからです。

つまり儒学と国学は、どちらも単独で「宗教」となるには欠けたピースがあったわけです。それが、明治政府の宗教政策の結果、互いに足りないところを補い合うことになります。確かに、政府内では国学者と漢学者は対立し、例えば皇学所・漢学所というそれぞれの学校では互いに誹謗中傷を繰り返しました。しかし宗教政策全体を通じて見れば、それぞれの強みを採り、弱みを補うような取捨選択がされていった結果、儒学の道徳性と国学の神学性が政策的にハイブリッドされることによって、後に「国家神道」と呼ばれることになる国家宗教が生まれていったと考えられます。

と、言葉にするのは簡単ですが、思想の淵源を考えてみると、儒学と国学は水と油。簡単にはハイブリッドできないわけです。どこがどう接続し、誰によって思想が変容していったのか、具体的に延べよと言われると、特に儒学の知識が私に足りないこともあって、なかなか言語化できません。

というわけで、当日どこまでこうした内容に迫れるかはわかりませんが、小川さんの該博な知識を引き出して、自分なりにそのヒントを摑めたらと思っております。まだ若干定員の空きがあるので、こうした話にご関心のある方はどうぞご来場下さい。

↓お申し込みはこちらから(10月2日時点で残り7名)
https://forms.gle/zaoz8aAJXEgLRa3W9

2022年9月27日火曜日

第3回そらまどアカデミア開催しました! 絵本が語る社会の変化。

9月25日(日)、第3回そらまどアカデミア「絵本が映す世相と価値観—昭和・平成・令和をたどりながら—」 を開催いたしました!

当初の予定では9月18日(日)の開催でしたが、台風14号襲来のため急遽1週間延期しました。そのために来られなくなった方もいましたが、ほとんどの方は参加できほぼ定員が埋まりました。よかったです。

そして講師の四元 誠さんは、スライドは使わず大量の絵本を持ち込み、1冊ずつ手に取りながら時代と絵本の移り変わりについて熱っぽく語ってくださいました。終了予定時刻を過ぎても全く終わる気配がないので(笑)、一度トイレ休憩を設けて再開。結局1時間近くも予定をオーバーして話してくれました。

参加者のみなさんも「この内容が1000円では安い!」「また聞きたい!」と非常に喜んで下さいました。余りにも反応が良かったので、また四元さんに話していただこうと考えています。

さて、その内容ですが、なにしろ2時間半くらいの講演でしたのでほんのサワリだけご紹介します。

話は大正時代の「子供之友」「コドモノクニ」といった絵雑誌から始まります(タイトルに「昭和・平成〜」とあるのに大正時代から始まるのはご愛敬(笑))。特に純粋に子どもを楽しませたいというテイストの「コドモノクニ」は、後の時代の絵本編集者にも影響を与えました。そして毎号テーマを決めて編集するという点で画期的だったのがフレーベル館の『キンダーブック』です。

戦争中は、絵本も戦争遂行に協力させられます。当たり前ですが、この時期の絵本には面白いものがないそうです。しかし国策への協力という大義名分があったため、むしろこの機会を捉えて多くの絵本が出版されたのだそうです。

戦争が終わって生活が落ちついた1950年代は、絵本の黄金時代です。1953年、岩波書店が「岩波子どもの本」というシリーズを刊行。判型を小さくして安くし、絵本が身近なものになりました。さらに3年後の1956年、福音館書店が「こどものとも」の刊行を開始。編集者たちも迷いながら、新しい時代の絵本をつくっていきました。

高度経済成長期の1960年代には、日常の中にファンタジーが自然と混じり合うテイストの本が急に増えます。例えば『だるまちゃんとてんぐちゃん』(かこさとし)などです。また車社会となり、『とらっくとらっくとらっく』『のろまなローラー』などリアルに描いた車を主役とした絵本が増えるのもこの頃です。さらに弱者に目を向けるような絵本も増えてきます。

ちなみにかこさとしは東大を出た技術者で、日本の科学絵本を引っ張った存在でもあるそうです。知らなかった!

海外のお話を積極的に紹介するようになったのもこの頃。『スーホの白い馬』は今でも広く親しまれています。

そして、こぐま社が斬新な編集方針を打ち出し、それがその後の大きな潮流になっていきます。それまでの絵本は、お話が中心でそれに絵を添えるという形で制作されていたのに対し、作家と画家がタッグを組み、あるいは絵と文を同じ作家が手がけるようにしたのです。これで”絵本作家”が生まれることになります。『ぐりとぐら』なんかもそうですね。

1970年代は、経済成長の弊害が出てきたり、精神的な豊かさや心の内面に注目されるようになってくる時期。絵本も『はじめてのおつかい』『おしいれのぼうけん』など子どもの不安な心を描いています。また作家性の強い絵本も登場。中でも『100万回生きたねこ』は、子どもに真正面から”死”を突きつけた、という名作中の名作。

経済的にはバブルで浮かれていた1980年代には、絵本にもそれまでにない新潮流が登場します。例えば文字のない絵だけの絵本とか、絵ではなく写真で構成された絵本(写真絵本)、さらに長新太に代表されるナンセンス絵本などが登場します。また『こんとあき』といった心の内面が丁寧に書かれる絵本も多いそうです。

そして、絵本でも太平洋戦争を振り返るようになります。その極北が『ひろしまのピカ』。目を覆いたくなるような惨状を絵本で表現し、バブルで浮かれた時代に鉄槌を下しました。さらに障害者からの告発も、その心情を率直に表現した絵本で行われます。『わたしいややねん』は傑作です。

1985年には福音館書店が「たくさんのふしぎ」を刊行開始。身近なものから世界を知れる、大人でも面白いシリーズです。第1号は『いっぽんの鉛筆のむこうに』。流通の仕組みや、世界と日本がどう繋がっているのかをいっぽんの鉛筆を通じて描いています。

1990年代、いよいよバブルが崩壊します。バブルと関係あるのかないのか、ストーリーを追うのではなく、子ども自身に考えさせるような本も登場。例えば五味太郎『質問絵本』は絵を見て子どもたちが楽しく遊べるような本で、今の子どもにも人気だそうです。しかし90年代の絵本には今に残っているようなものはあまりない、という四元さんの言葉が印象的でした。

2000年代には、絵本の世界に全く違うムーブメントが訪れます。それは「読み聞かせブーム」! それまでは親が子に読み聞かせるといったプライベートな営みであったのが、幼稚園や学童のような場所で一対多の読み聞かせが行われるようになるのがこの時期。てっきり昔からそういう読み聞かせがあったと思っていました。一対多の読み聞かせをスムーズに行うため、絵本の絵がわかりやすく大きなものとなり、色使いもヴィヴィッドになります。

2010年代は、絵本の世界も東日本大震災の影響を大きく受けます。震災を描いたものだけでなく、”日常”のかけがえのなさを描く絵本や、喪失感に寄り添うような絵本が明らかに増えるそうです。もちろん災害に関する本もたくさん。特に原発事故後も牛を飼い続けた『希望の牧場』はオススメだそうです。

そして2020年代、絵本はより多様性を描くようになっていきます。直接には障害者のことをテーマにしていないのに仄かにそれを感じさせる『さかなくん』、新しい家族の形を肯定的に表現した『ピアキのママ』、ネズミとハリネズミを登場させて異文化理解を促す『はじめてのともだち』といった新しいタイプの絵本が次々紹介されました。子どもの頭をかき混ぜるようなヨシタケシンスケ『りんごかもしれない』も今の時代ならではの表現。動画に慣れた子どもに合わせて”動画風”の画面構成をした絵本なんかも出ているそうです。

最後に、LGBTQの存在を描いた『すきって いわなきゃ だめ?』の読み聞かせが行われ、大盛況のうちに幕を閉じました。四元さんの溢れんばかりの熱意が伝わったと思います。ありがとうございました!

