2019年5月15日水曜日

学校では教えてくれない「休む」技術

今週、地元の大笠(だいりゅう)中学校から職場体験の中学3年生を一人受け入れています。大浦・笠沙には職場らしい職場があまりないので、うちのような超零細農家にも声がかかりました。

期間は、1週間(5日間)。自分の時代には1週間も職場体験したかなあ…?

というわけで、今週は中学生に農作業を手伝ってもらっています。

例えば、田んぼの草取り。昨年かなり草取りしたはずなのに、今年はなぜか昨年以上に草が生えました。私は除草剤を使わないので手で取る以外方法がありません。こういう地味〜な作業には、お手伝いがいると精神的にもいいですね!

そして、せっかくの職場体験ということで、単純な農作業だけでなく仕事を行う上での心構えのようなことも少しずつ教えています。

でも「心構え」といっても、最も強調しているのは「無理せず、自分のペースを守り、適度に休んで疲れないようにしろ」ということです。

これは、農業をする上で私は最も大事なことだと思っています。だって、疲れてしまったら作業が進みませんからね…! 「疲れても頑張って終わらせるんだ!」という考えもありますが、毎日それやってたら体が持ちません。年中外で働くんですからね、そもそも疲れないことが大事です。

そして「無理しない」「自分のペースで」「休む」というのは学校教育でほとんど教えられないことですし、むしろ逆に「全力を尽くせ」「みんなに合わせて」「休むな」の方が盛んに「指導」されるんじゃないでしょうか。

でも「全力を尽くす」なんてバカでもできますからね。敢えて教えなくても。「3割くらいの余力を残してやる」とかの方がよほど考えがいりますよ。「みんなに合わす」というのはまあちょっと教育は必要ですが、でも「自分のペース」を守る方がもっと難しい。

そして最高に難易度が高いのが「休む」です。学校教育では「休憩時間」が定められているので、休むのに頭を使う必要はありませんが、 一人でやる農業のようにひたすら仕事をこなしていかなくてはならない状況の場合、「どのタイミングで休むか」っていうのは意外と難しいんです。「作業的にキリのよいところで休む」がごく自然ですけど、それが自分の疲れ具合と合致しないことが多い、というのが落とし穴。自分の疲れ具合を観察して、作業的にも合理的なタイミングで休む、っていうのはそれだけで一つの「技術」ですね。

学校教育ではなぜか「休まない」ことに価値を置いていて、「皆勤賞」とかもありますけど、私に言わせればちゃんと休む方がずっと頭を使う必要があるわけで、「休み方」を勉強すべきですね。「休まない」と「サボる」はバカでもできますけど、「適度に休む」はしっかりとした考えがないと出来ないことです。

そんなわけで、職場体験の中学生には「無理せず、自分のペースを守り、適度に休んで疲れないようにしろ」を呪文のように繰り返して教えているのですが、それでもやはり無理して疲れてしまう様子。一日外にいるだけでも普通の人にはきついですから当然です。残り数日で、ちゃんと「疲れたから休みまーす」が言えるようになるよう、厳しく指導していきたいと思います…!

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