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2026年8月8日土曜日

今年は渇水に苦労しましたが新米の販売を開始しております

今年の「無農薬・無化学肥料のお米」の販売を開始しました。

8月3日にショップサイトのメルマガでお知らせしたところ、想定を超えるご注文が殺到し、なんとたった1日で受注を一時停止しました。というのは、今年はお米が不作でどれだけ注文が受けられるか見通せなかったためです。

とにかく、今年は水不足でした。南薩の5月の降水量は平年の半分だったそうです。早期水稲にとって5月は生育初期で大事な時期なのですが、この時期に田んぼに水が足りず、草だらけになってしまい、今年は久しぶりに草取りに苦労しました。

【参考】今年は田んぼの草取りに難儀しています
https://nansatz-kurashi.blogspot.com/2026/06/blog-post.html

梅雨時期は平年並みに雨が降ったものの、さらに問題だったのが7月! なんとここ大浦では、梅雨明け後から7月中ずっと全く雨が降らなかったのです。鹿児島全体でもこの7月は史上最小の降雨量を記録した場所が何箇所かあります。稀に見る渇水の年だったのは間違いありません。このせいで近所の川はすっかり流れが止まり、田んぼは干上がってしまいました。

うちでは3箇所でお米を作っていますが、特に水が足りない場所にある田んぼでは、収穫前に稲が枯れてしまいました。登熟する前に枯れては当然収穫出来ません。ここまでひどくないところも本来の稲の生命力が発揮できなかったので、品質の方も期待通りではありませんでした。なので気持ちだけですが昨年より少し値下げしました。

ところで、この渇水のためにサツマイモもシナシナになっていました。サツマイモというのは非常に強い作物で高音にも水不足にもそれなりに強いのですが、植え付けが遅れた区画ではほとんど枯れてしまいました。途中、水掛けもしたのですが効果はほぼなかったですね…。

先日、稲刈りが終わりましたが、収量は豊作だった昨年の7割くらいしかありませんでした。平年と比べても9割ほどですね。まあこの渇水で平年の9割だったら比較的マシなのかもしれません。

そして8月7〜9日にかけて、台風が鹿児島本土をかすったお陰で雨が降りました。渇水が解消されたのはなによりでしたがけっこうな大雨でしたね。適度に降ってもらいたいものです。

というわけで、少ないながら在庫量が確定したので受注を再開しました。例年なら8月末から9月上旬まで販売しておりますが、きっと早く売り切れると思いますのでご承知おきください。どうぞよろしくお願いいたします。

↓ご購入はこちらから
【南薩の田舎暮らし】無農薬・無化学肥料のお米
https://nansatz.stores.jp/items/68877c338fe718028485a336

2026年6月12日金曜日

今年は田んぼの草取りに難儀しています

南薩では、今年の5月は平年の半分しか降雨量がなかったそうです。

そのため、なかなか田んぼに水が溜まらない区画があったのです。そのうちの一区画は、全く水が干上がってカラカラに乾いてしまいました。別の区画は、水が入ったり入らなかったりでした。

カラカラに乾く場合は意外と雑草は生えないのですが、水が入ったり入らなかったりする時に一番雑草が生えます。そんなわけで、冒頭の写真のように草だらけになってしまった場所があります。そんなに広い面積ではなくても、これを手で草取りしようと思うとかなり大変!

しかしこれを放置していると、稲がなかなか伸びないのです。化学肥料を入れていたら、雑草が多少生えていても生育はします(もちろん、生育は悪いですよ)。ところがうちの場合は化学肥料は全く入れておらず、今年は前作のレンゲのみです。非常に肥料分を少なくする栽培法をしているので、雑草が生えていると生育自体しないのです。

そこで、この2週間ほど手で草取りしています。この3年ほどは田んぼの草取りにあまり苦労していませんでしたが、今年はなかなか大変です。びっしり草が生えているのですごく時間がかかります。

それにしても、このびっしり生えた草、なんという草だろう。……と思って調べてみたら、「タケトアゼナ」という植物のような感じ。北米からの外来種だそうです。こんな草、以前生えていたかなあ……?

ちなみに、本当は5月中に草取りしないと生育の遅れが大きいのですが、田んぼに水が入っていないと草取りはできないのです。結局、田んぼは水がないとダメ!

ちゃんと収穫できるよう、しばらく草取りを続けます。

2026年3月13日金曜日

総合的に見て一番おいしいかぼちゃ「グラッセ」を作っています


先日、かぼちゃの定植をしました。今季は、「栗五郎」というかぼちゃと「グラッセ」というかぼちゃを半分ずつ作ります。

例年、「えびす」というかぼちゃを作ってきましたが、今年から「グラッセ」に変えました(「栗五郎」は例年通り)。しかし、JA南さつまの中で「グラッセ」を作っているのは今季は私だけのようです。まさか一人だけとはびっくりです。

この「グラッセ」という品種は、「うどん粉病に強い」ということで導入された品種です。うどん粉病とは、かぼちゃにとって防除が難儀な病気なのですが、確かに「グラッセ」はうどん粉病にかなり強い! …のですが、その代わりに白斑病に弱いのです。白斑病はときに壊滅的な被害をもたらすことがあり、この弱点がアダとなってみなさん敬遠したようです。

では私がなぜ「グラッセ」を作ることにしたのかというと、「グラッセ」はすごくおいしいからです。「えびす」もおいしいですが、「グラッセ」の特徴は後味! かぼちゃの旨味というか風味が強くて、非常においしい! 粉質系(ホクホクしている)なのに、適度なしっとり感があって質感もちょうどいい。

私はいろんな品種のかぼちゃを食べ比べしていますが、総合的に見て一番おいしいと思います。

ただし、収益だけでいうと「えびす」が遥かにいいのです(なんと収益で1.5倍くらい差がある)。しかしやはりおいしいものは作っていて楽しいですし、売るのも楽しいです。

というわけで、夏になったら「グラッセ」を販売しますので、楽しみにしていてください。

2026年3月11日水曜日

無農薬・無化学肥料のタンカン、ワケありのため約半額で販売中です!