なお、次回の「そらまどアカデミア」は時期・内容ともに未定です。またご案内いたしますのでお楽しみに!

2022年8月12日金曜日

意地の草取りの甲斐あって(2022年新米販売中です)

おかげさまで稲刈りも終わり、お米の発送作業に入りました。

有り難いことに、例年通り多くの予約注文をいただいております。しかしご予約分はほぼ発送が終わりましたので、これから順次ご注文を受付いたします。

ぜひご注文をよろしくお願いいたします。

↓ご購入はこちらから
【南薩の田舎暮らし】
【2022年産】無農薬・無化学肥料のお米(5kg)

それにしても、今年は米作りに苦労した年でした。

というのは、水管理がなかなかうまくいかなかった。というより田んぼになかなか水が来なかったんです。もちろん、史上2番目に早い梅雨明けだったのが大きく影響しています。6月〜7月トータルで見るとそれなりの雨量があったのですが、梅雨前と梅雨の中心時期にあまり雨が降らなかったのが大きい。

田んぼに水がないとどうなるか。もちろん生育が悪くなりますが、それ以上に困るのが「草が生える」ことです。

このとおり。田んぼに水が全然入らない時期があったので、稲の間が草だらけになってしまいました。

私は無農薬で作っていますし、草取りの機械も持っていませんので、このようになると手で草取りする以外にありません。

※しかし実際は、田んぼの除草剤も、草取りの機械も、水が入っていないと使えません。なのでこうなるとどっちみち人力で取る以外ないんですけどね。

ところが! 田んぼの草取りも、実は水が入っていないと非常にやりづらい。田んぼの土は乾くと堅く締まるので草が取れないんですね。なので、意地になってホー(土を削る道具)で草取りしました(画像の右半分)。

こんなアホな作業をしているのは、このあたりでは私以外は見たことがありません。人件費と売上は見合っているのだろうか、というようなことを考えるとやる気がなくなるので、無心になって全部の草取りを終えました。これまでで、一番草取りが辛かった年かもしれないです。

なので、今年はかなりの不作だろうな……と覚悟していたのですが、意地の草取りの甲斐があったのか、思ったほどの不作ではなかったのでホッとしました。また、小米(規定の大きさに達しなかった米)もけっこう少なく、病害虫の被害もほとんどありませんでした。

「苦労したから美味しいはずです」みたいなことは、農業では正しくないことが多いですが(豊作の時は、たいがい、作るのも楽です)、今年は苦労の甲斐があったということにしておこうと思います。

うちのお米は量が限られているので、8月末〜9月半ばまでには売り切れます。お早めにご注文をお願いいたします。

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5kg:2,800円、10kg:5,000円(税込み)



2022年8月5日金曜日

第3回そらまどアカデミア「絵本が映す世相と価値観—昭和・平成・令和をたどりながら—」

この大量の絵本の写真をご覧ください。これは私の本棚ではありません。もちろん図書館の写真でもありません。

この本棚の持ち主は、四元 誠さん。すごいコレクションですよね(もちろんこれが全体ではないです)。

このたび、この大量の絵本コレクションをお持ちの四元さんをお招きして、第3回そらまどアカデミアを開講することになりました。

題して「絵本が映す世相と価値観—昭和・平成・令和をたどりながら—」。

さて、四元さんの本業は、陶芸家です。

陶芸家といっても、普通の陶芸家ではありません。専門は土器や土偶の復元で、その「作品」は各地の博物館に納められているそうです。

そしてその活動の傍ら、放課後児童支援員の資格を取り、「まことせんせい」として放課後児童クラブで子どもたちのいろんな手助けをしています。特にものづくり系の活動支援が得意なのは仕事柄当然として、絵本の読み聞かせもすごいんです。

…といっても、当然、私は「まことせんせい」の読み聞かせを実際に聞いたことはありません。でも、Facebookでシェアされる読み聞かせのラインナップを見ただけで熱意がわかります。

第1に、新作絵本が多い。絵本の読み聞かせというと、反応が間違いない定番のものを選ぶのが多いのですが、新しい作品を果敢に取り上げています。簡単なように見えますが、これをするのが意外と難しいです。(もちろん、定番絵本にも素晴らしいものがたくさんありますので、定番絵本ばかりでも悪いことはないのです)

第2に、科学系・人文系(要するに勉強になる)絵本を結構入れています。日本語では、たいていの学術分野は絵本になっていますので(特に福音館書店の「たくさんのふしぎ」「かがくのとも」はこの分野で多大な貢献をしました)、大人でも絵本で勉強になることが多いです。科学に触れる入り口として絵本は大事です。

第3に、硬軟取り混ぜた、子どもを惹きつける組み合わせになっていることです。これは実際どのような順番でどう読んでいるのかとかはわからないですが、私が想像しているのは、「全員この話をしずかに聞きましょう」式ではなくて、一人ひとりの興味に合わせて「聞きたかったら聞いてね」みたいな読み聞かせをしているのではないかということです。だからいろんなレベルの絵本が登場して、結果的に多くの子どもが楽しめる時間になってるんじゃないかなーと思っています。

というわけで、四元さんには、本業の陶芸ではなくて(笑)、絵本について語ってもらいたいと常々思っていました。ひとかたならぬ思い入れがあることは間違いないからです。

今回、「そらまどアカデミア」では、絵本を通じてみる世相や価値観の変化についてお話いただけるということで、大量のコレクションをお持ちの四元さんらしいテーマの設定だと思いました。どんな話が聞けるのか、私も楽しみにしています。

なお、四元さんは本業の方ではこのたび個展も開くそうなので、ぜひ足を運んでみて下さい。

■四元 誠 展〜縄文の器〜
2022年8月10日(水)→23日(火)
 平日 13:00〜19:00
 土日祝日 11:00〜19:00
GALLERY-F(鹿児島市中央町23−21 アエールタワー2F)


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第3回 そらまどアカデミア

絵本が映す世相と価値観—昭和・平成・令和をたどりながら—

講 師:四元 誠

子ども向けの出版物である絵本には、世相や価値観に加え、社会における子どもの存在をどう捉えるのかといった、いわゆる「子ども観」が反映されます。今回は、昭和・平成・令和、それぞれの時代に出版された本を紹介しながら、その移り変わりをたどってみたいと思います。

日 時9月18日(日)14:00〜15:30(開場13:30)
    9月25日(日)14:30〜16:00(開場14:00)
場 所:books & cafe そらまど (駐車場あり)
料 金:1000円(ドリンクつき) ※中学生以下無料
定 員:15名
要申込申込フォームより、または店頭で直接お申し込みください。※中学生以下は無料ですが申込は必要です。
問合せこちらのフォームよりお願いします。

<講師紹介>
工房 琴鳴堂 代表。1973年生 鹿児島県霧島市在住。博物館の展示用造形物/ミュージアムグッズのデザイン/体験学習の企画と教材製作を中心に活動中。また長年に渡り児童施設での読み聞かせも行なっている。

【9月15日アップデート】9月18日に台風接近が予想されているため、日程を延期いたしました。

2022年8月2日火曜日

第2回そらまどアカデミア開催しました! 港町の石造物の世界に魅せられて

7月31日(日)、第2回そらまどアカデミア「川田達也の「いつもの」—古寺跡・お墓トーク—」開催しました。

「いつもの」というタイトルなので、川田さんとしてもお客さんは知っている人ばかりのつもりでいたみたいですが、結果的にはそうでもなかったです。イベントというのは開催してみないとわからないものですねー(もちろん常連さん的な人もいましたけどね)。

さて、川田さんはいつも古寺跡、つまりお墓や、石造物の話ばかりしているわけですが、今回は特に「港町の石造物の世界に魅せられて」というテーマで、薩摩半島の港町にあるいろんな石造物が紹介されました。スライドの枚数は約100枚です!

