この本棚の持ち主は、四元 誠さん。すごいコレクションですよね(もちろんこれが全体ではないです)。
このたび、この大量の絵本コレクションをお持ちの四元さんをお招きして、第3回そらまどアカデミアを開講することになりました。
題して「絵本が映す世相と価値観—昭和・平成・令和をたどりながら—」。
さて、四元さんの本業は、陶芸家です。
陶芸家といっても、普通の陶芸家ではありません。専門は土器や土偶の復元で、その「作品」は各地の博物館に納められているそうです。
そしてその活動の傍ら、放課後児童支援員の資格を取り、「まことせんせい」として放課後児童クラブで子どもたちのいろんな手助けをしています。特にものづくり系の活動支援が得意なのは仕事柄当然として、絵本の読み聞かせもすごいんです。
…といっても、当然、私は「まことせんせい」の読み聞かせを実際に聞いたことはありません。でも、Facebookでシェアされる読み聞かせのラインナップを見ただけで熱意がわかります。
第1に、新作絵本が多い。絵本の読み聞かせというと、反応が間違いない定番のものを選ぶのが多いのですが、新しい作品を果敢に取り上げています。簡単なように見えますが、これをするのが意外と難しいです。(もちろん、定番絵本にも素晴らしいものがたくさんありますので、定番絵本ばかりでも悪いことはないのです)
第2に、科学系・人文系(要するに勉強になる)絵本を結構入れています。日本語では、たいていの学術分野は絵本になっていますので(特に福音館書店の「たくさんのふしぎ」「かがくのとも」はこの分野で多大な貢献をしました)、大人でも絵本で勉強になることが多いです。科学に触れる入り口として絵本は大事です。
第3に、硬軟取り混ぜた、子どもを惹きつける組み合わせになっていることです。これは実際どのような順番でどう読んでいるのかとかはわからないですが、私が想像しているのは、「全員この話をしずかに聞きましょう」式ではなくて、一人ひとりの興味に合わせて「聞きたかったら聞いてね」みたいな読み聞かせをしているのではないかということです。だからいろんなレベルの絵本が登場して、結果的に多くの子どもが楽しめる時間になってるんじゃないかなーと思っています。
というわけで、四元さんには、本業の陶芸ではなくて(笑)、絵本について語ってもらいたいと常々思っていました。ひとかたならぬ思い入れがあることは間違いないからです。
今回、「そらまどアカデミア」では、絵本を通じてみる世相や価値観の変化についてお話いただけるということで、大量のコレクションをお持ちの四元さんらしいテーマの設定だと思いました。どんな話が聞けるのか、私も楽しみにしています。
なお、四元さんは本業の方ではこのたび個展も開くそうなので、ぜひ足を運んでみて下さい。
■四元 誠 展〜縄文の器〜
2022年8月10日(水)→23日(火)
平日 13:00〜19:00
土日祝日 11:00〜19:00
GALLERY-F(鹿児島市中央町23−21 アエールタワー2F)
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第3回 そらまどアカデミア
絵本が映す世相と価値観—昭和・平成・令和をたどりながら—
講 師:四元 誠
子ども向けの出版物である絵本には、世相や価値観に加え、社会における子どもの存在をどう捉えるのかといった、いわゆる「子ども観」が反映されます。今回は、昭和・平成・令和、それぞれの時代に出版された本を紹介しながら、その移り変わりをたどってみたいと思います。
日 時:9月18日(日)14:00〜15:30(開場13:30)
9月25日(日)14:30〜16:00(開場14:00)
場 所:books & cafe そらまど (駐車場あり)
料 金:1000円(ドリンクつき) ※中学生以下無料
定 員:15名
要申込:申込フォームより、または店頭で直接お申し込みください。※中学生以下は無料ですが申込は必要です。
問合せ:こちらのフォームよりお願いします。
<講師紹介>
工房 琴鳴堂 代表。1973年生 鹿児島県霧島市在住。博物館の展示用造形物/ミュージアムグッズのデザイン/体験学習の企画と教材製作を中心に活動中。また長年に渡り児童施設での読み聞かせも行なっている。
【9月15日アップデート】9月18日に台風接近が予想されているため、日程を延期いたしました。
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