 

先日、ワケありのタンカンの販売を開始しました。「南薩の田舎暮らし」では、ワケあり商品も多いですがタンカンのワケありは初めてです。

どうして今季に限ってワケありタンカンを販売しているのかというと、次のような事情があります。 

昨秋、私は久しぶりに「秋かぼちゃ」を作りました。これは、8月下旬に植えて12月に収穫するかぼちゃです。このせいで秋がとても忙しかったんです。すると柑橘類の管理まで手が回らず、特にタンカンについては摘果が十分にできない状態となりました。その他にも、手が回らないとなかなかいいものができないのは当然です。なにしろ無農薬・無化学肥料で作っていますので、ゴマカシがききません。

そんなわけで、今季はいわゆる規格外品的なタンカンが例年になく存在する結果となりました。大きすぎる、小さすぎる、外観が悪い、ゴツゴツしている、質感がよくないなどです。

また、これは私のせいではない(ような気がする)のですが、糖度も例年に比べて低いような感じです。ただし酸度も低いので食べた感じは軽快といえば軽快ですが…。

いろいろ悩んだのですが、手が回らなかった圃場のタンカンを全部ワケありとして販売することにしました。つまり、選果してイマイチなものだけをワケありにするのではなく、ある圃場のタンカンを全てワケあり品とすることにしました。選果というのはかなり手間がかかるので、いちいち選果するくらいなら全部ワケありにしてしまえばいいという判断です。

通常は5kg 3,000円ですが、これを5kg 1,600円で販売します。約半額です。今までの説明でわかると思いますが、別にワケありじゃないやつも入っています。ただ、もちろん全体的にはワケあり品ですので、その点はご理解の上ご購入ください。

正直なところ、ワケあり品がたくさんあって困っていますので、お買い上げ、どうぞよろしくお願いいたします。

↓ご購入はこちらから
【南薩の田舎暮らし】〈ワケあり〉無農薬・無化学肥料のタンカン(5kg)
https://nansatz.stores.jp/items/69affdd2275383263ca72201 

2026年1月10日土曜日

2025年の無農薬・無化学肥料の柑橘の販売スケジュールです。


みなさん、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 

早速ですが、「南薩の田舎暮らし」の2025年の無農薬・無化学肥料の柑橘類販売をお知らせします! (価格はすべて税込みです)

■ポンカン

「南薩の田舎暮らし」の看板商品です。看板商品なのに、昨年はたいへんな不作でほとんどご注文を承ることができませんでした。ありがたいことに今年はそれなりの収穫を見込んでいます。ただし、昨夏、管理が十分にできなかったために品質のバラツキが大きいです。また、品質のバラツキが大きい状況なのに申し訳ありませんが、今季値上げをさせていただくことにしました。資材価格が全て値上げされているためです。なお、これが当農園の柑橘類全体の基準価格です。1月9日より販売を開始しました
https://nansatz.stores.jp/items/6960efd96e4495d68b119006

4.5kg 3,500円
9kg  6,600円

■スイートスプリング

昨年は不作でほとんど販売していませんが、今年もあまり多くありません。1月中旬ころに販売します。これも少しだけ値上げしますが、内容量を5㎏に増やしましたので実質価格は変わりません。まだ栽培方法が確立しておりませんのでお試し価格で安いです。

5kg 2,100円

■タンカン

タンカンもそれなりの収量を見込んでいます。ただし、今季は虫害を若干うけてしまい、外観がよくないものが多いです。実の付き方にはバラツキが多いですが全体的には豊作傾向です。2月の第2週頃に販売開始の予定です。値上げについてはポンカンと同額です。

4.5kg 3,500円
9kg  6,600円

■しらぬい

これも昨年は不作でほとんど販売がありませんでした。今年はそれなりの収穫を見込んでいます(ただ、栽培している本数がもともと僅かのため、販売量は少ないです)。これも販売時期はタンカンとほぼ同じで2月第2週頃です。こちらもぽんかんの価格を基準にした値上げになります。

4.0kg 3,100円

■ブンタン

昨年は大きな獣害を受けて収穫が少なかったのですが、今年は今のところ獣害は受けていないものの着果が悪く量は少ないです。販売時期は2月中旬頃になると思います(これはかさばるので倉庫の空き状況次第です)。こちらは元々安かったですが、値上げ率はぽんかんと同様(約20%)です。

7kg 3,200円

■その他

ブラッドオレンジ(モロ、タロッコ)も2月初旬~中旬頃に販売する予定ですが、値段は未定です。また河内晩柑は今季から本格的な収穫の予定でしたが、ほとんど実が付いていない状況でインターネットで販売するかどうか未定です。来年またよろしくお願いします。

なお、ポンカンは2月中旬まで、その他は3月中旬頃までの販売を予定しています。

【重要】複数の商品を同時に購入する場合

昨年8月まで使用していた「南薩の田舎暮らし」のWEBサイトでは、注文量が20㎏ごとに配送料金を設定していたのですが、現サイトではそれができないので、1注文につき送料がかかります。よって、例えばポンカンとタンカンを一緒に購入したい場合、それぞれ購入するのではなく、「ポンカンとタンカンのセット商品」を購入してください。ご面倒ですがよろしくお願いします。

ところで、旧WEBサイトのバックアップを迂闊にも忘れていたため、昨年までの商品説明・写真が全部消えてしまいました(!)。そのため、今年の販売はもたもたするかもしれません。だいぶ説明が変わってしまうかもしれませんが栽培方法等は全く同じですのでご了承下さい。

ちなみに、「無農薬・無化学肥料」の栽培方法についてはこちらのページに書いていますので気になる方はお読みください。

【2026年1月15日追記】
旧価格と新価格の両方を書いていたのですが、わかりにくかったため旧価格を削除しました。

2025年8月30日土曜日

久しぶりの秋かぼちゃ

久しぶりに秋かぼちゃを植え付けました。

「秋かぼちゃ」とは、8月後半に種をまいて、12月初旬までに収穫するかぼちゃの作柄で、南さつまの特産品「加世田のかぼちゃ」として出荷されるものです。

私は2020年まで秋かぼちゃを作ってきましたが、2021~2024年の4年間は作りませんでした。その理由は(1)books & cafe そらまどを開店させたため忙しくなった。(2)この時期にかぼちゃにかかりきりになると柑橘類の管理がおろそかになる。(3)かぼちゃの台風対策を一人でするのが非効率的(私は農作業を基本的に一人でしていますので)。(4)なにより台風に翻弄される(=ギャンブル性が高い)のが性に合わない、の4点です。

しかし、昨年の柑橘類の成績が悪かったのに続いて、今年に入ってから大きな出費が続き、どうにかしてお金を稼がないといけないので、台風に翻弄されるのが性に合っていないことは自覚しつつも作付けすることにしたんです。

ところが案の定、8月21日、今年初の台風が急に来ました。鹿児島の方はわかると思いますが、こんなに急に来た台風は珍しい……というか初めてです。そして特に南さつま市は大雨が激しかった。加世田内山田では大規模な浸水が発生しました。翌日県道20号を走ったら、今まで見たことがないほどカーキャリア(車を積むトラック)が走ってました。浸水でダメになった車をどんどん運んでいると思うと切なかったです。水害で加世田にこんな大きな被害が出たのは昭和58年の加世田川氾濫以来かもしれません。

一方、私の方は倉庫がほんのちょっと水浸しになったくらいで大きな被害はなく、かぼちゃに関しても幸いなことに植え付け前でしたので大きな影響はありませんでした(植え付けるのが4日ほど遅れたくらい)。しかし、連日続くこの猛暑と異常気象。今後は穏やかな天候に恵まれる、というのはありそうもないですねー。

とはいえ、今後台風が来ないことをひたすら祈るしかありません。こればっかりはどうしようもないですからね。ギャンブルは苦手ですが、この秋は賭けるしかありません!

