2016年8月26日金曜日

秋かぼちゃ開始

ここのところしばらく、かぼちゃの植え付けの準備でした。

秋かぼちゃは、(私の場合)田んぼの跡に育てます。今年も、いつもお世話になっている狩集農園さんの田んぼを貸してもらいました。

作業としては、稲刈りが終わった田んぼを、畝(うね)の部分だけ施肥・耕耘して、草抑えのフィルム(マルチといいます)を張って、種を播く、というものです。

堆肥は、「夢ゆうき」というものを取り寄せて使っているのですが、全部で100袋(1.5トン)くらい手で撒くので、かなりの重労働です。施肥基準からいくとこんなに堆肥を撒く必要はなさそうですが、堆肥を多くして化学肥料を減らすのがいいんじゃないかという判断です。

【参考】ど田舎で起業した社長の日記/(有)松山農産オフィシャルブログ
※「夢ゆうき」を薩摩川内市で作っている松山農産の社長のブログ
 
重労働といえば、この畝の横に伸びている溝を切る作業もなかなかの重労働。

田んぼ跡は当然ながら排水性が悪いので、ちゃんと溝がないと雨の後にはべちゃべちゃになり、かぼちゃがうまく育ちません。だから排水のための溝をしっかり作らないといけないのです。

もちろん、9割方は溝切り器(トラクターの後ろにつける一種の棃)を使って掘ります。でも残り1割くらいが、どうしても手作業になる部分。具体的には、溝同士の接続箇所ですね。ここを鍬(くわ)で掘っていくわけです。

こうして写真で見ると、全然たいしたことなさそうなんですけど、酷暑の中で鍬を振るうっていうのはきついです。汗が何リットルも出ます。ただ溝を掘るだけのことで。

こんな作業を汗水たらしてやっているから日本の農業は生産性が上がらないのですよ(自虐)。

昨年は、この時期に雨が多くてしかも台風直撃もあったので、こうして準備した圃場に結局種を播かなかったということがありました。骨折り損とはこのことでしたね。今年は、かなり雨が少ないということはありますが、今のところ準備(だけ)は順調に進んでいます。

23日に種播きまで終わりました。今年は豊作を期待したいです!

2016年8月19日金曜日

雨乞いが必要

雨、降らないですねー。

8月16日に通り雨があった以外、もう1ヶ月くらいまともに雨が降っていません。土がカラカラに乾いています。お米の出荷作業などで苗木を巡回していなかったら、既に数本苗木が枯れていました……。

柑橘の成木も、水が欲しくて弱った感じになっています。夏のこの時期は、ちょうど柑橘の実が大きくなっていく時期で、一番水がいるんです。

あ、ちなみに草ボウボウじゃないか、と思われるかもしれませんが、私は除草剤など使わず自然に草を生やしつつ果樹を栽培していますので(草生栽培といいます)、これは決して管理が悪いわけじゃないのですが、でももうそろそろ草払いしようかなというところです。

でもでも、草を刈って土が見えてしまうと、表土の乾燥がもっと酷くなってしまうので、こういう乾燥の時は草が生えていた方がいいのです。草の方も水を使うような気はしますけどね。

というわけで、この草ボウボウの柑橘園に連日灌水(かんすい)をしています。

ただ、500リットルタンクにポンプを繋げてホースで水をやるんですが、この程度の量だと実際は焼け石に水なんですよね。

なにしろ、自然の降雨は、少ししか降っていないように感じてもすごい量の水が供給されます。例えば、1反(10a=1000㎡)あたりで考えると、5mmの雨が降ったときに5トンの水が供給されたことになります。このたった5mmの雨に匹敵する量の水を人の手でかけるためには、500リットル(0.5t)タンクだったら、10回もかけないといけません。

まあ、根元だけにかけるので降雨より効率的に植物に補給されるにしても、せめて5回はかけないといけませんね。それでもたったの5mmの雨と同程度。5mmといったら小雨ですもんね。栽培基準などでは、灌水する際は10aあたり10tくらいの水をかけろと言われていて、やっぱりそれくらいしないと効果が薄いんでしょう。でも10tも500リットルタンクでかけるのは、実際無理です。

ちなみに、 今日は(一日中やっていたわけではありませんが)500リットル×3回で1.5tの水を5aくらいの面積にかけました。この水は、大浦の農協の購買部にある水タンクから汲んでくるんですが、今日そこにこんな張り紙が。

