しつこいようですが、11月11日(日)は「海の見える美術館で珈琲を飲む会」です。
今回は、会場となる笠沙美術館の建物についてご説明したいと思います。
というのは、この建物、なかなか面白いつくりになっていて、どこにでもある建物ではありません。
設計したのは、「ななつ星in 九州」など鉄道車両デザインで著名な水戸岡鋭治さん。近くにある宿泊施設「笠沙恵比寿」のデザインも水戸岡さんで、この両施設は一体のものとして構想されたと言います。
建物の構造は、2階のデッキから階段を下りて入るのが正面玄関になっていて、この玄関の作りが特殊です。なぜこのようになっているのかというと、2階が展望所になっているので、まず風景を楽しませるためなんじゃないかと思います。
階段を下りると、広いパティオ(中庭)があります。
このパティオが赤茶けた高い壁に囲まれていて、独特な音響があり、以前はここで音楽イベントなどが開催されていたそうです。音が壁に反響しつつ空に抜けていくのが心地いいですよ。
そして、パティオから美術館入り口を眺めると、この「海の見える美術館で珈琲を飲む会」のイメージ画像として使っているこの風景が飛び込んでくるというわけです。
正面に見えるのが「沖秋目島」(別名ビロウ島)。
建物が切り取るこの風景がさながら一幅の絵画のようで、私はこの眺めが大好きなんです。
見渡す限りの雄大な風景もいいですが、こうして切り取られた風景はまた格別です。窓から見える風景を演出するのはよくあることですけど、建物で切り取るっていうアイデアがいいですよね。この建物の白眉がこのエントランスだと思います。
ところでこの建物にはモデルがあります。
それは、スペインはマヨルカ島にあるニューエンドルフ邸。イギリスのミニマリスト建築家であるジョン・ポーソン氏の設計です。ジョン・ポーソン氏の作風は、極限までそぎ落とされたシンプルなフォルムによる静謐な空間表現が特徴。ニューエンドルフ邸はジョン・ポーソン氏の最初期の作品ですが、既にその特徴がよく現れています(スイスのミニマル・デザインのデザイナー、クラウディオ・シルベストリン氏との共作)。
【参考】ニューエンドルフ邸
http://archeyes.com/neuendorf-house/
水戸岡鋭治さんらはこの美術館をデザインするにあたり、世界中の建築物からこの風景の雰囲気に合うものを探してこの建物にたどり着いたんだとか。
私もこのあたりの風景は、南欧風だと思っていて、笠沙の海岸線はアマルフィ海岸みたいだと思っています(ってアマルフィ海岸行ったことないですけど(笑))。だから南欧の島、マヨルカ島の建築に範を取ったのはすごく理解できますね!
笠沙美術館へお越しの際は、ぜひその建築にも注目してみて下さい!
【情報】
海の見える美術館で珈琲を飲む会 vol.5 ←リンク先Facebookイベントページ
日時:2018年11月11日(日)10:00〜16:30
場所:笠沙美術館(南さつま市笠沙町赤生木8666-1)
参加料:500円(コーヒー1杯つき、子ども無料)
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