2025年8月8日金曜日

新米の販売を開始しました!

2025年産の新米の販売を開始しました。

今年は、天候に恵まれました。田植え時期に寒波にあたることもなく、生育初期には水も豊富にあり、後半は天気が良くて日照時間が長かった。特に生育初期(5月)に水が豊富だったのは珍しいことで、おかげで田んぼの雑草がほとんど生えませんでした。

うちでは、お米を無農薬で作っていますので、草対策が重要です。無農薬栽培を開始したのは2014年ですが、一昨年くらいまでは半月以上を草取りに費やしていました。全部手で草取りしていますので…! ところが、何年も徹底して草取りをしていたら、草の種や球根などが田んぼの土からなくなり、草が生えにくくなりました。というわけで、今年は水に恵まれたこともあり、ほとんど草取りなしできれいな田んぼをつくることができました。

一方、無農薬・無化学肥料で作るようになってから初めて、稲が倒伏しました。これはすごく不思議でした。というのは、普通、倒伏というのは肥料のやりすぎによっておこるのですが、今年は肥料を入れていないんです。

といっても全く無肥料というのではなく、冬にレンゲを栽培しており、レンゲが緑肥となっていますのでそれなりには窒素分が入っています。しかし、このあたりではヘアリーベッチ(レンゲと似たような緑肥で、レンゲより窒素供給量が多い)を緑肥にしている人も多いですが、化学肥料も半分程度入れるのが普通です。レンゲ緑肥のみというのは、かなり肥料が少ない方です。

にもかかわらずなぜ稲が倒伏したのか? 別に強い風が吹いたわけでもないのに。

いろいろ考えたんですが、「レンゲ緑肥を何年も栽培した結果、地力がたいへん向上していた。そんな中で、天候に恵まれたため稲の生育がよく、たくさんの実がなって倒伏した」のではないかと思います。うちでは、無化学肥料と言っていますが、有機質肥料もできるだけ入れないようにして、地力向上重視で管理してきました。正確なところは不明ですが、今年の天候がその管理にばっちりハマったのかもしれません。倒伏自体はよくないことですが(←コンバインでの稲刈りがしづらく、種籾が水につかると商品価値をなくす)、倒伏するくらいたくさん実ったのはいいことです。

ともかく、今年は豊作で、品質もよさそうです(私はまだ新米を食べていませんが見た目で判断して品質もよいと思われます)。

そして、昨年よりも値段を上げさせていただきましたが、常連さんからはいつも以上にご注文をいただき、すでに1トンほどが売れました。いくらかは注文数が減るかと思っていたのに、例年通りご注文をいただき本当にありがとうございます。

在庫は残り500㎏ほどです。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

↓ご購入はこちらから
【南薩の田舎暮らし】無農薬・無化学肥料のお米
https://nansatz.stores.jp/items/68877c338fe718028485a336

※現在は予約期間中ですが、お盆明け後くらいに順次発送(日時指定可)を開始します。

2025年4月22日火曜日

田植え終了。「便乗値上げ」の予定です。

4月16日に今年の田植えが終わりました。

といっても、私はそんなに面積はないので、たった一日で終わったんですけどね。(でも機械のトラブルなどで一日で終わらない年も多い。)

それに、田植え自体は一日ですが、その前の耕起・代掻きなど含めると半月ほどの作業があります。苗作りまで含めるともっとですね。ですから、田植え自体は1日でも、やっぱり「ようやく田植えが終わったな」という感慨があります。

栽培方法自体は、今年も例年と同じです。肥料は投入せず、緑肥(レンゲ)のみです。ただし非常に少量ですが堆肥は入れています。微量元素を補給する必要があるためです。もう少し堆肥は入れた方がよかったかもしれません。

ところで、「米が高い!」というのは、みなさんからすると困ったことですが、 米農家としてはもちろん有り難い。しかし米の値段は上がりすぎだろうと思います。これまでの約2倍とはこれ如何に。

というのは、昨年の収穫後の卸価格はこのあたりでは平年より2割高くらいではありましたが、普通作の地域でも2倍も高かったところはないんじゃないでしょうか。集荷の頃の価格よりずいぶん上がってます。

それに、政府備蓄米もまだ本格的に流通しているわけではないとはいえ、備蓄米だから安いということはないようです。

つまり、「安く仕入れた米を高く売っている人(業者)がいる」ことは間違いありません。 米の高騰については政府の政策を批判する声が大きいですが、今回の高騰については民間業者の流通の中に大きな問題があります。お米の絶対量が足りないのではなく、お米の流通量を調節することで儲けている人がいそうです。少なくとも、今回の高騰で儲かっているのは農家ではありません。

というわけで、今後は「農家に恩恵がある形」のお米の価格になっていけばと思っています。 うちはそもそもインターネットで直販しているので市況とは直結していませんが、うちでもこの米高騰に便乗(!?)してお米の価格を上げたいと思っています。便乗値上げですみません。しかし市場価格程度の値段にするものですので、どうかご理解ください。

 豊作になりますように!

2024年12月12日木曜日

シーシュポスの神話

先日、柑橘畑に行ったら、こんな風になっていました。

畑全体が穴ぼこだらけ。イノシシのしわざです。

この光景を見た瞬間、「ガザ地区」が心に浮かびました。一夜にしてめちゃくちゃにされてしまう悪夢。もちろん、この畑とガザ地区の被害とは比べものになりませんが、まるで爆撃されたような穴ぼこだったのです。

ちなみにここは、柑橘の苗木を植えている区画ですが、幸いにして完全に倒れた苗木はなかったです(ただし根をブチブチちぎっている)。イノシシが意図的に苗木を避けてくれた……わけはなく、偶然でしょう。不幸中の幸いです。

なお、このようにボコボコにされてしまうと、機械が入れないため、大変ですが穴を埋めます。鍬一本の作業です。半日かかってしまいました。

こちらはブンタン畑の様子です。

ちょっとわかりにくいですが、画面右上から右下に延びている、葉っぱもなにもついていない枝があります。

じつは、この枝にはたくさんの実がついていました(もちろん葉っぱも)。イノシシが、その実を全部食べちゃったのです(葉っぱは、ウサギが食べたのかも)。

こんな感じで、だいたい胸から下にある果実は全部食べられてしまいました。

下に垂れ下がった枝は「下垂枝(かすいし)」といって、そもそもあまり好ましくない(地面に果実がついたりするため)とされていますので、私の管理の責任もありますけど、それにしてもむごい。ただでさえ今年は柑橘が不作だというのに、唯一豊作になっているブンタンを何十キロか分食べられるとは…。

