2025年4月22日火曜日

田植え終了。「便乗値上げ」の予定です。

4月16日に今年の田植えが終わりました。

といっても、私はそんなに面積はないので、たった一日で終わったんですけどね。(でも機械のトラブルなどで一日で終わらない年も多い。)

それに、田植え自体は一日ですが、その前の耕起・代掻きなど含めると半月ほどの作業があります。苗作りまで含めるともっとですね。ですから、田植え自体は1日でも、やっぱり「ようやく田植えが終わったな」という感慨があります。

栽培方法自体は、今年も例年と同じです。肥料は投入せず、緑肥(レンゲ)のみです。ただし非常に少量ですが堆肥は入れています。微量元素を補給する必要があるためです。もう少し堆肥は入れた方がよかったかもしれません。

ところで、「米が高い!」というのは、みなさんからすると困ったことですが、 米農家としてはもちろん有り難い。しかし米の値段は上がりすぎだろうと思います。これまでの約2倍とはこれ如何に。

というのは、昨年の収穫後の卸価格はこのあたりでは平年より2割高くらいではありましたが、普通作の地域でも2倍も高かったところはないんじゃないでしょうか。集荷の頃の価格よりずいぶん上がってます。

それに、政府備蓄米もまだ本格的に流通しているわけではないとはいえ、備蓄米だから安いということはないようです。

つまり、「安く仕入れた米を高く売っている人(業者)がいる」ことは間違いありません。 米の高騰については政府の政策を批判する声が大きいですが、今回の高騰については民間業者の流通の中に大きな問題があります。お米の絶対量が足りないのではなく、お米の流通量を調節することで儲けている人がいそうです。少なくとも、今回の高騰で儲かっているのは農家ではありません。

というわけで、今後は「農家に恩恵がある形」のお米の価格になっていけばと思っています。 うちはそもそもインターネットで直販しているので市況とは直結していませんが、うちでもこの米高騰に便乗(!?)してお米の価格を上げたいと思っています。便乗値上げですみません。しかし市場価格程度の値段にするものですので、どうかご理解ください。

 豊作になりますように!

2025年4月10日木曜日

第17回そらまどアカデミア「鹿児島市立美術館 開館までと現在」を開催します!


5月11日(日)、そらまどアカデミア開催します。

今回は、鹿児島市立美術館の前館長である大山直幸さんに、鹿児島市立美術館の設立と美術館の役割について話していただきます。

鹿児島では最近、「県立美術館を設立すべきだ」という運動があります。県立(府立)美術館がないのは、大阪・京都・三重・奈良・鳥取・香川・鹿児島しかないらしいです。でも京都・奈良は国立の美術館・博物館が充実しているから県立美術館がないんでしょうし、ないからといって直ちに問題があるとも限りません。ただ、「全国的には県立美術館がないのは少数派」というのは事実です。

でも、鹿児島には県立の「霧島アートの森」もありますし、実は「黎明館」も「鹿児島県歴史・美術センター黎明館」と正式名称に「美術」が入りました(2020年)。多くの美術・工芸品を収蔵しているからだそうです。「こういう施設があるんだから県立美術館的な機能はすでにある」というのが県の言い分のようです。

一方で、県立美術館の設立を求めるグループは、こうした県の主張に対し、県民の作品の発表に使える場が足りないとか、大規模な展覧会が開催しづらいといった事情を訴えています。

こうした声に対しては「市立美術館があるじゃないか」というのがずっと言われてきました。確かに市立美術館があるから、というのが県立美術館がない一番大きな理由だと思います。実際、大阪も市立美術館があって府立美術館はないのはそういう事情でしょうね。

そして実は、鹿児島市立美術館は、全国の美術館の中ではかなり早い時期に設立されているのです。鹿児島に県立美術館がないと聞くと、鹿児島は美術に冷淡な土地なんだろうと思いがちですが、実際は逆で、いち早く美術館が作られた土地なんです!

鹿児島市立美術館が開館したのは戦後間もない昭和29年。これに先行した(国立以外の)美術館は、 京都市立美術館、大阪市立美術館、神奈川県立近代美術館、市立神戸美術館(現存せず)くらいだそうです。空襲で市街地が焼け野原になってしまった鹿児島が、戦後9年にしてこれらの都市と並んで美術館をつくるとはただ事ではありません。そして鹿児島市立美術館が開館した当時は「西日本唯一」の美術館だと謳われました。九州では、福岡より先に鹿児島に美術館ができたわけです。すごいと思いませんか?!