川田さんによると、港町の石造物は(1)石材の種類が豊富、(2)あふれる財力、(3)交易のあった港との共通のデザインがある、(4)子供のお墓が多い、といった特徴があるそうです。特にここでは(3)の共通デザインについて講演から少し紹介します。

例えば、南さつま市坊津町久志にある「安養院管轄墓地」には、山川の「正龍寺跡」と石材・デザインの点で共通する石塔があります。具体的には、山川石・大谷石といった黄色い高級石材を使い、墓塔の周りに「南無・阿弥・陀仏」と彫った墓塔があるんです。こういったものは、港町の間に交流があったという動かぬ証拠ですね。

他にも、南さつま市笠沙町小浦にある「常福寺跡」には、薩摩川内の久見崎にある「江音寺関連墓地」と共通する赤石の石造物群、白い石の無縫塔などがあり、明らかに二つの港が何らかの繋がりを有していたことがわかります。

実は、この「常福寺跡」は、私は川田さんと一緒に探索し、「屋号(を表す記号)つき墓塔」という他の地域にない独特の墓塔を発見していたのですが、これも他の地域に僅かですが見つかるという発表があり、私も衝撃を受けました。「他の地域にない」と安易に思ったらだめですね…。

その他、石造物にまつわるいろいろな話が川田さんからはポンポン出てきます。引き出しの多さが半端ないですねー。古寺跡に興味を持つ人は結構多いのですが、ほとんどは「武将の誰それが眠っている」とか、「これは○○の戦いの慰霊のために立てられた石塔」といった「歴史」との関連で墓地を見ているのに対し、川田さんは無名の人々の墓石にも同じくらい興味を持って見ているのがユニークな視点であり、強みだなと思いました。

会場のみなさんも、川田ワールドを十分に堪能されたと思います。予定では1時間半の予定でしたが、質疑応答も盛んに巻き起こり(!)、15分ほど超過しての終了となりました。

また、講演終了後もいくらかのお客さんは引き続き残って下さり、おかげで当方が用意していた「かぼちゃバスクチーズケーキ」も完売しました。ありがとうございました。

次回のそらまどアカデミアは9月を予定しています。お楽しみに!

2022年7月19日火曜日

7月29日(金)は「そらまど」を夜営業します(21時まで)

7月29日(金)、「そらまど」夜営業を行います!

「books & cafe そらまど」をオープンさせて約半年が過ぎました。「こんな田舎だしあんまり人は来ないだろう」と思っていましたが、意外と多くの方にお越しいただき、当初想定していたよりも賑わっています。

また、改修にあたってはクラウドファンディングで多くの方に支援していただきましたので、支援者のみなさまもご来店くださっています。

が!

「そらまど」は今のところ金・土曜しか営業していないので、例えば日曜だけが休みの方は、なかなか来られないんですよね……。客商売の方は、火曜とか木曜定休の方も多いですし、やっぱり週2日しか営業日がないと来づらい方は多いです。

実際、クラウドファンディングで支援していただき、返礼品としてドリンクチケットを差し上げている方にも、まだチケットを使う機会がないって方がけっこういらっしゃると思います。申し訳ありません。

というわけで、本当は営業日を増やすのがいいのですが、さすがにそれほどの来店数が見込めないことと、本業の農業に差し障りがあるので、とりあえず「夜営業」をしてみることにしました。

夜に開いてたら、仕事終わりに来ることもできますからね。 

今回は試験営業なので1日だけですが、もし需要がありそうなら、定期的にやっていくのもいいかなと思います(毎週というわけにはいきませんが…)。

7月29日(金)は「そらまど」夜営業。具体的には13時〜21時で営業します(ラストオーダーは閉店15分前まで)。

普段来られない方、ぜひご利用下さい。

【books & cafe そらまど 営業案内】

営業日:金・土(ただし第4土曜日は休み)
営業時間:13:00~18:00 ←通常。夜営業の際は〜21:00
駐車場:4台
場所:897-1201 南さつま市大浦町13647 → googleマップ
Instagram @books_soramado

2022年7月1日金曜日

7月6日(水)午後、南さつま市観光協会にて「日焼けかぼちゃの販売会」行います!

早くも梅雨明けしましたね。

九州南部の梅雨明けは、統計開始以来2番目に早いそうです。そして全国の多くの地方で、史上最も早い梅雨明けとなっています。早すぎです! 

心あるみなさんは、「こんなに早く梅雨明けすると、被害を受ける農家がいるんじゃないかなあ」なんて思っているんじゃないでしょうか。

ご名答! 実は、私も大被害を受けてしまいました…!

それは、かぼちゃの日焼けです。

「かぼちゃって日焼けするの…?」と思う人もいるでしょう。かぼちゃには全然日焼けしない強い品種もありますが、私が栽培している「加世田のかぼちゃ」となる品種は、表面がデリケートなタイプのかぼちゃなので、非常に日焼けに弱いのです。

もちろん栽培途中では、日焼けしないように工夫しています。私の場合は、幅広のガムテープみたいな被覆テープをかぼちゃに貼っています。ところが、出荷の際にはテープを貼ったままというわけにはいきませんので、収穫作業の際にこれを剥がします。

そして、テープを剥がした状態でしばらく置いておく時間があるのですが(切り口を完全に乾かすためと、作業の都合上)、その2〜3時間の間、かぼちゃは日光に無防備になります。

例年ならば、この時期はまだ梅雨の真っ最中ですので、曇天や薄曇りに収穫する時が多く、むしろ雨の方が心配(腐るので)。ところが今年は異常に早い梅雨明けのためカンカン照りの中での収穫となってしまい、「これは日焼けが出そうだぞ」と心配しておりました。

それなりに対策はしていたつもりですが、それ以上に日差しが強烈だったようです。

本日、農協の選果場より、出荷したかぼちゃが20ケースばかり返品されてきました。日焼けが原因です。これまで数ヶ月栽培してきたかぼちゃが、最後の3時間くらいでダメになってしまいました。迂闊でした。

ちなみに、日焼けするとどうなるかですが、基本的にはそこから腐っていきます。日焼けというよりヤケドだと思って下さい。もちろん商品価値はゼロです。返品されてもしょうがありません。

でも、中身はほとんど無事なのも事実。このまま20ケースも捨てるのはもったいない! 金額的にも大きな損失です。

というわけで、前置きが長かったですが、この日焼けかぼちゃを格安販売いたします! 

