……といっても内容は、田舎暮らしとも農業とも全然関係ありません(笑)
神代三陵(じんだいさんりょう)という、「神さまのお墓」がどうして鹿児島にあるのか? という謎を追ったものです。
なんでそんな本を出したの…!?
と思いますよね、普通。
大学でそういうことを勉強していたんですか? と聞かれることもあります。が、私は理学部数学科を出ていて、歴史どころか人文系の学問はほとんど勉強していません。
数学科なのに農業をやっている、というのも「大学で何を勉強してたんだよ!」って感じですが、実は勉強自体はすごく好きで、大学時代は勉強に明け暮れておりました。ですが、悲しいかな数学の才能・センスがあまりなかったので数学の道に進むのは諦めました。
実は、社会人になってから、趣味で進化人類学の勉強をしていたこともあります。 これはこれで面白かった。でも田舎に移住してきてからは、身近な歴史を調べるのが面白くなりました。例えば、ここの氏神様の祠はいつからあるんだろう? とか。
そして、歴史は歴史でも特に宗教がらみのことに興味がありました。私は、中学生くらいの頃からなんだか宗教が気になっていて、「信仰とは何か?」という疑問をずっと胸に抱いていました。そういえばミルチア・エリアーデの『世界宗教史』も全部読みました。特定の宗教というより、人はどう信仰してきたのか、ということが気になるんです。
そんなわけで、田舎に暮らすうちに、自然と身近な宗教の歴史に目を向けるようになりました。そして、薩摩藩は明治以降の行政史において非常に大きな影響力を持っていたために、身近な歴史が日本全体の歴史に大きくリンクしていることがわかってきました。
その一つの極点に思われたのが、神代三陵という「神さまのお墓」です。どうしてそんなものが鹿児島にあるのかを解き明かすことが、そのまま幕末明治の宗教行政史を見直すことに繋がっていったのです。
それをまとめたのが、今度書いたこの本です。
というわけで、この本は、内容的には田舎暮らしとは関係はないのですが、こちらに移住してこなかったら絶対に書かない内容だったので、無関係とも言い切れない。
それに、農業とも無関係じゃないのです。
というのは、農業というのは、単純作業がたくさんあります。というか単純作業しかないくらいです。例えば、今日は田んぼの草取りをしていました。草取りなんか、単純作業の王様みたいなものです。もちろん大変です。でも自分のペースで出来るし、頭の中は暇です。だから2時間草取りをしたら、2時間考え事をしているのと同じです。
なので、農業を仕事にしてから、考え事をする時間は大幅に増えました。実際、こんなに思索に時間を使える業種ってそれほどないかもしれません。しかも体を動かしながら考えるのがまたいいんです。
その時間を利用して、学んだ身近な宗教の歴史について考察したり、それを検証したり、違う角度から改めて考えてみたり、とにかくこねくり回して自分なりにまとめていきました。そうして頭の中で本を書いたのです。仕事中に頭を使うような業種を選んでいたら、本は書けなかったんじゃないかなと思います。
ですから、内容的には田舎暮らしとも農業とも全然関係ありませんが、きっと田舎暮らしをして農業をしていたからこそ書けた本です。人生にたびたび現れる、不思議な巡り合わせで出来た本です。
よかったら、買って下さいね!
↓ご購入はこちらから…ですが、全国の書店、Amazon等でも販売されます。
【南薩の田舎暮らし】『明治維新と神代三陵:廃仏毀釈・薩摩藩・国家神道』 (1870円(税込み)送料無料)
0 件のコメント:
コメントを投稿