ではなぜ鹿児島市は、全国の自治体にさきがけて美術館を開館することができたのでしょうか? そして「美術館がある街」だったことは、鹿児島にどのような影響を与えたのでしょうか?  そこには、今後の鹿児島の発展のヒントとなることも含まれているかもしれません。

こんなお話ししていただく大山直幸さんは、先述の通り鹿児島市立美術館の前館長ですが、ただの館長ではありませんでした。昨年、鹿児島市立美術館が開館70周年だった時に、市立美術館の仕事とは別に個人で『鹿児島市立美術館ができるまで』という本を刊行しており、市立美術館の歴史に最も精通された方。そして幼少の頃は、鹿児島で創作を続けた鯨津(ときつ)政男さんに8年間絵の指導も受けていたとのこと。美術館に対する想いはひとしおです。

みなさんも、鹿児島の美術館について考えてみませんか?

***************

第17回 そらまどアカデミア

鹿児島市立美術館 開館までと現在

講 師:大山 直幸

鹿児島市立美術館は、30年間の開設運動を経て70年前に西日本では唯一の美術館として開館した。開館までの関係者の苦労を振り返り、なぜ早期に開設されたかを明らかにするとともに、現在所蔵する作品にもふれながら、美術館の役割や収集方針を紹介する。

日 時:5月11日(日)14:00〜15:30(開場13:00)
場 所:books & cafe そらまど (駐車場あり)
料 金:2000円(ドリンクつき) ※中学生以下無料
定 員:15名
要申込申込フォームより、または店頭で直接お申し込みください。※中学生以下は無料ですが申込は必要です。
問合せこちらのフォームよりお願いします。

<講師紹介>
京都大学理学部卒業、鹿児島市経済局長、船舶局長。平成28年4月から6年間鹿児島市立美術館長。著書に「あまみの森でケンムンにだまされた」( 令和2年度県立図書館推薦図書 )、「橋口五葉の中学校時代を中心に」、「鹿児島市立美術館ができるまで」

2025年3月20日木曜日

【重要】「南薩の田舎暮らし」のオンライン・ショップが引越しします。


「南薩の田舎暮らし」のオンライン・ショップが引越しします。

新しいショップはこちらです。ブックマークをよろしくお願いします。

■南薩の田舎暮らし :農産物を販売
https://nansatz.stores.jp/

■books & cafe そらまど :ジャム・シロップなどその他を販売
https://books-soramado.stores.jp/

上の通り、まず大きな変更点としてショップが2つになります。

どうして2つに分けたのかというと、これまで使用していたサービスと異なり、送料の設定がシンプルにしかできないため(←複数個口の設定ができない)やむをえずこのようにしました。

次に、メールアドレスが変わります。これまでのアドレスは2025年9月で使用できなくなります。今後のご連絡は、新「南薩の田舎暮らし」のサイト下部にあるメールマークから飛ぶ問い合わせフォームでお願いします(新アドレスで返信します)。

これにともなって、メルマガの再登録をお願いします(当店では「お知らせメール」と言っていました)。旧メルマガの登録データは引き継がれません。

登録のやり方は以下の通りです。
(1)新「南薩の田舎暮らし」にアクセスする。
(2)新規会員登録する。← PC版:画面右上、スマホ版:左上のメニューから
(3)新規会員登録の画面で「ストアからのメールマガジンを受け取る」にチェックする。
※「ストアからの~」の下にある「セールや新着情報のお知らせを受け取る」の方は、当方が新しい商品を掲載した際や、商品に割引設定を行った際など、特定条件のもとで自動送信されるメールです。

これまでと違い、会員登録しなくてはお知らせメールが受け取れません。面倒ですがどうぞよろしくお願いします。

注意:「南薩の田舎暮らし」と「books & cafe そらまど」の両方に会員登録をすると、それぞれメールマガジンを選ぶことになります。当方では、どちらのサイトでも基本的に同じ内容のメルマガを配信する予定なので、メルマガ登録は一つでかまいません。「南薩の田舎暮らし」の方で登録してもらえると助かります。

なお、「メルマガ登録は面倒だ」という方は、SNSのフォローがおすすめです(完全に同じお知らせをするわけではありませんが)。

■Facebook:南薩の田舎暮らし @nansatsu.kurashi ←基本
■Instagram:南薩の田舎暮らし @nansatz ←販売のお知らせなど
■Instagram:books & cafe そらまど @books_soramado ←お店の営業情報がメイン