7月6日(水)14:00〜18:00、南さつま市観光協会にて。大きいサイズのかぼちゃの1/4カット100円、半カット200円など「加世田のかぼちゃ」を超お得にお買い求めできるチャンスです。ですが、もちろん日焼けのために傷んだものばかりですので、その点はご承知おき下さい。

多くのお客様に来て頂けますようお願いいたします(※売り切れ次第終了)。

日焼けかぼちゃの販売会
日時:2022年7月6日(水)14:00〜18:00(なくなり次第終了)
場所:南さつま市観光協会ロビー(加世田本町公園横)

2022年6月30日木曜日

第2回そらまどアカデミア「川田達也の「いつもの」—古寺跡・お墓トーク—」!

第2回そらまどアカデミアを開催します!

題して「川田達也の「いつもの」—古寺跡・お墓トーク

最近、「内輪ノリみたいなイベントをするのはダサい」なんて言葉を聞きます。知り合いばかりで集まって、内向きの価値観でお互いを承認し合うような内容のイベントってダサいですよねー。

……が、敢えてやっちゃいます、そんな内輪ノリのイベントを。

そもそも、川田さんには、毎月の「石蔵ブックカフェ」でも准スタッフとしていつも片付けを手伝ってもらっていますし、プライベートでも「鹿児島磨崖仏巡礼」のパートナーでもあり、私にとっては、もやは身内のようなものです。

そんな川田さんに御登壇いただくんですから、内輪ノリにならない方がおかしい。今回ばかりは存分に内向きの価値観でお互いを承認し合いたいと思います(笑)

話の内容は、もちろん「古寺跡・お墓」についてですが、今回は特に「港町の古寺跡と石塔」について語ってくれるそうです。


川田さんとは、一緒に南薩の港町へ行って、墓地の探索をたびたびしています。どこに行っても墓地というのはそれぞれ個性的。特に港町は、独特のお墓文化があって面白いんです。

でも、何も予備知識のない人がいきなりお墓に行っても、どこがどう面白いのかはすぐにはわからない。私もそうです。その面白さを引き出してくれる川田さんがいるからこそ、私も何度もお墓の探索に行っちゃうんですね。そしてその面白さとは、昔(主に江戸時代以前)の人の信仰や生きざまを直接感じられる、ということだと私は感じています。その面白さは、決して内向きなものではなく、普遍的な価値があると思います。

さて、ご紹介が遅れましたが、川田さんとは何者か、についても説明しましょう。そうでないとまるきり「内輪ノリ」なので(笑)。

川田達也さんは、鹿児島の古寺跡(墓地)を探索し写真に納める「古寺跡写真家」です。お墓を撮ったら川田さんの右に出るものはいません。その成果は「薩摩旧跡巡礼」というブログで発表されています。

【参考】薩摩旧跡巡礼
http://nicool0813.blog.fc2.com/ 

その活動が評価され、『鹿児島古寺巡礼―島津本宗家及び重要家臣団二十三家の由緒寺跡を訪ねる―』という本を20代で南方新社から上梓されました。

墓を巡って在りし日の古寺に思いを巡らし、また古寺跡(墓)の美しさを写真で表現するという活動では、全国的に見て第一人者といって差し支えないでしょう。川田さんの面白さについては、横田ちえさんがブログにまとめていますのでぜひ読んでみてください。

【参考】廃仏毀釈の跡に見る美 鹿児島の廃寺跡を探し歩く写真家・川田達也さん|鹿児島フリーライターのブログ
https://shirokuma-shirokuma.hatenablog.com/entry/tatsuyakawada_interview

また、姶良市のあいらびゅーFM(89.1MHz)では毎週金曜日の12時より「たっつぁんのテラバナシ」という番組に出演しています。自分の持ち番組があるってすごいですよね。

今回、そんな川田達也さんに、魅惑の「古寺跡・お墓」の世界について存分に語ってもらいます。お楽しみに!

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第2回 そらまどアカデミア

川田達也の「いつもの」—古寺跡・お墓トーク—

講 師:川田達也

廃仏毀釈により失われたお寺の跡である「古寺跡」。そこには多種多様な形やデザインの石造物があり、土地独自の解釈がなされている。しかし先人が残してくれた豊かな文化もすっかり埋もれ、忘れられてしまった。そんな隠れた魅惑の世界を、豊富な写真をまじえて紹介する。

日 時:7月31日(日)14:00〜15:30(開場13:30)
場 所:books & cafe そらまど (駐車場あり)
料 金:1000円(ドリンクつき) ※中学生以下無料
定 員:15名
要申込申込フォームより、または店頭で直接お申し込みください。※中学生以下は無料ですが申込は必要です。
問合せこちらのフォームよりお願いします。

<講師紹介>
1988年鹿児島市生まれ。京都府立大学文学部卒。古寺跡写真家。週に一回ラジオの人。大学在学中、鹿児島の廃仏毀釈を知り、卒業後に帰郷。以来鹿児島の古寺跡を撮り続けている。著書に『鹿児島古寺巡礼』(南方新社)。

2022年6月12日日曜日

第1回そらまどアカデミア開催しました! ふるさとの景観の価値について

6月12日(日)、「第1回そらまどアカデミア」開催しました。

広報はSNSとチラシのみでしたが、定員15名がすぐに埋まりました。お越しくださった皆様、ありがとうございました。

第1回のテーマは鹿児島市立図書館長の井上佳朗さんによる「故郷の景観と心のパースペクティブ~景観がもたらす精神的価値と地域価値~」でした。

平たくいうと、「ふるさとの景観はどんな価値があるのか?」という内容です。

講演ではまず「景観と人との間には確かな絆が存在する」とし、その絆の内容について繙かれました。ある種の景観は人にメッセージをくれ、それは受け取った人によって解釈されます。幼少期から青年期に出会ったそういう風景は、ことあるごとに再生・再構築されて「原風景」として心の中に定着していきます。

もちろん、景観そのものにはメッセージは含まれていません。しかし一人で自然の景観の前にたたずむと、「雄大な自然」と「小さな自己」、「悠久の時間」と「 一瞬の人生」など、景観によって自己が相対化(客体化)されることになり、それが理屈を超えた理解(アハ体験)をもたらすのです。そして特に幼少期から青年期の景観は、自己の成長の記憶を内包したものとなり、アイデンティティの形成に重要な役割を果たします。

つまり、原風景とは自分が「原点回帰」できるものとなるのです。

こうした景観は多くが遠景(山とか海とか)なのですが、一方で近景(家並み、街並み)についてはまた別の力学が働きます。それは、近景は人間の活動によって作られるので、自己を客体化するというよりは、「公と私」の分かちがたい関係を想起させます。つまり「私」もその景観を作っていくことに参与せざるをえない。そして個々が勝手に自分の好みで家や庭や商店を作っていくと景観は乱れていくため、近景を維持していくにはコミュニティの総意が大事になります。近景はコミュニティの姿である、といってもいいのかもしれません。

それから話の中で「シークエンス景観」という用語が出てきました。これは、例えば曲がりくねった狭い路地を歩いていて見る風景のような、「移動によって次々に現れる景観」のことだそうです。次々に現れるということは、つまり全体像は見えていないわけで、普通「景観」というと見晴らしの良い場所、展望台のような所からの風景と思うわけですけど、「見え隠れする景観」というのにも面白い価値があるんだ、というお話でした。

