2023年8月16日水曜日

南薩の田舎暮らしの米作り

南薩の田舎暮らしのお米=「無農薬・無化学肥料のお米」が、今年はちょっと豊作です。

いつもなら、常連さん達がご購入くださるとほとんど在庫がなくなります。

去年はちょっと不作だったこともあって8月25日には売り切れました。

しかし、今年はまだまだ在庫があります! 

つまり、新規顧客開拓のチャンス。ということで、南薩の田舎暮らしではどんな風に米作りをしているか、改めてお伝えしたいと思います。

まずは苗作りです。

うちでは、近所の農家Kさんの米作りに便乗させてもらっています。なので、苗作りはKさんがやってくださっています。

無農薬での米作りでポイントとなるのが苗作り。植えてから無農薬にするのは草取りさえすればそんなに難しいことではありませんが、苗作りの段階で農薬を使わないのが難しい。

さて、苗作りで最初に行うのが種子の消毒。消毒といっても農薬は使わずにやります。「温湯消毒」といって、60℃のお湯に一定時間種を浸して消毒します。これけっこう手間がかかります(専用の機械も必要)。

ちなみに種子は富山県産コシヒカリです。

次は播種です。

これは共同作業ですので、うちも手伝います。播種は、このようなベルトコンベア式の機械で、培土→種子→水→覆土の順に苗箱にいれていく作業です。

普通なら、この時かける水に農薬を混ぜておき、培土・覆土の消毒を行うのですが、当然、化学農薬は使いません。

ではどうして雑菌の繁殖を抑えるのかというと、「タフブロック」という農薬を使います。これは生物農薬で、無害な菌を敢えて繁殖させることで雑菌の繁殖を抑えるものです。 

なお、培土・覆土は熱殺菌したものを使います。土の熱殺菌は普通の農家はできないので、この土は専門の業者からわざわざ購入したものです。

なお、うちのお米は「無農薬・無化学肥料」を謳っていますが、実はこの土に微量の化学肥料が含まれているので、厳密には無化学肥料ではありません。でもほんの少しなので大目に見てくださいね。

ともかく、普通なら、苗作りの段階でいくつか殺菌の工程があり、いろいろな農薬を使うんです。これに農薬を使わないのは工夫と設備が必要。それをしているKさんのおかげで無農薬・無化学肥料の米作りができています。ありがとうございます。

次に圃場の方にいきます。

こちらは、冬の間、たんぼにレンゲを植えている様子です。

「無農薬・無化学肥料」と言っていますが、うちでは実際には有機肥料もほぼ使いません。

ちなみに以前は鶏糞を使っていましたが、最近はほんの少しの堆肥とレンゲによる窒素補給分だけで育てています。窒素の量でいうと、平均の3分の1程度の肥料ではないかと思います。

ただし、天候の関係などでレンゲがうまく育たなかった田んぼには、今でも鶏糞肥料を少しあげています。

代掻き・田植えは、普通どおりです。

世の中には、冬期湛水とか、直播きとか、不耕起とかいろいろありますが、うちではごく一般的な栽培方法を採用しています。

他の農法はやったことがないのでわかりませんが、この普通のやり方でも十分美味しいお米ができると思っています。

作業は普通通りですが、普通でないのは、うちの地域は「早期水稲」といって、田植えの時期が普通より2ヶ月くらい早いということです。例年4月10日前後に田植えを行います。

「早期水稲」は、早く収穫することによって台風被害を受けないようにする、という工夫ですが、「水温がまだ低い時期に植えるので、低温に強いコシヒカリに適した栽培方法」という副次的なメリットがあります。

田植えが済んだら、次は草取りです。

除草剤を使わないと、当然ながら草が生えます。それを、意地になって手で取っていきます。

「八反押し」という除草の手押し車みたいなのもあるのですが、効率は一見いいものの、完全には除草できないことと、非常に力がいることから使わなくなり、いろいろ工夫した結果、今では一本一本手で草取りしています。

いろいろ工夫した結果、一番原始的な方法に落ちついたのが自分でも不思議です。

でも、数年草取りを徹底してやっているおかげで、最近はこの写真(数年前撮影)のようには雑草が生えなくなりました。一度、徹底的に除草すると、雑草の種が落ちないので自然に雑草が減ってくるというわけです。

また、田んぼがきれいに湛水(水が溜まっている)していれば、そんなに雑草が生えるものではありません。特にこの地域にはジャンボタニシ(スクミリンゴガイという巻き貝)がいて稲も食べますが(!)雑草も食べてくれるので、草取りの手間は比較的少なくてすみます。

