2014年8月25日月曜日

3種類のお米


先日、自家用で作ってるお米の収穫が終わりました。といっても刈り取り委託(コンバインを持っている農家さんに刈り取りや乾燥をお願いすること)なので自分ではほとんど何もしていませんが…。

今年は、以前も紹介したように無農薬・無化学肥料で作ったのですが、試験的に3枚の田んぼで条件を変えてやってみました。

1枚目は、冬に鶏糞堆肥を非常識なくらいたくさん入れたもの。
2枚目は、かぼちゃの後作で残肥(利用されずに畑に残っている肥料成分)があるような田んぼに、少量のボカシ肥(有機質の手作り肥料)をいれたもの。
3枚目は、完全に無肥料でつくったもの。

どれが一番よいお米ができたと思いますか? 私の予想では、2枚目が一番元気な稲ができると思っていたのですが、実際は、完全無肥料の3枚目の方が元気がよかったです。昔からお米は肥料でなくて地力で作ると言われていますが、それを実感しました。

ちなみに、全然ダメだったのは1枚目の鶏糞堆肥を大量投入した田んぼ。幼苗の頃は虫がつきましたし、生長期にも株が充実せず、ずんぐりした格好の稲になりました。また、色がとても悪く青黒いような葉っぱになり、しかも収穫期になっても葉色が褪せませんでした。米作りにおいては、多肥は厳に慎むべきというのがよくわかりました。

でもそれ以上に感じたのは、水管理の重要さです。この3枚の田んぼ、見た目からしてかなり違ったのですが、この3枚の平均的な違いよりも大きな違いが、実は1枚1枚の田んぼの中にあります。

それは、取水口付近の稲と、排水溝付近の稲の違いです。当たり前のことですが、取水口からは冷たくて新鮮な水が流れ、排水溝からはぬるくなって、若干汚れた水が出ていきます。そして、取水口付近の稲というのは、常に元気で大きく、丈夫でみずみずしいのです! 逆に、排水溝付近の稲は、小さくて分ゲツ(株ごとの稲の本数)が少なく、病気にも冒されやすいです。田んぼの様子を見てみれば、稲作にとってきれいな水が大量にあるというのがいかに重要かが、一目瞭然です。

実は、稲は必要な栄養のかなりの部分を水から取っているので、土にはチッソとリン酸成分さえあれば、他の栄養素はさほど必要としないのです。というか逆にいえば、新鮮な水が十分に行き渡らないといくら肥料をやってもダメということになります。

というわけで、今年は若干極端な実験をしてみましたが、米作りにおいては肥料は重要でなく、むしろ無肥料でもさほど問題ないということと、より重要なのは水管理であることがよくわかりました。もちろん経済栽培する場合は、品質だけでなく収量も大事なので、無肥料で作り続ければ収量が漸減していきますから完全に無肥料を続けるのは得策ではありません。

来年からは少量の有機質肥料を使って、引き続き無農薬・無化学肥料の米作りを続けて行きたいと思います。

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