我々は、何であれ「どこか」で経験します。

よって、出来事はそれが起こった「場所」とともに記憶されます。景観は、単なる背景ではなく、「体験の記憶」と深く関わっているのです。そして原風景のような景観には、とても重要な記憶、それこそ「私が私であるための記憶」のようなものが埋め込まれていると言っても過言ではありません。

また、それは個人的なものであるとともに、地域や日本人といったレベルでも「大事な景観」があり、そうしたものの価値に目を向けることが大事です。

講演後の質疑の時間では、私から「鹿児島では山形屋に行ったことが幼少期の大事な記憶だという人が多いように、自然の景観だけでなく街並みも原風景としての価値が大きい。しかし街並みはどんどん変わっていく。都市の景観はどう維持していくべきだと思うか」といった質問をしたところ、「高度経済成長期以降の日本は、そもそも維持したいような街並みを作ってこなかった。なんでも安普請で済ませることをやめ、少しお金はかかってもみんなで維持したいと思う建物を作らないかぎり、都市景観の保全をしていくことはできない」という見事に本質を突いた回答を下さいました…。

実際の講演では、もちろん上記にまとめたような話だけでなく、景観をテーマにしつつも、視野の広い多様な話題が盛り込まれており、景観の価値について多面的に見直す場になったのではないかと思います。

現在、鹿児島ではドルフィンポート跡地の新県立体育館や、巨大風力発電所計画など、景観の面でも大きな影響をもたらす事業が浮上しています。

しかし、景観というのは、観光資源でないかぎりは特に何円で評価できるというようなものではないので、事業者からの「配慮します」の一言で済ませられるものでもあります。でもそれでいいのでしょうか。井上先生からは「何でもかんでも景観を変えてはならないというものではないが、地域の景観はかけがえのないもので失われたら二度と取り戻すことはできない。何を残していくのか、地域のみんなが共通理解を持つことが大事」というメッセージをいただきました。

「そらまどアカデミア」は、今後も不定期(農閑期を中心に1〜2ヶ月おき)に開催していきたいと思います。普段とは違う視点から世界を覗くような、そんな場になったらと思っています。

次回をお楽しみに! 井上先生、ありがとうございました。

2022年5月22日日曜日

田舎暮らしで農業をしている私が、なぜ本を出したか。

私こと、南薩の田舎暮らし店主が本を出しました!

……といっても内容は、田舎暮らしとも農業とも全然関係ありません(笑)

神代三陵(じんだいさんりょう)という、「神さまのお墓」がどうして鹿児島にあるのか? という謎を追ったものです。

なんでそんな本を出したの…!?

と思いますよね、普通。

大学でそういうことを勉強していたんですか? と聞かれることもあります。が、私は理学部数学科を出ていて、歴史どころか人文系の学問はほとんど勉強していません。

数学科なのに農業をやっている、というのも「大学で何を勉強してたんだよ!」って感じですが、実は勉強自体はすごく好きで、大学時代は勉強に明け暮れておりました。ですが、悲しいかな数学の才能・センスがあまりなかったので数学の道に進むのは諦めました。

実は、社会人になってから、趣味で進化人類学の勉強をしていたこともあります。 これはこれで面白かった。でも田舎に移住してきてからは、身近な歴史を調べるのが面白くなりました。例えば、ここの氏神様の祠はいつからあるんだろう? とか。

そして、歴史は歴史でも特に宗教がらみのことに興味がありました。私は、中学生くらいの頃からなんだか宗教が気になっていて、「信仰とは何か?」という疑問をずっと胸に抱いていました。そういえばミルチア・エリアーデの『世界宗教史』も全部読みました。特定の宗教というより、人はどう信仰してきたのか、ということが気になるんです。

そんなわけで、田舎に暮らすうちに、自然と身近な宗教の歴史に目を向けるようになりました。そして、薩摩藩は明治以降の行政史において非常に大きな影響力を持っていたために、身近な歴史が日本全体の歴史に大きくリンクしていることがわかってきました。

その一つの極点に思われたのが、神代三陵という「神さまのお墓」です。どうしてそんなものが鹿児島にあるのかを解き明かすことが、そのまま幕末明治の宗教行政史を見直すことに繋がっていったのです。

それをまとめたのが、今度書いたこの本です。

というわけで、この本は、内容的には田舎暮らしとは関係はないのですが、こちらに移住してこなかったら絶対に書かない内容だったので、無関係とも言い切れない。

それに、農業とも無関係じゃないのです。

というのは、農業というのは、単純作業がたくさんあります。というか単純作業しかないくらいです。例えば、今日は田んぼの草取りをしていました。草取りなんか、単純作業の王様みたいなものです。もちろん大変です。でも自分のペースで出来るし、頭の中は暇です。だから2時間草取りをしたら、2時間考え事をしているのと同じです。

なので、農業を仕事にしてから、考え事をする時間は大幅に増えました。実際、こんなに思索に時間を使える業種ってそれほどないかもしれません。しかも体を動かしながら考えるのがまたいいんです。

その時間を利用して、学んだ身近な宗教の歴史について考察したり、それを検証したり、違う角度から改めて考えてみたり、とにかくこねくり回して自分なりにまとめていきました。そうして頭の中で本を書いたのです。仕事中に頭を使うような業種を選んでいたら、本は書けなかったんじゃないかなと思います。

ですから、内容的には田舎暮らしとも農業とも全然関係ありませんが、きっと田舎暮らしをして農業をしていたからこそ書けた本です。人生にたびたび現れる、不思議な巡り合わせで出来た本です。

よかったら、買って下さいね!

↓ご購入はこちらから…ですが、全国の書店、Amazon等でも販売されます。
【南薩の田舎暮らし】『明治維新と神代三陵:廃仏毀釈・薩摩藩・国家神道』 (1870円(税込み)送料無料)

2022年5月17日火曜日

そらまどアカデミア第1回「故郷の景観と心のパースペクティブ~景観がもたらす精神的価値と地域価値~」を開催します。

「books & cafe そらまど」をオープンして約半年が経ちました。

最初は、「お客さんがたくさん来ちゃったらどうしよう。鹿児島の人は新しもの好きだから…」と心配していたのですが、幸か不幸か(?)これまでのところ大繁盛はしておりません(笑)

そんなわけで、このお店の当初の目標「田舎における文化の拠点」になるべく、ミニ講演会のシリーズ「そらまどアカデミア」を不定期で開催していくことにしました。

第1回は、6月12日(日)、鹿児島市立図書館長の井上佳朗さんをお呼びして、「故郷の景観と心のパースペクティブ~景観がもたらす精神的価値と地域価値~」をご講演いただきます。

この講演内容はこちらからお願いしたものではなく、井上先生からご提案していただいたものですが、最近、風力発電の計画で海や山の景観が危機にさらされていることを考えると、非常に時宜に適ったテーマを選んでいただいたと思います。

また、「そらまどアカデミア」のキャッチコピーを「世界をのぞく小さな窓」にしました。大それた事はできないけど、ちょっとだけ世界をのぞくような場にしたい、という思いからです。景観というのはまさに窓からのぞくものの一つなので、ちょうどよい縁語になりました。第1回に相応しいテーマですね!