ちなみに、水はどこから引いているんですか?という質問が時々あります。

3箇所ある田んぼのうち、1箇所は名も無い小川から水を引いていて、ここは非常に水が綺麗です。川シジミがいます(写真)。

もう2箇所は、塘川(ともがわ)という近所の川で、人家はありますが基本的に生活雑排水は少なく、上流に田んぼがないので農薬などの混入もないところです。

田んぼの中には、カエル、アカハライモリ、ヒルなどがたくさんいて、時々カニもいます。

なお、大浦町の干拓地では共同防除が行われており、開花時期(6月末頃)にヘリコプターで農薬を散布しています。うちの田んぼは干拓からは遠く離れていて、当然この農薬はかかりません。肥料分を少なくしているので、そもそも虫害も病気もほとんど出ないので農薬は不要です。

ただし、カメムシ食害はたまにあります。白いお米の中に混入した、黒く変色したお米がそれです。こればっかりはどうしようもないので、見なかったことにしてください。

早期水稲では、稲刈りは8月です。

稲刈りは、例によってKさんに委託しており、コンバインで刈って、乾燥機で乾燥させます。

天日干しじゃなくてすみません…!

でも、一人で米作りしているので、とてもじゃないですけど天日干しとか不可能ですね。きっと美味しくなるとは思うのですが。

ところで、うちの田んぼは非常にキレイだとKさんも褒めてくださっています。刈りやすいと。無農薬だからといって、雑草だらけになったらいやですし、効率も悪く、周りの目も気になります。

私が無農薬でお米を作るうえでの一つの目標は、「美しい田んぼ」をつくることです。「美しい田んぼ」は、大抵味もいいです。草取りの甲斐あって、この数年は、目標としている「美しい田んぼ」ができています。

お客様からもとても高い評価をいただいており、この1週間でほぼ1トンのお米が売れました。残りは200kg程度です。有機認証は取っていないですが、無農薬・無化学肥料のお米としては結構安い方だと思いますので、この機会にぜひご賞味ください。

玄米での発送もOKです。

↓ご購入はこちらから
【南薩の田舎暮らし】【2023年産】無農薬・無化学肥料のお米(5kg) (2,900円)
【南薩の田舎暮らし】【2023年産】無農薬・無化学肥料のお米(10kg) (5,100円)

2023年8月10日木曜日

【お客様の声】「今年も新米を楽しみにしておりました」

2023年の新米、販売開始しました!

といっても、受注開始したのは8月2日のことなので、ブログでの案内が1週間以上も後になってしまいました。申し訳ありません。

今年は、天候(特に水)に恵まれ、管理が行き届いて、これまでで一番綺麗な田んぼをつくることができました。雑草もあんまりないし、生育も揃っているし。それに生育が早くて、例年より1週間ほど早く収穫を迎えました。

ただ、収穫してみると、例年よりも粒(りゅう)がやや小さくて、意外とすごく豊作という感じではありませんでした。今年は最高の出来かと思っていましたが、見た目ではわからないものですね。それでも、豊作で品質もよい方かもしれません(虫害はちょっと受けましたが)。

すでに、たくさんのご注文をいただいており、ブログで案内する前に在庫が半分になりました。例年ご注文を下さる常連さんのおかげです。

ところで、「南薩の田舎暮らし」のカート機能には「備考」を書く欄があるのですが、ここにわざわざメッセージを書いてくださる方が多く、これにはいつもビックリしています。食べて美味しかったとメッセージするのではなく、注文の段階(!)でメッセージを下さる方も多いんです。というわけで、その一部をご紹介します。

待望の新米を今年もいただけて、とても幸せです!(東京都 Hさん)

この日を楽しみにしておりました。
お米だけで食べるのが、大好きです。一粒一粒が甘くて、お米のしっかりした味がして感動しながら食べてます。毎年、美味しいお米をありがとうございます。(鹿児島県 Tさん)

今年も窪さんのお米が食べられる幸せ 大事に食べます。(鹿児島県 Yさん)

今年も新米を楽しみにしておりました。(神奈川県 Sさん)

例年ご好評をいただいており、(自分でいうのもなんですが)ファンが多いお米です。

半分になったとはいえ、まだ在庫はたくさんありますので、南薩の田舎暮らしの「無農薬・無化学肥料のお米」をぜひお試し下さい。

↓ご購入はこちらから
【南薩の田舎暮らし】【2023年産】無農薬・無化学肥料のお米(5kg) (2,900円)
【南薩の田舎暮らし】【2023年産】無農薬・無化学肥料のお米(10kg) (5,100円)

 ※今の時期は玄米での発送も可能です。