今回登壇してくれるのは、そらまど店主の畏友・川田達也さんです。川田さんのそらまどアカデミアへの登壇はこれで3回目です。川田さんの話題の引き出しは幅広く、毎回新しい発見があります。
今回のテーマは、ズバリ「廃仏毀釈」。よく知られている通り(?)、鹿児島では明治維新の頃に激しい廃仏毀釈が行われました。全ての寺院が破却され、全ての僧侶が還俗(僧侶をやめて俗人に戻ること)させられました。全国を見ても、これだけ徹底的な廃仏毀釈が行われたのは例外です。この過程について、まだ分からない部分もありますが、行政的な部分についてはだいぶ分かってきています。店主もかつてこのテーマで本を書きました(『明治維新と神代三陵——廃仏毀釈・薩摩藩・国家神道』(法藏館))。
一方、廃仏毀釈の当事者、つまり寺院を破却した人とか、その事態に直面した一般人が、どういう動きを見せたのかはあまりわかっていません。これまで、「民衆は藩権力に従うほかなかった」とか「一部の篤信の人が命をかけて仏像を守った」と言われてきましたが、こうした言説は多分に「伝説」を含みます。
そこで、古寺跡巡り・墓地巡りの第一人者である川田さんは、幕末明治の頃の石造物を丹念に観察し、廃仏毀釈の当事者たちの心情を推測します。この講演では、これまでと違った廃仏毀釈の世界が見えることでしょう。ぜひご参加下さい。
***************
第21回 そらまどアカデミア
石造物の世界から廃仏毀釈をみてみた
〜当事者たちの心の片影〜
講 師:川田達也
明治維新の裏で起こった廃仏毀釈。その当事者たちの声は、不自然なほどわずかしか残されていない。それを伝えるものの一つに石造物がある。今回は石造物からきこえる声に耳を傾け、文献だけでは見えてこない、当事者たちの心の片影を探り、廃仏毀釈について改めて考える。
日 時:2026年1月18日(日)14:00〜16:00(開場13:00)
場 所:books & cafe そらまど (駐車場あり)
料 金:2000円(ドリンクつき) ※中学生以下無料
定 員:15名
要申込:申込フォームより、または店頭で直接お申し込みください。※中学生以下は無料ですが申込は必要です。
<講師紹介>
1988 年鹿児島市生まれ。京都府立大学文学部卒。古寺跡写真家。週に一回ラジオの人。大学在学中、鹿児島の廃仏毀釈を知り、卒業後に帰郷。以来鹿児島の古寺跡を撮り続けている。著書に『鹿児島古寺巡礼』(南方新社)。

0 件のコメント:
コメントを投稿