11月30日、そらまどアカデミア開催します。
今回登壇してくださるのは、鹿児島大学で言語の研究をしている坂井美日(みか)先生です(犬さんはアシスタントだそうです)。
【参考】坂井研究室@鹿児島大学
https://www.sakai-kagoshimauniv.com/
坂井先生については、「鹿児島弁研究の人」として鹿児島ではしばしばメディアで取り上げられるので、みなさんも目にしたことがあるのではないでしょうか。「方言AI」(鹿児島弁でやりとりができる対話型AI)の開発なんかもしているそうです。ちなみにこの方言AIの名前は「カルカン」とのこと。
しかしながら、坂井先生は方言だけでなくて、現代の普通の日本語から古典日本語まで対象として研究います。博士論文は古典日本語の文法についてだということでした。
「古典日本語の研究と、方言の研究って、どう繋がるんですか?」と聞いてみたら、「言語の変化という意味では同じなので(大意)」という答えが返ってきました。
考えてみると、言葉は歴史的に変遷していますが、地域的にも変遷します。歴史的変遷と地域的変遷が組み合わさって現代日本の言語地図を形成しているわけですよね。
方言の研究は、方言話者(←つまり年寄り)との医療現場での意思疎通を容易にするといった実用的な側面もありますが、言語のしくみや変遷について理解を深めるという側面もありそうです。
ところで、大量の言語が消滅していっているという話があります。世界には、何千という言語が存在しています(いました)が、その90%は2050年までに消え去ってしまうとか…。さらに方言まで含めたら、その消失はずっと大きいですよね。
鹿児島弁はそれなりに話者のいる方言ですが、それでも昔ながらの言葉をしゃべれるのは70代以上だと思います。ということは、あと30年したらホンモノの鹿児島弁をしゃべれる人はほとんどいなくなくなっちゃいますね。世界にある何千という言語が「なくなってもいいじゃん」とはならないのと同様、鹿児島弁も人類文化の多様性の一つなので、失われるのは残念なことです。
そして、鹿児島弁とはどんな言語なのか、解明されないうちになくなったらもっと残念です。鹿児島弁を科学的に研究している坂井先生の話を聞いてみませんか。
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第20回 そらまどアカデミア
鹿児島の方言を科学する
講 師:坂井美日
方言を研究するとはどういう営みか。本講座では、文献やフィールドのデータをもとに、音声や文法や語彙の分析を通して方言を科学的に明らかにする作業を体験する。身近なことばに潜むしくみを探り、ことばの重層性、多様性、普遍性などを考える。
日 時:11月30日(日)14:00〜16:00(開場13:00)
場 所:books & cafe そらまど (駐車場あり)
料 金:2000円(ドリンクつき) ※中学生以下無料
定 員:15名
要申込:申込フォームより、または店頭で直接お申し込みください。※中学生以下は無料ですが申込は必要です。
<講師紹介>
鹿児島大学共通教育センター准教授。専門は日本語学。
※今回より、講演時間が30分延びて2時間になっていますが、これは従前時間オーバーが常態化していたためです。