こちらは、「河内晩柑」というブンタンの畑です。ここでも同様、地面近くの果実は全部食べられてしまいました。

というか、地面近くじゃない果実まで枝を折って食べています。

河内晩柑は、今季初収穫を迎える品種です。全体的に柑橘が不作な中でも、初収穫というのは今後の希望になるものなんですが…なんとついている果実の半分以上(!)を食われてしまいました。まだ若木だから樹高が低いためです。しかも枝も折られてしまって。どうしようもありません。

こんな風に、今年は柑橘類のイノシシ被害がとんでもないことになっています。例年、こんなに食べられることはないのですが。

『シーシュポスの神話』というアルベール・カミュの作品があります。神の怒りをかったシーシュポスが、大きな岩を山頂まで押して運ぶという罰を受ける話です。しかしこの岩は山頂に来るとまた転がり落ちてしまい、また最初からやり直しになる…という、なんとも徒労感のすごい罰なのです。

まさに今年の柑橘栽培は、シーシュポス感がありました。一年間管理してきた果実がかなりの割合でイノシシに食われるとは……。

もちろん、農業とはそんなものだ、といえばそれまでです。これまでも虫害、鳥害などでかなりの被害をたびたび受けてきました。でもイノシシは虫害や鳥害などよりずっと腹が立つのです。

なぜなら、イノシシは畑を穴ぼこだらけにしたり、苗木を倒したりといった栽培の妨害・邪魔をするのに、果実もちゃっかりいただくからです。果実が欲しいなら栽培の邪魔はしないでほしい! むしろ草取りとかするなら、ちょっとぐらい分け前をあげてもいいのに…。

一方、鳥たちは果実は食べますけど、栽培の邪魔はしません。虫は、うまくやれば被害を防げます。鳥や虫はまだ許せる。でもイノシシとの共存は不可能!

年々、イノシシ被害がひどくなってきています。過疎化によって町(というか村)が小さくなり、山との距離はほとんどゼロになってしまいました。イノシシは豊かな山の恵みによって野放図に繁殖し、我が物顔で人里をのし歩いています。

来年は同じことにならないよう、剪定のやり方を工夫してみるつもりです。

2024年11月9日土曜日

「ないじゃ、なっちょらん!」

今年の「南薩の田舎暮らし」では、ずいぶん柑橘類が少なさそうです。

というのは、ポンカンとタンカンはまず、春の段階で花があまり咲きませんでした。

ポンカンについては、昨年が豊作だったのでその影響があったのと、あと以前も記事に書いたことがありますが、ナガタマムシという虫の害をかなり受けていて弱っているためもあります。

が、地域全体としてもポンカンは不作のようです。夏くらいに、ポンカン農家の方に「今年はどうですか?」と聞いたら、「ないじゃ、なっちょらん!」(なんにも、なってない!)と言ってました。まさにうちもそんな感じ。「ないじゃ、なっちょらん!」

そんなわけで、今年のポンカンの販売は、あったとしてもごく少量なのでご承知おきください。

タンカンの不作ついては、昨年が豊作だったためもありますが、正直よくわかりません。というのは昨年豊作じゃない樹についてもあまり実がなっていないからです。春先の天候によるもののような気がします。さらに、今年は強い台風がきたので、外観が悪いものがとても多いです。というかきれいなものはほとんどないといってもいい有様。

そのほかの柑橘は、それなりの収穫を見込んで……いたのですが!

10月後半になって、果実がボトボトと落ちる被害が見られるようになりました。特にブラッドオレンジがひどい。樹によっては半分くらい落ちてしまいました。これはきっと、カメムシ被害です(写真参照)。

今年は全国でカメムシが大量発生しているという話です。鹿児島県では、例年に比べて劇的に多いという情報はなかったのですが、他の農家からも「カメムシ被害でミカンの実が落ちている」という話を聞いているので、やっぱり多いのかも。

そんなわけで、今のところ、ちゃんと収穫できそうなのは、ブンタンと河内晩柑の2種類だけです。

この2種類については、樹の生長もあるので、昨年より多く販売できると思います。ただ、それもこれからカメムシ被害がなければ……の話。ようやく寒くなってきたので、これ以上の被害がないことを祈ります。

2024年8月2日金曜日

今年のお米の販売を開始しました。値上げしちゃってすみません。

2024年の新米の販売を開始しました。

今年のお米の出来は…、正直言いますと、例年より少し劣るような気がします。

今年は、稲刈り前からなんだか雨が多く、特に4月は梅雨みたいに雨が降りました。そのおかげで水は豊富で助かりました。

水が豊富だと雑草は生えにくいので、今年はこの数年間で一番、草取りの労が少ない年でした。草取りだけで何週間も使う年もあるので、とてもありがたかったです。

ところが! 今年はジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)という害虫(正確には巻き貝)が大量発生したため、かなりの被害を受けてしまいました。そして、「無農薬」を標榜しているにもかかわらず農薬を使用してしまいました。ただし有機栽培でも使える農薬ですので、ご理解いただければと思います。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

【参考】「無農薬」って言ってるのに、農薬を使ってしまいました
https://nansatz-kurashi.blogspot.com/2024/06/blog-post.html

しかし、この記事でも書いていますが、自然に優しい農薬であるためか効き目はいまいちで、その後も被害がじわじわと続きました。

さらに、夏に入るとご承知の通りの猛暑が始まり、なんだか生育が弱かったような気がします。稲自体は熱帯の植物であるため暑さには強いはずなのですが、コシヒカリは低温に強い稲なので、逆に高温は苦手な気がします。特に7月後半からの猛暑には、なんだか稲もだれていた感じでした。

そんなわけで、今年は収量がやや少なく、また小米が多いようです。まだ食べてはいないので味の方はわかりません。せめて味は美味しいといいんですけどね。

そして、このように品質は十分とはいえないにもかかわらず、昨年までに比べてかなり値上げをすることにしました。実は昨年もちょっと値上げしたのですが、今回はさらに値上げをすることになり心苦しいです。しかし、直接の生産資材のみならず、堆肥、段ボール、燃料、緑肥の種など、何もかもがかなり値上げされている状況です。ご理解いただければ幸いです。

それでも、無農薬・無化学肥料のお米としては、まだリーズナブルな方ではないでしょうか。というか、今年は普通のお米がとっても高いですよね。近所のスーパーでは、5㎏で2500円を超えています。最近、お米の(日本全体の)在庫量が不足しているためお米の値段が上がってるんですよね。無農薬・無化学肥料のお米で5㎏3,200円はむしろ安い方かもしれません。

昨日、インターネットで販売を開始いたしましたら、例年と変わらず続々とご注文をいただきホッとしています。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

↓ご注文はこちらから
【南薩の田舎暮らし】【2024年産】無農薬・無化学肥料のお米(5kg)
5㎏で3,200円。10㎏は6,000円。送料別。

2024年6月17日月曜日

「無農薬」って言ってるのに、農薬を使ってしまいました

今年の4月はとても雨が多く、5月もそれなりに降りました。

なので、田んぼの水の心配を全くしないですみました。いつも田んぼに水がしっかり入っていたので雑草も少なく、この数年間のうちで、一番草取りの労力が少ない年だったかもしれません。

ところが!