次に、それぞれのサイトでの主な変更点をお伝えします。

南薩の田舎暮らし

【重要】新サイトでは、1箱ずつ送料が加算されます。2箱以上ご購入する際は、「まとめ買い用」の商品を準備しますので、そちらをご購入ください。

決済方法代引きがなくなります。また、銀行振り込みの口座が変わります。正確には、当方への振り込みではなく、ご購入のたびにシステムが用意した口座へ入金いただく形になります。また「あと払い(ペイディ)」「PayPal」「キャリア決済」「楽天ペイ」「PayPay残高」が使えるようになります。クレジットカードやAmazon Payは引き続き使えます。

books & cafe そらまど

商品をいくつ買っても送料は変わりません。一方、決済方法は上述と同様です。

また、これまでは自著等の限られた本しか売っていませんでしたが、こちらのサイトでは本や雑貨なども取り扱いたいと思います(そんなにたくさんではないと思いますけど)。

なお、両方のショップで共通ですが、この機会に送料を100~200円値上げします。これまで実費より少し安く設定していたのが、実費相応にしたものです。関東への送料は変わりません(これまでも実費相応だったため)。

ショップ引っ越しの理由

これまでのショップは、GMOペパボという会社の「カラーミー」というサービスを使って構築していました。「カラーミー」の利用料は2021年まで年間約1万円でしたが、2022年にこれが3万円に値上げされ、さらに2024年には約6万円に値上げされました。またクレジット決済等はGMOイプシロンというサービスを使っていたのですが、ここも値上がりが続き、2025年3月からは年間約5万円かかるようになりました。つまり、これまでのショップの年間維持費が約11万円になったのです。

つまり、2021年までの利用料は年間1万円ちょっとだったのに(GMOイプシロンの料金は利用に応じてだったので安価)、たった4年で維持費が10倍になってしまったんです。これはキツい。

当店は、無農薬・無化学肥料の農産物を中心に販売していますが、比較的安価な価格にしてきました。その上、栽培技術が未熟なこともあって、これまで収益がよくありませんでした。率直に言ってあまり儲かっていません。なので年間11万円の維持費はちょっと無理です。

そこで、引き続き比較的安価な価格を維持していくため、ショップの引っ越しを行うことにしたのです。引っ越し先は「STORES(ストアーズ)」というサービスですが、これは月額基本料は無料で、決済ごとに約5%手数料が引かれる方式です(GMOイプシロンでも決済手数料は引かれていました)。

ただし、「比較的安価な価格を維持」といっても、これまであまり安すぎた部分があるため、ショップの引っ越しと併せて農産物の価格改定を行う予定です。これまでも徐々に値上げはしてきましたが、グッと上げるつもりです。具体的な価格は未定ですが、ご理解いただければ幸いです。

最後に

これまでのサイトは、自分でHTML/CSSを書いて構築しました。自分でいうのもなんですが、手作りサイトにしてはよくできていたと思います。そして、これまでのサイトを通じてご購入いただいたお客様は、2025年3月18日時点で1165人もいます。たくさんのお客様にお越しいただき、ご縁をいただきました。10年以上続けて、ここまで育てて来たサイトを金銭面のことでやむなく閉鎖することになり残念ですし、慣れていたお客様にも申し訳ない気持ちです。

ただ、金銭面以上に、GMOペパボ/イプシロンの雑な値上げ(一気に何倍にも!)に直面して、零細顧客を切り捨てる信用できない会社だと思ってしまったことも大きいです。正直、サービスを使い続けたい気持ちがなくなってしまいました。

それはともかく、2025年9月まではこれまでのサイトも併存して、なるだけ多くのお客様に告知したいと思います(販売は新サイトを中心に行います)。心機一転して、改めて頑張っていきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

2025年3月11日火曜日

第16回そらまどアカデミア「フランスでアーティストとして生きる、これまでと、これからのこと」を開催します!


4月13日27日(日)そらまどアカデミア開催します。

今回は、フランスで活躍する書家のYoko Wataseさんにご登場いただきます。

"フランスで書家"というのが、まずビックリですよね! 

そして冒頭の作品をご覧ください。これが書……!? と感じる方もいると思いますが、すごくステキじゃないですか? 

