3月は柑橘類の植え付けシーズンです。
というわけで、今年も柑橘類の苗をいろいろ植えています。今日は、ブラッドオレンジとベルガモット、そしてタンカンの苗を植えました。
柑橘類の苗を植えるときは、直径30cm、深さ15cmくらいの穴を掘って、そこに支柱を深く立ててから苗を入れます。素掘り苗でもポット苗でも、根をよくほぐして、のびのびと根が生長できるように立体的に広げ、少しずつ土を被せます。
ここが大事なところで、根は一度埋めてしまうと剪定も誘引もできないので、最初にできるだけ自然な感じに伸ばしてやらないといけません。特にポット苗の場合で、根が絡まったまま植えてしまうと、ちょっと大きくなってから根がぐちゃぐちゃになり生育が悪くなります。
そして、定植の時は肥料は入れません。昔は大きな穴を掘ってたくさんの堆肥を入れたりもしたそうですが、今では元肥は入れない方がよいとなっています。追肥も、やったかやらないか分からない程度でほんの少しずつやるのがいいと思います。ただ、pHが適正からあまりにずれている場合などは、土壌改良材を投入するのはよいです。
さらに、苗木を支柱に固定し土を被せたら、高さ数cm〜10cmくらいのマウント(盛り土)状に土を盛り上げます。盛り土のための土はどこからか持ってきます。盛り土をするのは、被せた土はすぐに沈下してしまうためと、水はけをよくするためです。定植作業で一番手がかかるのが、この盛り土を持ってくる作業なんですよね。土を持ってくるって結構疲れることです。
今日植えた苗木から収穫できるのは、早くて5年後くらいになります。果物の販売の時にそういうことをいうと、「5年もかかるんですかー!」なんてビックリされることもしばしばです。普通のビジネスで考えたら、未収益期間が5年もあるのもそうはないことですし、製品ができるのが5年後というとかなり悠長な製造ですよね。
でも自分も農業のペースに慣れてしまったせいか、5年というのをそんなに長く感じなくなりました。むしろ5年だったら早い方なんじゃないかくらいに思っています。ものによっては、収穫できるまで10年以上かかる果樹もありますしね…。
それにしても、ものになるのは、うまくいって5年先のことなのに、苗木を植えるっていうのは結構楽しいんですよね。将来への希望を感じる作業です。
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