今年は別の苦労がありました。田んぼの稲をモシャモシャ食べてしまう、ジャンボタニシという害虫(巻き貝)が大発生したのです。

ジャンボタニシ(正確にはスクミリンゴガイという)は、冬の低温は苦手なので、昨冬が暖かかったことが一番の要因でしょう。稲が小さいうちは、こいつらに食べられて稲株が全くなくなってしまい、放っておくと田んぼがスカスカになってしまいます。

稲が大きくなってくると無くなりはしないのですが、分蘖(ぶんけつ)といって、葉っぱが増えていく部分を食べてしまうため、やはり一つひとつの株がスカスカになります。

なお、「ジャンボタニシは雑草を食べてくれるから除草剤がいらなくなる(デマ)」ということで、一部にはジャンボタニシを田んぼにわざわざ放流する人がいるそうですが、絶対にしてはいけません。雑草だけじゃなくて稲がなくなります!

というわけで、このままだと稲がなくなり収穫がなくなるため、うちのお米は「無農薬・無化学肥料」を標榜しているのですが、今年は農薬を使ってしまいました。

「スクミンベイト3」という農薬です。 

【参考】スクミンベイト3 
https://www.oat-agrio.co.jp/product/スクミンベイト3/

これは天然成分由来の農薬で、有機栽培でも使え、特別栽培農産物でも農薬としてカウントされないという、とっても自然に優しい農薬です。回数制限もありません。なので、厳密には「無農薬」ではなくなりますが、お目こぼしいただければと思います。申し訳ありません。

しかしながら、自然に優しい農薬なので、効いているんだかいないんだか、どうもわかりません。何もしないよりはマシ……というくらいの効き目です。

というのは、これはジャンボタニシが食べることで効き目を発揮する薬剤なのですが、観察していても食べている感じがしないんです。農薬の説明書きには「本剤はスクミリンゴガイの好む殻粉を最適に調合した高い喫食性を持つ製剤です。」と書いているものの、薬剤を素通りしてますけど…?

まあ、有機栽培にも使えるジャンボタニシニの駆除剤があってよかった…とは思います。なかったらどうしようもないですからね。

今年は、いろんな農作物が不作なので、せめてお米くらいは豊作にしたいものです。

2024年4月30日火曜日

風の強い年

はっきりとしない天気が続いています。4月半ばから、まるで梅雨のような天候…。GW前のこの時期が、かぼちゃの受粉期なんですが、雨が降っていると当然受粉ができませんので、とても困るのです。

それでも、雨の合間に受粉作業を行い、徐々に着果してきました。実のついていないツルはあと2割ほど。4日連続で晴れてくれれば何もしなくても全部着果するのですが…。

ところで、今年はかぼちゃについていうと、あまり天候に恵まれていません。特に、風が強くて困りました。

3月半ばには、台風のように風の強い日が2日もあって、トンネルの支柱が合計で60本ほども折れ曲がってしまいました(当然、復旧作業も2回やりました…)。平年であれば、強風で折れ曲がるとしてもせいぜい5本くらいなのですが…。

しかも、3月の強風といえば春一番(南風)、なのに、今年は北風が強かったんですよね。どういうわけだ。

かぼちゃのようなつる植物は風に弱いのです。風がなければスクスクと成長するはずのところ、風のせいで成長も遅れ、それどころか根元から折れてしまったものも散見されます。

天候に恵まれさえすれば、農業ほど楽しい仕事はないと私は思います。

が、天候に翻弄されると、これほど徒労感のある仕事もないですね…。人間の努力など自然の前ではあってないようなものなので。

これからは穏やかな天候が続いてほしい。一番の願いです。

2023年11月27日月曜日

昔ながらのやり方で育てたサツマイモ「栗黄金」、ワケあり価格で販売中

今年は、サツマイモ「栗黄金(くりこがね)」をまだまだ販売中です。

というのは、サツマイモの面積を昨年までの2倍くらいに増やしたのです。 

といっても、写真を見ていただければわかるとおり(これは8月くらいに撮影したもの)、専業農家が作る分としてはそんなに広くないのです。

しかし実は、これでも結構大変です。

なぜなら、私はこの面積を鍬で畝立てし、マルチも使わずに手で草取りしているからです。

それどころか、無農薬・無化学肥料なのは当然として、肥料も米糠(とワラ)のみで、昔ながらの栽培方法で作っております。(最初の耕耘だけトラクターを使います)

「栗黄金」を作り始めたきっかけは、近所のサツマイモ農家に食べさせてもらったことでした。最近のべちゃっとしたサツマイモと違って、ホクホクしつつもしっとりした味わい。強い甘味はありませんが、サツマイモらしい美味しさ! 実は一時「幻の芋」と呼ばれていたくらい、希少性のある品種でした。 その農家さんも「いろいろな品種を作っているけど、味は抜群」と言っていました。

これを自分でも作ってみたいと思って、苗を分けてもらったのがもう10年前です。

最初は、マルチも使っていましたし、それどころか化学肥料も使っていたのですが、試行錯誤するうちに無農薬・無化学肥料・無マルチ栽培になったのが7年前。

といっても自然栽培みたいなのではなく、冒頭写真のようにキッチリと管理しております。マルチは使いませんが、意地になって夏の間に草取りするので雑草はほとんどありません。

ですが、土壌消毒をしないので、どうしても虫食いが発生してしまいます。そのため、インターネットでは「ワケあり」としてお安く販売しております。無農薬・無化学肥料なのに安売りせざるを得ないのが残念。どうにかならないもんなんですかね〜。

しかも! 今年は初めて貯蔵病害まで出てしまいました。貯蔵病害とは、字のまんまで、貯蔵している間に病気が広がってしまうことです。収穫した時の傷からバイ菌が入りこんで、どんどん痛んでいきます。これは収穫遅れが一因とも言われているので、もうちょっと早く収穫すればよかった。

というわけで、虫食いや貯蔵病害などで、お世辞にもいいイモとは言えませんが、無農薬・無化学肥料とか関係なく、かなり安い「栗黄金」だと思いますので、よかったらご注文ください。(たぶん柑橘シーズンまで在庫はあると思いますが、貯蔵病害が広がってなくなってしまう可能性もあります)

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サツマイモ【栗黄金】ワケあり品 4kg (2,400円)

2023年9月15日金曜日

温暖化の影響で、柑橘の日焼け被害が深刻になってきています

この写真の柑橘、何がどうなってるんだと思います?