これが全体像です(たぶん)。

うーん、すばらしい。石川九楊(きゅうよう)さんという有名な書家がいますが、石川九楊さんの『歎異抄』(←すごく有名な作品なのでググってみてください)を見て以来のトキメキを感じました。

その他の作品も、Yoko WataseさんのWEBサイトで見てみてください。

【参考】Yoko Watase 
https://yokowatase.com/

しかし、Yokoさん、書家になろうとしてフランスに渡ったのではなく(←当然です!)、不思議な巡り合わせから書の世界で生きるようになったのだそうです。講演では、どうしてフランスで書家になったのかを糸口として、創作について語っていただきます。

そして実は、Yokoさんの個展も同時期に開催されます。頴娃の「ギャラリー蛇足」にて、4月1〜20日で個展が予定されているのです。ぜひあわせてご観覧ください。


会期:2025/4/1(火)〜20(日)
時間:日・火 14:00 - 17:00/土 19:00 - 22:00
会場:ギャラリー蛇足(南九州市頴娃町上別府2196−2)
観覧無料
https://www.gallerydasoku.com/gallery/exhibition_whats-on#h.ui5edela5kft

さて、それではフランスで書家のYokoさんが、どうしてそらまどアカデミアでお話ししてくれるのかというと…

実は、Yokoさんのご実家とそらまどがとっても近いんです! というか、私(南薩の田舎暮らし/そらまど 窪)の農業用倉庫から、ご実家が見える位置にあります。もちろんお父様とお母様もよく知っています。 

そしてYokoさんは、パートナーとともに現在2年間の限定で帰国中。こんな機会は文字通りめったにないので、「あんまり話は得意じゃないから」と渋るYokoさんに懇願して今回の講演が実現しました。

ちなみに、パートナーのジルダさんは、日本滞在中のことをマメにブログに書いています。うちの近所が舞台になっているのに、写真の切り取り方がとても上手くて、何か別のステキな場所について書いてあるみたいなブログです。

【参考】Minami mitai(南みたい)
https://minamimitai.fr/

ちなみに先日、Yokoさんのフランスでの習字教室の生徒さんとオンラインで交流する機会があったのですが、フランスでは日本文化に興味が持たれているんだなということを強く感じました。特に12歳くらいの男の子が「好きな日本のマンガは『呪術廻戦』」と言っていたのにはびっくりしましたね。翻訳が早い!

そんな、フランスにおける日本文化やアートについての話も聞けるんじゃないかと思っています。ぜひご参加下さい。

***************

第16回 そらまどアカデミア

フランスでアーティストとして生きる、これまでと、これからのこと

講 師:Yoko Watase

フランスで 15 年続けた通訳・翻訳の仕事が導いてくれたのは、驚くことに創作の世界だった。
幼少期から親しんできた筆・墨・紙を使い、フランスで新しい「線」世界を生み出すための、これまでとこれからの挑戦を語る。

日 時4月13日(日)14:00〜15:30(開場13:00)
→延期(再調整)4月27日(日)14:00〜15:30(開場13:00)
場 所:books & cafe そらまど (駐車場あり)
料 金:2000円(ドリンクつき) ※中学生以下無料
定 員:15名
要申込申込フォームより、または店頭で直接お申し込みください。※中学生以下は無料ですが申込は必要です。
問合せこちらのフォームよりお願いします。

<講師紹介>
南さつま市大浦町出身。7歳から書道を始める。1999年に語学留学のため渡仏。日仏語翻訳・通訳の仕事を経て、10年前より創作活動に専念。以来、個展を通して作品を発表し続けている。www.yokowatase.com

2025年3月1日土曜日

「10年に一度の寒波」は、来る時期が悪かった

先日、鹿児島では「10年に一度の寒波」がやってきました。

「10年に一度」は、別の言葉でいえば「時々来る」というものですから、まあ、それほどたいしたもんじゃないですよね~。が! 来る時期が悪かった。

今年は「10年に一度の寒波」が2月中下旬に来てしまったんです。

2月下旬は、鹿児島では次第に暖かくなっていく時期です。一番寒いのが大寒(1月下旬)あたりですから、厳しい寒さが過ぎてから1か月後も経っているわけです。私はかぼちゃの種を1月末に播種しますので、2月は育苗期間になります。当然、ビニールハウスの中ですよ。しかし、この寒波のせいで、かぼちゃの苗が半分ほどやられてしまいました。

じつはその前に、自分自身の管理ミスによってちょっと苗が弱っていたんですね。そもそも播種からあまりに低温が続いたため、通常5日で出そろう発芽に10日もかかり、例年よりだいぶ弱い感じでした。そこに「10年に一度の寒波」が来て、苗が半分死亡してしまったというわけです。トホホ…。