ちなみに、井上先生に講師になっていただいたのは、もちろん鹿児島市立図書館長ということで本に関係するからでもあるのですが、南薩の田舎暮らし代表(窪 壮一朗)とは、東京工業大学の同窓生なのです(もちろん井上先生はずっと先輩)。そのご縁から二つ返事でご快諾いただいたことに、この場を借りて感謝です。

そして本来、鹿児島市立図書館長にご講演いただくとなれば、もっと大きな会場を用意すべきですけど、「そらまど」は狭い店なので定員が15名しかありません。お早めにお申し込みください。

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第1回 そらまどアカデミア

故郷の景観と心のパースペクティブ
~景観がもたらす精神的価値と地域価値~

講 師:井上佳朗

変化の激しい現代社会において、故郷の景観が持つ価値について考察してみたい。人間と景観の関係を、「近景」と「遠景」という空間軸に、「現在」「過去」「未来」という時間軸を重ねて、地域社会づくりへのヒントを得たいと考えている。

日 時:6月12日(日)14:00〜15:00(開場13:30)
場 所:books & cafe そらまど (駐車場あり)
料 金:1000円(ドリンクつき) ※中学生以下無料
定 員:15名
要申込申込フォームより、または店頭で直接お申し込みください。※中学生以下は無料ですが申込は必要です。
問合せこちらのフォームよりお願いします。

<講師紹介>
1947年長野県生まれ
2013年鹿児島大学名誉教
2020~鹿児島市立図書館 館長
社会開発工学・社会行動論をベースに、観光振興、景観形成、環境対策、公共交通対策などの地域社会づくりに取り組んでいる。

2022年4月22日金曜日

【そらまど】GWは4日(水)〜7日(土)の4日間営業します

「books & cafe そらまど」、GWは、4日(水)〜7日(土)の4日間営業いたします。

つまり通常営業にプラスして、4〜5日の2日間を営業日としました。せっかく張り切って営業するので来て下さいね。

なお、営業時間は13-18時で通常通りです。

亀ヶ丘に夕日を見に来られる方が多いかと思いますが、今の時期は日没後は「そらまど」はもう営業終了してますので、亀ヶ丘に行く前に「そらまど」にお越し下さい。 

ところで、南さつまのGWといえば、「吹上浜 砂の祭典」です。

【参考】吹上浜 砂の祭典
https://www.sand-minamisatsuma.jp/

今年は5月3日(水)〜5日(木)の3日間開催。

コロナ前は、「吹上浜 砂の祭典」は金峰の高橋を会場として1ヶ月くらいやっていたのですが、コロナ禍においては大勢を一ヶ所に集めることは好ましくないということで、街中に砂像を分散的に作って回遊する方法に代わり、また会期も3日間のみとなりました(が、砂像自体は1ヶ月くらいは展示されています)。

そしてそれに伴い、これまで1000円くらいだった入場料がタダになりました! これは来なきゃ損、ですね!

ちなみに、例年うちは砂の祭典会場でコンフィチュール等を販売してきたんですが、今年は置いてませんのでご注意ください。というのは、「そらまど」を開店させる都合上、預託販売の商品の回収等ができないんじゃないかと思って遠慮したんです(でも、後から考えるとできたかもしれないと少し後悔しています)。

そもそも、会期が1ヶ月から3日間に短縮されたことで売上はかなり減ってはいましたが、それでもけっこう売れてました。やっぱりこの機会をなくしたのは痛いかも……。

というわけで、平常なら砂の祭典で販売する分も、自分で売らないといけないのでどうぞコンフィチュールもよろしくお願いします!(結局、最後は宣伝(笑))

↓ご購入はこちらから
【南薩の田舎暮らし】南薩コンフィチュール「金柑とたんかん」

2022年4月19日火曜日

ダメダメな春

春ですね。

次から次へとやることが押し寄せてきていて、非常に忙しい日々を送っています。

というわけで、最近のいろいろをまとめて書くことにしました。

まずは4月3日(日)、「そらまどミニコンサート」を開催しました。「books & cafe そらまど」にあるピアノを活用したミニイベントです。

【参考】4月3日、「そらまどミニコンサート」を開催します!
http://nansatz-kurashi.blogspot.com/2022/03/43.html

演奏してくれたのは近所に住んでるピアノが上手な狩集姉妹。「お客さん来るかなあ? ゼロってことはないだろうけど…」と心配しておりましたが、当日は中に入りきれないくらいの人が集まりました。大人14名+子ども6名くらいでした。

お集まりいただいた皆様、この場を借りて改めて御礼申し上げます。今後も、時々こういうミニコンサートを開催できたらなあと考えています。

それで、このコンサートが終わってから、急いで田植えの準備を始めました。昨年に比べると1週間くらい遅れて準備を始めた感じです。別にコンサートのせいで遅れたわけではなく、雨が降らなくて田んぼに水が入れられなかったのが理由です。

それで、代掻きが十分にできないまま田植えのタイミングになってしまい、作業と天気の都合上、どうしても4月15日(金)に田植えする必要があったので、急遽「books & cafe そらまど」を臨時休業にして田植えしました。

臨時休業の旨はFacebook、Instagram、Twitterでお知らせしましたが、こういうときのSNSは頼りないもの…。案の定、臨時休業を知らずに来てしまうお客様が数組いらっしゃったようです。本当に申し訳ありませんでした。

そんなことで田植えはなんとか終わりましたが、この2週間田植えに集中していたため、今度はかぼちゃ畑がしっちゃかめっちゃかになってしまいました。

ぐちゃぐちゃになったツルを一本一本解きほぐして整理し、脇芽を欠いていく作業をしていかないといけません。適期作業をすれば1列30分もかからないのですが、作業が遅れた今、1列2時間半かかります。この間ずっとかがんでいるので腰が激痛になります。そんなに疲れる作業ではないんですけど、腰が痛すぎて一度にたくさんできません(ただの根性なしと言われればそれまで…)。

今日、ようやくあと1列、というところまで作業が進んだところでした(全部で10列あります)。しかーし、こうしてかぼちゃにかかり切りになっているうちに、実はもっと遅れている作業があるんです。なんと果樹園の方では、まだ今年の新植苗木を1本も植えていない!!

本当は3月中にやっておくべき作業です。もう4月も後半…。そしてそして、サツマイモについてはまだ苗作りすらしていない…。近年稀に見るダメダメな春になってしまいました。

ここから挽回していかないといけませんね!

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うちの看板商品である「南薩コンフィチュール“金柑とたんかん”」がコロナ禍でイベントが少なく販売に苦戦しているので、ぜひネットショップでご購入をお願いします!!

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2022年3月29日火曜日

4月3日、「そらまどミニコンサート」を開催します!