実はこれ、ブンタンの日焼け被害なんです。もちろんこうなってしまったら、もう収穫はできません(この写真を撮った後に落としました)

柑橘って日焼けするの? と思うかもしれません。なにしろ柑橘はもともと亜熱帯の植物です。強い日差しには強いはず。

実際、柑橘(特に中晩柑類)の日焼け被害は近年になるまでほとんどありませんでした。

ところが、ここ数年で柑橘の日焼け被害がかなり広がってきています。初秋に収穫を迎える温州ミカンが日焼けの被害を受けるのは仕方ないとしても、最近では皮が厚くて丈夫なブンタンまでも日焼け被害を受けるようになってきました。

なお、これは日焼けといっても、紫外線ではなくて高温による障害なのです。

夏場の気温が高い時、直射日光を受けた柑橘果皮の表面温度が45~50℃くらいまで上がってしまい、このような症状になると言われています。ともかく、夏が暑すぎるのが原因。そして、温暖化が進むことで、柑橘の日焼け被害はさらに拡大することが予想されています。

今年はただでさえブンタンの着果が悪くて不作なのに、結構な数が日焼け被害を受けてしまいました。ガムテープを張るなど、対策できないことはないのですが、油断していました。

温暖化って、思わぬところに影響を及ぼすんですね。亜熱帯の植物である柑橘には、温暖化はむしろ追い風かもしれないと思っていたのですが、単純ではありません。

2023年8月16日水曜日

南薩の田舎暮らしの米作り

南薩の田舎暮らしのお米=「無農薬・無化学肥料のお米」が、今年はちょっと豊作です。

いつもなら、常連さん達がご購入くださるとほとんど在庫がなくなります。

去年はちょっと不作だったこともあって8月25日には売り切れました。

しかし、今年はまだまだ在庫があります! 

つまり、新規顧客開拓のチャンス。ということで、南薩の田舎暮らしではどんな風に米作りをしているか、改めてお伝えしたいと思います。

まずは苗作りです。

うちでは、近所の農家Kさんの米作りに便乗させてもらっています。なので、苗作りはKさんがやってくださっています。

無農薬での米作りでポイントとなるのが苗作り。植えてから無農薬にするのは草取りさえすればそんなに難しいことではありませんが、苗作りの段階で農薬を使わないのが難しい。

さて、苗作りで最初に行うのが種子の消毒。消毒といっても農薬は使わずにやります。「温湯消毒」といって、60℃のお湯に一定時間種を浸して消毒します。これけっこう手間がかかります(専用の機械も必要)。

ちなみに種子は富山県産コシヒカリです。

次は播種です。

これは共同作業ですので、うちも手伝います。播種は、このようなベルトコンベア式の機械で、培土→種子→水→覆土の順に苗箱にいれていく作業です。

普通なら、この時かける水に農薬を混ぜておき、培土・覆土の消毒を行うのですが、当然、化学農薬は使いません。

ではどうして雑菌の繁殖を抑えるのかというと、「タフブロック」という農薬を使います。これは生物農薬で、無害な菌を敢えて繁殖させることで雑菌の繁殖を抑えるものです。 

なお、培土・覆土は熱殺菌したものを使います。土の熱殺菌は普通の農家はできないので、この土は専門の業者からわざわざ購入したものです。

なお、うちのお米は「無農薬・無化学肥料」を謳っていますが、実はこの土に微量の化学肥料が含まれているので、厳密には無化学肥料ではありません。でもほんの少しなので大目に見てくださいね。

ともかく、普通なら、苗作りの段階でいくつか殺菌の工程があり、いろいろな農薬を使うんです。これに農薬を使わないのは工夫と設備が必要。それをしているKさんのおかげで無農薬・無化学肥料の米作りができています。ありがとうございます。

次に圃場の方にいきます。

こちらは、冬の間、たんぼにレンゲを植えている様子です。

「無農薬・無化学肥料」と言っていますが、うちでは実際には有機肥料もほぼ使いません。

ちなみに以前は鶏糞を使っていましたが、最近はほんの少しの堆肥とレンゲによる窒素補給分だけで育てています。窒素の量でいうと、平均の3分の1程度の肥料ではないかと思います。

ただし、天候の関係などでレンゲがうまく育たなかった田んぼには、今でも鶏糞肥料を少しあげています。

代掻き・田植えは、普通どおりです。

世の中には、冬期湛水とか、直播きとか、不耕起とかいろいろありますが、うちではごく一般的な栽培方法を採用しています。

他の農法はやったことがないのでわかりませんが、この普通のやり方でも十分美味しいお米ができると思っています。

作業は普通通りですが、普通でないのは、うちの地域は「早期水稲」といって、田植えの時期が普通より2ヶ月くらい早いということです。例年4月10日前後に田植えを行います。

「早期水稲」は、早く収穫することによって台風被害を受けないようにする、という工夫ですが、「水温がまだ低い時期に植えるので、低温に強いコシヒカリに適した栽培方法」という副次的なメリットがあります。

田植えが済んだら、次は草取りです。

除草剤を使わないと、当然ながら草が生えます。それを、意地になって手で取っていきます。

「八反押し」という除草の手押し車みたいなのもあるのですが、効率は一見いいものの、完全には除草できないことと、非常に力がいることから使わなくなり、いろいろ工夫した結果、今では一本一本手で草取りしています。

いろいろ工夫した結果、一番原始的な方法に落ちついたのが自分でも不思議です。

でも、数年草取りを徹底してやっているおかげで、最近はこの写真(数年前撮影)のようには雑草が生えなくなりました。一度、徹底的に除草すると、雑草の種が落ちないので自然に雑草が減ってくるというわけです。

また、田んぼがきれいに湛水(水が溜まっている)していれば、そんなに雑草が生えるものではありません。特にこの地域にはジャンボタニシ(スクミリンゴガイという巻き貝)がいて稲も食べますが(!)雑草も食べてくれるので、草取りの手間は比較的少なくてすみます。

ちなみに、水はどこから引いているんですか?という質問が時々あります。

3箇所ある田んぼのうち、1箇所は名も無い小川から水を引いていて、ここは非常に水が綺麗です。川シジミがいます(写真)。

もう2箇所は、塘川(ともがわ)という近所の川で、人家はありますが基本的に生活雑排水は少なく、上流に田んぼがないので農薬などの混入もないところです。

田んぼの中には、カエル、アカハライモリ、ヒルなどがたくさんいて、時々カニもいます。

なお、大浦町の干拓地では共同防除が行われており、開花時期(6月末頃)にヘリコプターで農薬を散布しています。うちの田んぼは干拓からは遠く離れていて、当然この農薬はかかりません。肥料分を少なくしているので、そもそも虫害も病気もほとんど出ないので農薬は不要です。

ただし、カメムシ食害はたまにあります。白いお米の中に混入した、黒く変色したお米がそれです。こればっかりはどうしようもないので、見なかったことにしてください。

早期水稲では、稲刈りは8月です。

稲刈りは、例によってKさんに委託しており、コンバインで刈って、乾燥機で乾燥させます。

天日干しじゃなくてすみません…!