しかし! すでに畑の準備はしております。堆肥も入れているし、元肥も入れています。なので、苗を植えなかったらそれが丸損になります。

なので、気持ちを切り替えて、畑に改めて種を植えることにしました。ポット苗をつくって定植するより、直播の方が成長が早いからです(ですが、ハウスの中の管理ではないので不確実性が増します。もちろん霜にも弱い)。早速、昨日播種を終えました。

と思ったら、今日(3月1日)は、1週間前まで最高気温が6℃とかだったのが信じられない春の陽気。いきなり季節が変わりすぎです。最高気温が20℃超えてるので、今度は逆に苗が高温で傷まないか心配になってきました…。このように、ジェットコースターのように変わる天候に振り回されております。

今年のかぼちゃ栽培は出だしから躓いていますが、これからは天候に恵まれて豊作になりますように!!

2025年1月21日火曜日

数十年に一度の不作の年

遅ればせながらあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

鹿児島は、今年の元旦から4日ほどはたいへん穏やかな天気で、こんなに穏やかな正月はちょっと記憶にないくらいでした。最高のお正月を迎えられたと思います。

しかし、正直に言うと、私自身は元気がありません。昨年の記事に書いた通り、主力商品の柑橘類が大不作のためです。ポンカン・タンカンは平年の1割くらいしかありません。

【参考】「ないじゃ、なっちょらん!」|南薩の田舎暮らし ブログ
https://nansatz-kurashi.blogspot.com/2024/11/blog-post_9.html

じつは、この不作は私だけではなく、地域全体が大不作なのです。加世田のスーパー「ニシムタ」では、年始に大浦ポンカン5㎏が5,980円(税込みで6,458円!)でした。しかもこれ、「これが贈答用…⁉」っていうくらいの、見た目も(たぶん中身も)よくないやつです。こんな価格は初めて見ました。それだけ不作っていうことです。

そもそも今年は不作な年だったのですが、その上で大被害を及ぼしたのが夜蛾(やが)でした。(上にリンクを貼った記事では「カメムシ被害」と書いていたのですが、後にこれが夜蛾であることが明らかになりました。)

夜蛾とは、文字通り夜にやってきて果汁を吸う蛾です。普通の年では、これは中晩柑(年明け以降に収穫する柑橘)には被害がないのです。ところが、今年は夏が異常に暑くてしかも長かったからか、夜蛾が大量発生し、その活動期間がまた長かったようです。この蛾に果汁を吸われてしまうと、果実が腐って落ちてしまうという致命的な被害があるのです。

津貫で60年くらい柑橘農家をしている方も、「自分が子供の頃も含めて70年は柑橘栽培を知ってるけど、こんな年は初めて」と言っていました。この方も収穫が例年の2割くらいしかなかったそうです(ちなみに夜蛾には使える農薬がほぼありませんので慣行農法でも被害は大きいです)。そんなわけで自分だけが不作なのではなく、地域全体が運命を共にしているので、せめてものなぐさめ(⁉)になっております。

しかし、話はこれで終わりではありません。今年は、イノシシの被害と、鳥害(ヒヨドリ)が例年になくひどい!! 1月の始めからヒヨドリが果実を食べ荒らしている年というのは、ちょっと記憶にありません。そもそもヒヨドリが多い上、なっている果実は少ないので、被害も大きいのです。不作だからって、ヒヨドリが手加減するわけではないですからね。

そんなことで、例年は1月中はほとんど鳥害を受けないタンカンが、驚いたことに半分くらいヒヨドリに食べられてしまいました。ただでさえ不作なのに、これは無慈悲…。しょうがないので、収穫適期にはまだ3週間以上ありますが、このまま全部食べられてしまうよりはマシと判断し、タンカンやしらぬいはやむなく収穫しました。

つまり、まとめるとこうです。
・今年は、南薩の田舎暮らしの柑橘類は例年の1割しかありません。
・しかも品質もいまいち。
・タンカンやしらぬいは、かなり早採りしています(後日販売するとは思いますが、まだ販売はしていません)。

ただし、ブンタンだけは豊作になっていますので、今年は代わりにブンタンをぜひお買い求めいただければと思います(後日販売)。

なお、ニシムタでは5㎏が6,458円でしたが、当店では今年は値段は据え置きです。(本当は値上げしたいですが、品質がいまいちなので値上げしきれません。)どうぞよろしくお願いいたします。

↓ご購入はこちらから。
【南薩の田舎暮らし】無農薬・無化学肥料のポンカン
今年は数量限定です。4.5㎏入り(2,900円)のみの販売。