2022年8月2日火曜日

第2回そらまどアカデミア開催しました! 港町の石造物の世界に魅せられて

7月31日(日)、第2回そらまどアカデミア「川田達也の「いつもの」—古寺跡・お墓トーク—」開催しました。

「いつもの」というタイトルなので、川田さんとしてもお客さんは知っている人ばかりのつもりでいたみたいですが、結果的にはそうでもなかったです。イベントというのは開催してみないとわからないものですねー(もちろん常連さん的な人もいましたけどね)。

さて、川田さんはいつも古寺跡、つまりお墓や、石造物の話ばかりしているわけですが、今回は特に「港町の石造物の世界に魅せられて」というテーマで、薩摩半島の港町にあるいろんな石造物が紹介されました。スライドの枚数は約100枚です!

川田さんによると、港町の石造物は(1)石材の種類が豊富、(2)あふれる財力、(3)交易のあった港との共通のデザインがある、(4)子供のお墓が多い、といった特徴があるそうです。特にここでは(3)の共通デザインについて講演から少し紹介します。

例えば、南さつま市坊津町久志にある「安養院管轄墓地」には、山川の「正龍寺跡」と石材・デザインの点で共通する石塔があります。具体的には、山川石・大谷石といった黄色い高級石材を使い、墓塔の周りに「南無・阿弥・陀仏」と彫った墓塔があるんです。こういったものは、港町の間に交流があったという動かぬ証拠ですね。

他にも、南さつま市笠沙町小浦にある「常福寺跡」には、薩摩川内の久見崎にある「江音寺関連墓地」と共通する赤石の石造物群、白い石の無縫塔などがあり、明らかに二つの港が何らかの繋がりを有していたことがわかります。

実は、この「常福寺跡」は、私は川田さんと一緒に探索し、「屋号(を表す記号)つき墓塔」という他の地域にない独特の墓塔を発見していたのですが、これも他の地域に僅かですが見つかるという発表があり、私も衝撃を受けました。「他の地域にない」と安易に思ったらだめですね…。

その他、石造物にまつわるいろいろな話が川田さんからはポンポン出てきます。引き出しの多さが半端ないですねー。古寺跡に興味を持つ人は結構多いのですが、ほとんどは「武将の誰それが眠っている」とか、「これは○○の戦いの慰霊のために立てられた石塔」といった「歴史」との関連で墓地を見ているのに対し、川田さんは無名の人々の墓石にも同じくらい興味を持って見ているのがユニークな視点であり、強みだなと思いました。

会場のみなさんも、川田ワールドを十分に堪能されたと思います。予定では1時間半の予定でしたが、質疑応答も盛んに巻き起こり(!)、15分ほど超過しての終了となりました。

また、講演終了後もいくらかのお客さんは引き続き残って下さり、おかげで当方が用意していた「かぼちゃバスクチーズケーキ」も完売しました。ありがとうございました。

次回のそらまどアカデミアは9月を予定しています。お楽しみに!

0 件のコメント:

コメントを投稿