でも、一人で米作りしているので、とてもじゃないですけど天日干しとか不可能ですね。きっと美味しくなるとは思うのですが。

ところで、うちの田んぼは非常にキレイだとKさんも褒めてくださっています。刈りやすいと。無農薬だからといって、雑草だらけになったらいやですし、効率も悪く、周りの目も気になります。

私が無農薬でお米を作るうえでの一つの目標は、「美しい田んぼ」をつくることです。「美しい田んぼ」は、大抵味もいいです。草取りの甲斐あって、この数年は、目標としている「美しい田んぼ」ができています。

お客様からもとても高い評価をいただいており、この1週間でほぼ1トンのお米が売れました。残りは200kg程度です。有機認証は取っていないですが、無農薬・無化学肥料のお米としては結構安い方だと思いますので、この機会にぜひご賞味ください。

玄米での発送もOKです。

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2023年7月1日土曜日

「今年はかぼちゃで儲かるぞ!」と思ったのもつかの間…

6月半ばからかぼちゃの収穫を順次やっていたのですが、ようやく収穫作業が終わりました。

かぼちゃって一つ一つがとても重いうえに、初夏の暑い時期に一気に収穫するので、収穫作業はホントーに大変なんです。

ちなみに、今年の収穫量は全部で280ケースほどでした。1ケース15㎏として4.2t。これを畑から運び出すわけですからそりゃ疲れます。連日すっかり疲労困憊しておりましたが、収穫が終わってホッとしているところです。

ところで、みなさんは「今年はかぼちゃが高いなー」と思っていませんでしたか?

実は、今年は異常事態と言えるほど、かぼちゃ価格が高騰しておりました。長くかぼちゃ栽培をやっている方も「こんな価格は見たことがない」と言ってました。

原因は、冬の間の日本のかぼちゃを支えているニュージーランド産が激減したためです。ニュージーランドでは2月14~16日にサイクロン「ガブリエル」が直撃し、ニュージーランド政府は国家非常事態宣言まで出すという大変な被害を受けました。

そのためニュージーランドの農業生産は壊滅! 農地の冠水もかなりあったように報道されています。こうして、特に台風には弱いかぼちゃは輸出されなくなってしまいました。なおメキシコ産も今年は不作だったみたいなので、輸入物かぼちゃ全体が激減してしまい、かぼちゃ価格が異常に高騰したのです。

一番高騰した2月後半のかぼちゃ卸売価格は、平年の5倍近くの約700円/kgにもなりました! そこから一度はやや価格が低下したものの、沖縄産も不作だったために3月中旬から価格が反転して再び上昇し、南さつまから「加世田のかぼちゃ」を出荷開始する5月上旬にも600円/kg近くの単価になっていました。

かぼちゃ1ケース(15㎏)が1万円近くするという、とんでもない好況で迎えたのが今年の「加世田のかぼちゃ」だったわけです。世間のみなさんが、「最近かぼちゃが高くて手が出ないなあ」と不便に思っていたその裏で、我々かぼちゃ生産者は「今年は稼げるぞ!」と喜んでいたんです(笑)

ところが6月に入って相場が急落します!

原因は、春先のかぼちゃの異常な高騰を見た全国の生産者が、急遽生産を拡大(または早期出荷)したためではないかと私は思っていますが、単に正常化しただけなのかもしれません。鹿児島でも2月以降に割と天候に恵まれたことで豊作傾向であり、どちらかというと市場にはかぼちゃが余り気味という状況になってきました。

そんなわけで、私がかぼちゃを出荷する6月末には、かぼちゃの卸売り価格は平年並みどころか、平年よりちょっと安いくらいという状況に……。「今年は稼げるぞ!」と思っていただけに精神的ダメージが大きい(泣)

農業は地に足の着いた仕事と思わていますが、実際はギャンブル性が高い賭博みたいな面があります。かぼちゃはまだ安定しているほうで、キュウリとかジャガイモなんてのはほとんど公営ギャンブル(笑) 雨の日に農家がパチンコに行くのも納得です。

しかし私自身は、これまで相場でいい思いをしたことがありません。今年は初めてかぼちゃで儲かると思ったのにぬか喜びでした。そんなわけで、収穫作業も、なんだか思った以上に疲れました…。

でも、相場が正常化したのはみなさんにとってはいいことですよね。ようやくかぼちゃが安くなったのでたくさん食べてください。

※南薩の田舎暮らしのかぼちゃ(南薩かぼちゃ)は、販売開始したのですがすぐに売り切れてしまいました。すみません。

※冒頭の画像は、「Fieldman Research」の「カボチャの市場価格 変動とその理由 2023年6月」からトリミングして引用しました。作成方法は以下のとおりだそうです。
https://hatakemon.com/pumpkin_market_price/

農林水産省の「青果物卸売市場調査」をもとに作成しています。札幌市、仙台市、東京都、横浜市、金沢市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、広島市、高松市、北九州市、福岡市及び沖縄県に所在する卸売市場のデータの集計です。


2023年5月4日木曜日

GWまでにかぼちゃの受粉作業はほぼ終了

GWですね。「books & cafe そらまど」では、5月4-6日、10-18時で営業しております。よかったらお越しください。

ところでこの時期、私には重要な仕事があります。それはかぼちゃの花粉つけです。

私は、「加世田のかぼちゃ」を栽培しているのですが、ちょうどこの時期に開花するので、朝、雄花を取り、雌花に花粉をつけるという作業をしなくてはならないんです。

ちなみに、かぼちゃは真夏に育てる場合は受粉作業はしなくてもいいんです。この時期は夜の温度がまだ高くないので、花粉の量が少ないからこそ必要なのです。

そして、私の目標は、「GWに入るまでに受粉作業を終わらせる」ことです。なぜかというと、着果がGW後になると、かぼちゃを出荷する時期が7月にずれこんでしまいます。で、7月はかぼちゃの価格がガクっと下がってしまうんですね。なのでGW前には着果させ、6月中にかぼちゃを出荷したいのです。

今年は、作業が概ね順調に進み、管理もそれなりにしっかりできたので、GWまでにほぼ受粉が完了しました。おかげで「そらまど」の営業も心置きなくできます(笑)。それに、これまでのところ、生育もいいです!

