2025年8月30日土曜日

久しぶりの秋かぼちゃ

久しぶりに秋かぼちゃを植え付けました。

「秋かぼちゃ」とは、8月後半に種をまいて、12月初旬までに収穫するかぼちゃの作柄で、南さつまの特産品「加世田のかぼちゃ」として出荷されるものです。

私は2020年まで秋かぼちゃを作ってきましたが、2021~2024年の4年間は作りませんでした。その理由は(1)books & cafe そらまどを開店させたため忙しくなった。(2)この時期にかぼちゃにかかりきりになると柑橘類の管理がおろそかになる。(3)かぼちゃの台風対策を一人でするのが非効率的(私は農作業を基本的に一人でしていますので)。(4)なにより台風に翻弄される(=ギャンブル性が高い)のが性に合わない、の4点です。

しかし、昨年の柑橘類の成績が悪かったのに続いて、今年に入ってから大きな出費が続き、どうにかしてお金を稼がないといけないので、台風に翻弄されるのが性に合っていないことは自覚しつつも作付けすることにしたんです。

ところが案の定、8月21日、今年初の台風が急に来ました。鹿児島の方はわかると思いますが、こんなに急に来た台風は珍しい……というか初めてです。そして特に南さつま市は大雨が激しかった。加世田内山田では大規模な浸水が発生しました。翌日県道20号を走ったら、今まで見たことがないほどカーキャリア(車を積むトラック)が走ってました。浸水でダメになった車をどんどん運んでいると思うと切なかったです。水害で加世田にこんな大きな被害が出たのは昭和58年の加世田川氾濫以来かもしれません。

一方、私の方は倉庫がほんのちょっと水浸しになったくらいで大きな被害はなく、かぼちゃに関しても幸いなことに植え付け前でしたので大きな影響はありませんでした(植え付けるのが4日ほど遅れたくらい)。しかし、連日続くこの猛暑と異常気象。今後は穏やかな天候に恵まれる、というのはありそうもないですねー。

とはいえ、今後台風が来ないことをひたすら祈るしかありません。こればっかりはどうしようもないですからね。ギャンブルは苦手ですが、この秋は賭けるしかありません!

2025年8月29日金曜日

第19回そらまどアカデミア「海*東アジア&日本」を開催します!


9月14日(日)、そらまどアカデミア開催します。

いつものそらまどアカデミアは講演ですが、今回は対談です! しかも、店主が小川景一さんと対談します。どうしてこんな変わったイベントをするのかというと、話は1年前にさかのぼります。昨年8月、小川景一さんには「海を渡ってきた儒学とその周辺…そして明治維新までの物語」と題してご講演いただきました。

【参考】第13回そらまどアカデミア開催しました。朱舜水から水戸学、そして明治維新へ
https://nansatz-kurashi.blogspot.com/2024/08/13.html

上のブログ記事にも書いていますが、この講演では後半店主がしゃしゃり出てきて、対談形式になったのですが、それがけっこう好評でした。

この講演はとても盛り上がったと思うのですが、小川さん曰く「儒学なんて、そんなに入れ込んでないから」。じゃあ小川さんが入れ込んでいる老荘思想について語ってもらおうと依頼したところ、「老荘思想は語ったらもう老荘じゃない。それよりは前回の続きで対談しよう」ということになりました。

具体的には、明治維新の思想的バックボーンとなったのが儒学やその周辺の中国思想であり、日中交流の中で育まれてきたさまざまな思想が長い歴史を経て革命の論理になっていった、ということを小川さんまとめた図像を前に語ります。つまり前回の話を改めて最初からやり直すということになります。それに追加して、実は満州国がそういう一連の思想を具体化した実験場であったというような部分にまで踏み込む予定です。

ただし! 先日小川さんと打ち合わせしたのですが、「とてもじゃないけど、この話をしていたら2時間では終わりそうもない」と思いました。でも、もう2時間で終わらなくてもいいので、喋れたところまででやりたいと思います。小川さんと存分に語り合いたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