「平原・有木に臨時水汲み場を設置しましたのでご利用下さい」

この水タンクは地下水をくみ上げて溜めているものです。それが、みんなが灌水のために水を使いまくっているためくみ上げの供給が追いつかず、カラになっていました! そんなわけで、臨時水汲み場が設置された模様です。

水をかけたくても、大もとの水タンクが空だったらできません。水道水を使うわけにいかないですしね(すごい水道料金になりそう!)。

土がカラカラに乾いていますから、農家は灌水に奔走しています。水も足りなくなるわけです。

でも足りなくなるほど水をかけても、やっぱり自然の降雨には絶対に敵いません。というわけで、早く本格的な雨が降って欲しいです。雨乞いが必要ですね!

2016年8月9日火曜日

米袋、控えめだけど爽やかに

本日、初回のお米の出荷を行いました!

昨日の夜、近所のコイン精米で精米して袋詰めし、今日は梱包して配送です。全ての作業を一人でやっているので、各工程で確認しながら、トリプルチェックくらいして発送していますが、それでも間違いがないか心配です。玄米で送るべきところに白米を送ってないか、とか意外と初歩的なところでミスしちゃうもんなんですよね。

さて、今年から米袋を上等なものに変えました! (ちょっと値上げしましたからね。)

材質はクラフト紙なんですが白色で、保湿の裏張りが入ってるやつです。昨年まではホームセンターで買ってきたただの紙袋だったので、だいぶグレードアップしました。

そして、白無地にロゴマークのハンコだけ押してみました。最初は商品名「無農薬・無化学肥料のお米」もハンコで押そうかなと思っていたのですが、むしろなんもない方がスッキリしていたので余計なものは書かないようにしました。

スーパーのお米売り場に行くと、気を引くパッケージ(といっても似たり寄ったりですけどね)で売られているお米ばかりです。でも私のお米はそういうところで売るわけではないし、ヘタなアピールをする必要もないので(というのは、配送のみなので)、こういう清新なパッケージもいいように思いました。控えめだけど爽やかですよね。

そして、この真っ白な紙袋に入れると、何かお米が神聖なもののようにも見えてきます。神さまに献げるものみたいですね。実際、かつてはお米というものはそういう性格ももっていたわけですしね。

そういえば、まだ新米を仏壇に供えていません。というか、実を言うと自分でもまだ食べていないのです。販売する分が優先なので、自分の方は後回しです。でももうすぐお盆なんだから仏壇にはお供えしないとなあ…。

お米の在庫は、残り280キロくらいです。10kg袋だとすると28袋。8月中に売り切れそうです。ただいま順次発送中。ご注文はお早めに!

↓ご購入はこちらから。
【南薩の田舎暮らし】無農薬・無化学肥料のお米(5kg/10kg)

2016年8月4日木曜日

タンカンの摘果——柑橘栽培の12ヶ月

ようやく、タンカンの摘果作業が一段落しました。

「摘果」というのは、つきすぎた実を敢えて落として、少数の実に栄養を集中させて立派な果実を育てる作業をいいます。

でも、小さな実の方が美味しいという人もいるので、わざわざそんなことしなくていいんじゃない? という人もいると思います。でもこれは立派な果実を育てるというより、つきすぎた実を落とすことで、樹の体力を温存するという意味合いの方が重要だと思います。

何しろ、果実というのは栄養を消費するので、たくさん実がついていると樹が目に見えて弱ります。常緑樹なのに落葉したりですね。そうなると、その年はまあ豊作になるとしても、翌年にすっごい不作になってしまいます。だから、適正な数の実に制限することで、毎年安定的に果実を収穫できるようにするわけですね。

ところで、やっと摘果が終わったわけなんですが、これ遅いんです。本当は6月くらいに粗く摘果して、肥大が始まる7月にはだいたい摘果が終わってないといけないんです…。かぼちゃの収穫とか、テッポウムシ退治とか、いろいろやってる間にちょっと作業が遅れてしまいました。実はタンカンは、今年の春には時間がなくて剪定も出来てないんです。なぜかいつも後回しにされているタンカン。ごめんなさい。

一方、ポンカンの方は、私は、摘果しません。無肥料でつくっているからなのか、そもそも花芽があんまりつかなくて、摘果が必要なほど実がつかないんですよね。いいことなのか悪いことなのかわかりませんが…。

その点、無肥料でもちゃんとたくさんの花が咲くタンカンという樹はすごいです。