「books & cafe そらまど」にはピアノがあります。

これは、私が子どもの頃に弾いていたもので、実家から運んできました。実家にあっても誰も弾く人もいないですし。

といっても、カフェにあっても弾く機会は少ないので、このピアノを活用してちょっとしたコンサートなんかできたらいいなーと思っていました。せっかくあるんだから。

というわけで、第1回の「そらまどミニコンサート」をこの度開催することになりました。

演奏してくれるのは、近所のピアノが上手な姉妹「狩集(かりあつまり)姉妹」です。特に狩集一花さんは、幼少の頃よりピアノコンクールで数々の優秀な成績を収めており、このたび松陽高校音楽科に進学が決まっています。そこでこの進学を記念してちょっとしたピアノコンサートを開催することとなりました。

入場料は500円。もしかしたらちょっと高いなーと思う人がいるかも知れませんが、これは我々の懐に入るのではなく、入学お祝い金…というかギャラとして狩集姉妹に支払いますのでぜひご理解いただければと思います。

それから、当日は日曜日なので、通常の開店日ではありませんが、特別に13時〜18時で営業いたしますので、コンサートだけでなく「日曜でないと来られないんだよな〜」という方もぜひ来て頂ければと思います。

ただし、狩集姉妹のピアノ演奏はとてもよいものだと思いますが、このピアノは普通コンサートで使うようなものではない家庭用のショボいやつなので響きはイマイチかもしれません。その点はお知りおき下さい。なお、このピアノは自由に弾いてもらってかまいません。もし弾きたい方がいればご来店の際にお声がけください(当日だけでなくどの営業日でも)。

【そらまどミニコンサート】「狩集姉妹によるピアノ演奏」

日 時:4月3日(日)13:30開場、演奏14:00〜14:30
申 込:不要
入場料:500円(子どもは無料)
曲 目
<狩集 琶月>
 インヴェンション 4番    J.S.バッハ
<狩集 一花>
 インヴェンション 15番    J.S.バッハ
 ウィーンの謝肉祭の道化    シューマン
         他一曲 

場 所:books & cafe そらまど(南さつま市大浦町13647

2022年3月7日月曜日

大浦町の写真集ができました!

「Books & cafe そらまど」、オープンから早くも3ヶ月経ちました。

クラウドファンディングへご協力いただいた方へのお礼の品の送付もほぼ終わりました……と言いたいところですが、インターネットを介さないで支援していただいた方には、まだ若干お礼の品を送っていない人がいます。

それから、銀行振込の方は、そもそも連絡先・住所が分からない人も多いです。もしまだ「お礼もらってない」という方がいたら、ぜひご連絡ください(すみません管理が甘くて……)。

しかし、2万円以上のご支援をいただいた方へはたぶん全員へ何らかのご連絡をしたと思います。返礼品は私が作った『写真集 南さつま市大浦町』でした。

この写真集、主に大浦町出身者に向けて、「今の大浦町はこんなになってるんだなあ!」と感じて欲しくてつくりました。写真は、私が撮ったものなので写ルンですレベルですが、旧18集落ごとに3〜4枚の写真で構成しているのが特徴です。

すごくキレイな風景とかではなく、路地とか旧商店跡など何気ない風景を撮っているのが珍しいといえば珍しいかもしれません。

「そらまど」でも1冊5000円で販売しているのですが(高いんですが、印刷に4000円以上かかっているのです)、近所のオバチャンが「都会にいる息子に送ります!」といって喜んで買っていったのは嬉しかったです。

例えばこんな写真も載せています。

近所の「九玉湯」跡。

ここは、温泉ではなくて鉱泉で、古タイヤを燃やしてお湯を沸かすという今では考えられない豪快なところでした。

しかし泉質はとても評判がよく、傷が治る、棘が抜ける、などということで遠方からもかなりお客さんが来ていたそうです。

今は残っていませんが2階もあってそこでくつろいだ思い出がある人も多いのではないでしょうか。廃業したのがいつか正確にはわかりませんが20年以上前かと思います。それでも10年くらい前までは、「九玉湯はどこですか?」と訪ねてくる人がいたそうです。

写真集の写真を見て、「そうそう、あの時に九玉湯で〜」と思い出を語ってくださる方がいました。そんな感じで、大浦の今の風景が、かつての思い出を呼び覚ますことになったらいいなあと思っています。

「こんな廃墟の写真、載せなきゃいいのに」という方もいましたけどね(苦笑)

なお、今のところこの写真集は「そらまど」での販売以外はないですが、ご要望があればインターネットでの販売も考えたいと思います。

気が向いたら、他の写真もブログで紹介するかもしれません。全部で100ページ近くあるので、1日1枚紹介しても約100日かかります(笑)

2022年3月3日木曜日

【お客様の声】「これ以上ない程の美味しさです」

季節がだいぶ春めいてきました。もうそろそろ田んぼの準備も始めないと…。

それからかぼちゃの定植ももうすぐです。

一方、もうそろそろ終了するのがこちら。タンカンの販売です。

今年は見込通り過去最高の収量でしたが、有り難いことに多くのお客様からご注文をいただき、順調に在庫が減っております。残り7コンテナほどになりました。

また、評判もとてもよく、「美味しかった!」というメッセージをたくさん頂いておりますので、ここでその一部をご紹介します。

今年のタンカンは酸味があり甘さも水分も
これ以上ない程の美味しさです。(山口県 Yさん)

とても美味しいですね!小ぶりながら身がギュッとしまっていて食べ応えあります。
酸っぱさは八朔に似ているかな?でも市販の八朔によくあるような干からびてしまっている果肉が全然なくて、水っぽくないのにとても瑞々しく感じます。
実は今まで酸っぱい柑橘では八朔が一番好きだったのですが、今回を機会にたんかんが一番好きになりそうです。(千葉県 Kさん)

とっても美味しいです!相変わらず娘の消費量がすごいことになっています(笑)。(神奈川県 Nさん)

以前にも一度いただいたのですが、そのときのものより大きくて立派でちょっとうれしい驚きでした。もちろん、みずみずしくてとても美味しいです。(大阪府 Hさん)

早速いただきましたが、よい香り、とてもジューシーで甘く美味しかったです。(鹿児島県 Iさん)

先日、初めて購入させて頂きましたが、すてきな美味しさで、幸せな時間を頂きました!(東京都 Oさん)
こうしてご感想をわざわざ送って下さるお客様がいて有り難いです。お陰で、自分で「美味しいです!」といわなくて済みます(笑)

というのは、いつも言っていますが、私は商品紹介には一言も「美味しいです」とは書きません。無農薬・無化学肥料で作っていますが「安心安全」とも書きません。本当に地味な、じみ〜〜な商品紹介です。ついでに写真も地味です。それでも、検索で見つけてご購入下さる方も今年は結構いました。本当に有り難いことです。

ところで、ここで一つお知らせがあります。例年、南薩の田舎暮らしでは「たんかんオランジェット」という商品をつくってきました。……が、今年は製造いたしませんのでご承知おき下さい。楽しみにして下さっていた方も多いと思うのですがすみません。理由は、お店「そらまど」をオープンして忙しいためです。

それではタンカンの販売も終盤ですので、ご注文はお早めにお願いします!

↓ご注文はこちらから
【南薩の田舎暮らし】無農薬・無化学肥料のタンカン

2022年2月13日日曜日

「無農薬・無化学肥料のタンカン」販売開始しました!

お待たせしました!