★前回の講演を聞いていなくても、聞いていても楽しめる内容のはずです。 

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第19回 そらまどアカデミア

海*東アジア&日本

対 談:窪 壮一朗×小川 景一

海を渡ってきた儒学とその周辺、そして明治維新。
維新の残響、中華・朝鮮半島。そして満州。

日 時:9月14日(日)14:00〜16:00(開場13:00)
場 所:books & cafe そらまど (駐車場あり)
料 金:2000円(ドリンクつき) ※中学生以下無料
定 員:15名
要申込申込フォームより、または店頭で直接お申し込みください。※中学生以下は無料ですが申込は必要です。

<講師紹介>
小川景一:絵師・唐通事。武蔵野ミュージアム選書スタッフ。中国桂林にてデザイン教師、鹿児島大学非常勤を経て、現在庭師修行中。

2025年8月8日金曜日

新米の販売を開始しました!

2025年産の新米の販売を開始しました。

今年は、天候に恵まれました。田植え時期に寒波にあたることもなく、生育初期には水も豊富にあり、後半は天気が良くて日照時間が長かった。特に生育初期(5月)に水が豊富だったのは珍しいことで、おかげで田んぼの雑草がほとんど生えませんでした。

うちでは、お米を無農薬で作っていますので、草対策が重要です。無農薬栽培を開始したのは2014年ですが、一昨年くらいまでは半月以上を草取りに費やしていました。全部手で草取りしていますので…! ところが、何年も徹底して草取りをしていたら、草の種や球根などが田んぼの土からなくなり、草が生えにくくなりました。というわけで、今年は水に恵まれたこともあり、ほとんど草取りなしできれいな田んぼをつくることができました。

一方、無農薬・無化学肥料で作るようになってから初めて、稲が倒伏しました。これはすごく不思議でした。というのは、普通、倒伏というのは肥料のやりすぎによっておこるのですが、今年は肥料を入れていないんです。

といっても全く無肥料というのではなく、冬にレンゲを栽培しており、レンゲが緑肥となっていますのでそれなりには窒素分が入っています。しかし、このあたりではヘアリーベッチ(レンゲと似たような緑肥で、レンゲより窒素供給量が多い)を緑肥にしている人も多いですが、化学肥料も半分程度入れるのが普通です。レンゲ緑肥のみというのは、かなり肥料が少ない方です。

にもかかわらずなぜ稲が倒伏したのか? 別に強い風が吹いたわけでもないのに。

いろいろ考えたんですが、「レンゲ緑肥を何年も栽培した結果、地力がたいへん向上していた。そんな中で、天候に恵まれたため稲の生育がよく、たくさんの実がなって倒伏した」のではないかと思います。うちでは、無化学肥料と言っていますが、有機質肥料もできるだけ入れないようにして、地力向上重視で管理してきました。正確なところは不明ですが、今年の天候がその管理にばっちりハマったのかもしれません。倒伏自体はよくないことですが(←コンバインでの稲刈りがしづらく、種籾が水につかると商品価値をなくす)、倒伏するくらいたくさん実ったのはいいことです。

ともかく、今年は豊作で、品質もよさそうです(私はまだ新米を食べていませんが見た目で判断して品質もよいと思われます)。

そして、昨年よりも値段を上げさせていただきましたが、常連さんからはいつも以上にご注文をいただき、すでに1トンほどが売れました。いくらかは注文数が減るかと思っていたのに、例年通りご注文をいただき本当にありがとうございます。

在庫は残り500㎏ほどです。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

↓ご購入はこちらから
【南薩の田舎暮らし】無農薬・無化学肥料のお米
https://nansatz.stores.jp/items/68877c338fe718028485a336

※現在は予約期間中ですが、お盆明け後くらいに順次発送(日時指定可)を開始します。