ただ、4月10日あたりに一部が霜の被害を受けてしまい、その分はまだ開花すらしていません。全体では5%程度なので、たいした損害ではないですが。

ところで、今年はかぼちゃの一部を早採りして出荷するつもりです。「完熟」が売りの加世田のかぼちゃなので、本来は完熟させてから出荷なのですが、「books & cafe そらまど」の営業があると6月中に出荷作業が終わりません! そして7月に入るとC品率・返品率も高くなります(梅雨のため傷む)。

なので完熟でなくても6月中に出荷した方が単価が高く、時間的余裕をもって作業できるのではないか、というわけです。当然完熟でないので「加世田のかぼちゃ」ではなく、普通のかぼちゃとして出荷するわけですが、それでもたぶん、早く出荷した方が私の場合はメリットが大きい。

どうなるかやってみたいと思います!

2023年4月19日水曜日

川シジミのいる田んぼで

先日、田植えが終わりました!

柑橘やかぼちゃなど春の農作業はまだまだ一段落つきませんが、田植えが終わるとなんだか一区切りという気分になります。

しかし、今年の田植えは「なんとか終わらせた…」という感じでした。

というのは、最初は調子よく植えていたのですが、1反(10a)くらい植えたところで、田植機の様子がなんだかおかしくなったのです。

そのうちに「がぎぎぎぎぎ」という音がして、植えられなくなって(植え付け部が動かなくなって)しまいました。

おかしいな〜と思ってその場で試運転していると、再び植え付け部が動き出し、植えられるようになりました。「よかったー」と思って植え始めたのもつかの間、またしばらくすると「がぎぎぎぎぎ」となって動かなくなってしまいました。

植え付け部を改めて見てみると、10個ある苗を植え付ける機械のうち1個が折れて、筐体が内部から割れていました。これはもうその場では修理不可能です。田んぼの真ん中に工具を持っていって、壊れた植え付け機を取り除きました。10分の1植えられなくても、田植えが終わった方がよいという判断です。

故障した部分を取り除いたら、後は順調に田植えができました。完全に壊れてないでよかった。

しかしこの田植機、たった3万円で買った中古品で、買った時から故障していたくらいなので、もうそろそろ潮時ですかねー。でも大きさもちょうどよく使いやすいので修理してもう少し使いたいと思っています。

ところで、うちでは無農薬・無化学肥料でお米を作っているわけですが、なかでも一番条件がよい田んぼは、使っている水もいいです。(3箇所あるうちの1箇所)

そこの水は、自然の小川から水を引いています。小川なので一年中水が流れていて、こちらでは「川シジミ」と言っていますが、淡水シジミがたくさん住んでいます。このシジミって水を浄化してくれるそうですね。

またこの田んぼは、一昨年からは冬にレンゲを植えており、それ以外は無肥料にしました。ここの田んぼは、肥料はほんのわずかでも慣行栽培と遜色ないような収量が期待できるからです。やっぱり水がいいからでしょうね。

ちなみに、逆に最も条件が恵まれていないところは、水があまりない上に作土層が薄く、肥料を入れても慣行栽培の半分くらいの収量です。田んぼは水が命です。

川シジミがたくさんいるような水のところで田んぼを作りたいものですし、そのためには自然環境を保全していかないとと思います。機械はボロでもいいですが、自然はボロじゃ困りますね。

2023年3月22日水曜日

肥料や農薬を使わずに植物を元気にできるのが剪定

今年はポンカンを初め、柑橘類が不作で売り切れるのが早かったです。特にしらぬいは1日で売り切れる始末。もちろん大人気だったのではなく、数量が少なかったためです。

有り難いことにうちの柑橘類は売れ行きはよく、販売にはあまり苦労していません(大豊作の時を除く)。むしろ「欲しかったのに気付いたら売り切れだった!」と言われることが多く、本当に申し訳ありません。こう不作が多くては自分の収入が少ないだけでなくお客様にも迷惑がかかります。

というわけで、豊作を目指して毎年いろいろ工夫はしております。今年は、剪定のやり方を変えることにしました。

これまで、私は「弱剪定」でやってきました。 要するに剪定をあんまりしないということです。私は柑橘類を無農薬・無化学肥料で作っていますが、実際にはほとんど肥料を与えていません(といっても堆肥は撒布するので無肥料というわけでもありません)。

ほとんど肥料を与えないと、当然あまり葉っぱも繁りません。だから剪定も弱くてすむ…という理屈です。

しかし最近、いろいろ試してみて、タンカンやしらぬいは大胆に剪定した方が調子がよいということがわかってきました。というか、こいつらは無肥料でもけっこう旺盛に生育します。だから剪定が弱いとよくないようです。

ところで以前、「もしかしたら、タンカンには肥料をやった方がいいのかもしれない…!」という記事を書いたことがあります。

【参考】もしかしたら、タンカンには肥料をやった方がいいのかもしれない…!
https://nansatz-kurashi.blogspot.com/2019/03/blog-post.html

でも、今ブログ記事を見直してみたら、この年に肥料をあげた結果どうなったのかは書いていなかったようです。結果としては、肥料をやってもあまり変わらなかったんです。むしろ肥料の副作用(虫害等)の方が大きかったかもしれない。

つまり、この記事ではタンカン不作の原因を肥料不足と推測していたのですが、今から考えてみると剪定不足だった可能性が高い。

というわけで、今年は幸か不幸か柑橘類の販売作業が少なかったので、できた時間で「強剪定」をしてみたのです。

「強剪定」ってどのくらい切るの? というと、厳密な定義はないと思いますが、柑橘類の場合は全葉っぱの量の20%以上を除去するのが「強剪定」であるというのが一般的のようです(なお弱剪定は5%以下)。

全葉っぱ量の20%というとかなり太い枝まで切る感じなので、今年はチェンソーで剪定しました。ちなみに弱剪定の時はノコギリどころか剪定ばさみすら使わないこともあったんですけどね(手で折り取るため)。

チェンソーが働いてくれたので剪定作業自体はそれほど大変ではなかったんですが、大変なのは剪定で切り取った枝の処理です。例年の数倍あったため、片付けるだけで4日以上かかっています(例年は1日で終わる)。

それにしても、剪定というのは植物にとっては自分の体を切り取られるわけですから、いいことがないように思えます。剪定は間違いなく植物にとってストレスですよね。ところが剪定されなかったらされなかったで、かえっていろいろな問題が起こります。例えば、枝が多くなりすぎて弱くなる、葉っぱが繁りすぎてかえって日光が当たらなくなる、枝がどんどん上へ上へと伸びていって実が付かないなどです。

古代人がいろいろな作物を栽培しはじめた時、最初にあった技術の一つが剪定であるといわれています。剪定とは、植物にとって余計な部分を取り除いてあげることで、植物を元気にする技術なんです。肥料や農薬を使わずに植物を元気にできるのが剪定。無農薬・無化学肥料の栽培では非常に重要な部分です。

この強剪定が効いて、今年はタンカン・しらぬいが豊作になるといいんですが…!

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