「無農薬・無化学肥料のタンカン」の販売を開始致しました。

まだそれほどお知らせしてないのに、続々とご注文をいただいております。ありがとうございます。

昨年は台風が来なかったですし、概ね天候にも恵まれ、うちの農園では過去最高の豊作を見込んでいます。病害虫の被害もほとんどありません。

まだ収穫は始まったばかりなので正確にはわかりませんが、不作だった昨年に比べると倍くらいの収量がありそうです。

そして豊作の時は、だいたい品質もよいことが多いです。

糖度を測ると、低くても12.5度、高いと15度くらいあります。糖度が高ければいい……というわけではないんですが、やはりタンカンの場合は強い甘味を期待される方が多いので糖度13度以上あると生産者としては安心です。

なお、うちの地域ではタンカンの本格的収穫はもう少し先なんですが、私はちょっと早めに収穫します。

というのは、まだ酸味が強い時期の方が美味しいような気がするんですよね。といっても、ほんの1週間くらいのことなので、あんまり違わないといえばそれまでですが…、まあ気持ちの問題。

ところで、過去最高収量ということは、逆に考えると過去最高の在庫を抱えることになります。つまり過去最高に売れ行きがよくないと売れ残る、ということに…。

そんなわけで、食べてみて美味しかった方は、積極的に口コミやSNSでの拡散をよろしくお願いいたします!!(笑)全部売り切りたいです!

 

 ↓ご購入はこちらから
【南薩の田舎暮らし】無農薬・無化学肥料のタンカン

↓ポンカンも最後の販売中ですのでよければあわせてどうぞ。
【南薩の田舎暮らし】無農薬・無化学肥料のポンカン

2022年1月24日月曜日

【お客様の声】「まるで寒中の太陽のようで幸せな気持ちになります」

連日、ポンカンを配送しています。

これまでのところ注文は常連さんがメインですが、ちょこちょこと初めての方からのご注文もいただいております。

特に宣伝してないのにありがたいですね。たぶん、常連さんからのご紹介・口コミで広まっているのではないかと思っています。みなさまに感謝です。

あと、Twitter経由も結構多いです。最後がGoogle検索でしょうか。とはいえ検索でたどり着いてご購入される人はかなり少ないです。検索結果の上位ではないですし、商品説明がすっごく地味なので。例年どおりですが「美味しい」とは一言も書いていません。自信がないのが明白です(笑)

しかも今年は「味の方はバラツキが大きいように感じています」と、特に自信がないような書きぶりでした。

しかしながら、これまでのところ、ご注文いただいた方からの評判はすごくいいのでホッとしています。お客様からの声をちょっと紹介します!

早速みんなで食べてみて大満足でした、甘味と酸味のバランスがグッドです。
ツヤツヤのオレンジ色が食欲をそそりますね、2箱買って正解でした。
別配送で頼んだお友達からも、とても甘くて美味しいと喜んで貰えましたよ。
送った私も嬉しかったです。(東京都 Tさん)

香り高く、爽やかな味のポンカンでした!
家族にも好評で、けっこうハイスピードで消費しております。
また近々注文させていただきたいと思います。(鹿児島県 Mさん)

ふっくらとしたみずみずしさがやっぱり美味しいです。まるで寒中の太陽のようで幸せな気持ちになります。香りだけでも幸せ感満載なので皮も湯船に入れて楽しんでいます。(神奈川県 Nさん)

早速いただきましたが、サクサクとジューシーでおいしくてあっという間になくなりそうです(^。^)(三重県 Fさん)

今年は粒が揃い、みずみずしく美味しかったですよ。
年季が入り、今までで最高のポンカンじゃないでしょうか。(山口県 Yさん) 

福岡のスーパーで買うものより、実が大ぶりで、皮をむいた時に立ち上る芳香がすごかったです。
味が濃くて酸味も程良く、最高においしいです!これはもうスーパーのは買えません。(福岡県 Nさん) 

私も母も、食べ続けてしまってます。甘さと酸味は控えめ、あとは表現しずらいのですが、美味くてモリモリ食べてしまう、と言った感じです(東京都 Iさん)

皆さんが感じられてるように、香りも良くて、今年もすごく美味しいです。あっという間になくなりそうなのでリピートです(*^_^*)
元気な果物に元気をたくさんもらっています。(大阪府 Tさん)

今年もおいしいです❗甘いです。香りも、とてもいい香りで指先の残り香もほっこりします。大事にいただきます。(熊本県 Aさん)

このように、今季のポンカンはとても好評をいただいております。ただ、「今までで最高のポンカン」というのは、たまたまこの方の箱にいいものが集まったせいではないかと思います。全部が全部そのくらい美味しいといいのですが…(笑)

それにしても「寒中の太陽」とまで言ってもらえるととても有り難いですね! このようにわざわざご感想を送って下さるお客様には本当に感謝です。

というわけで、今年のポンカンはご好評をいただいておりますので、どしどしご注文をよろしくお願いします!

 

↓ご注文はこちらから
【南薩の田舎暮らし】【発送中】無農薬・無化学肥料のポンカン 

↓スイートスプリングも販売中!(残り僅か)
【南薩の田舎暮らし】無農薬・無化学肥料のスイートスプリング

 

※ご感想はいただいたものを順次追記しました。

2022年1月20日木曜日

カンキツシーズンスタート。「無農薬・無化学肥料のポンカン」発送開始しました。

お待たせしました! 2022年産の「無農薬・無化学肥料のポンカン」の発送を開始致しました!

昨日、ご予約分の発送が全部終わったので、これからはご注文いただいた分から順次発送していきます。

今年のポンカンは、収量は平年並みを見込んでいます。 地域全体として豊作傾向ですが、当農園では無農薬で作っているために傷んでいる樹が多く、特に今季はなんでか樹の傷みがたくさん出ています。なのでプラスマイナスゼロで平年並みな感じです。

品質については、外観はよいものが多いです。あと大きいサイズのものも多いですね。味については、こればっかりは一つひとつ食べてみないと分からないわけですが、「例年よりバラツキが大きいのではないか?」と感じています。

元々ポンカンはとてもバラツキがある果物で、例えば樹の上部と下部では味も食感も違います。熟すタイミングもバラバラで、12月末から1ヶ月程度の幅があります。最初の方に収穫したのと、最後の方に収穫したのでは味も変わってきます。なのでバラツキは当然ではあるのですが、先述の通り樹勢もいろいろなので、外観が揃っていても中身はいろいろかも…? と思っているところです。

とはいえ、本日こんなメールもいただきました。

今年は粒が揃い、みずみずしく美味しかったですよ。
年季が入り、今までで最高のポンカンじゃないでしょうか。(山口県、Yさん)

これは、たまたまこの方の箱にいいポンカンが集まっただけだとは思いますが、バラツキが大きいということはよいものも多いので(←ポジティブ思考)、配送にはできるだけ粒ぞろいのものだけ使うようにしていきたいと思います!

ちなみに、現在「無農薬・無化学肥料のスイートスプリング」も販売中です。スイートスプリングは温州みかんと八朔を掛け合わせて生まれたカンキツで、特徴は酸味が少なく、苦みが全く無いこと、そして非常にジューシーであることです。ジューシーなので1個1個に重量感があります。ポンカンに比べると単価がかなり安いのでぜひポンカンと一緒にご購入いただけると有り難いです。

また、タンカンについては、2月10日過ぎから販売する予定です(登熟次第)。今年は豊作が見込まれているので、たくさんのご注文をいただけるのを楽しみにしております。

そんなわけで南薩の田舎暮らしのカンキツシーズンがスタートしました。今年もよろしくお願いいたします。

↓ご購入はこちらから。
【南薩の田舎暮らし】【発送中】無農薬・無化学肥料のポンカン
【南薩の田舎暮らし】無農薬・無化学肥料のスイートスプリング