2020年2月8日土曜日

収穫が終わったら剪定です。

ポンカンの収穫が終わったので剪定作業をしています。

剪定というのは、余分な枝を切ることです。柑橘栽培においては、私は剪定が最も重要だと感じています。

というより、私の栽培方法の場合、肥料はほとんどあげないし、農薬はかけないし、植物への直接的な働きかけという意味では、剪定が唯一の手段です。

そして植物生理の理論からも剪定は重要です。というのは、植物は自分がつくり出したセルロースとかリグニンといった物質は、自分自身で分解することができないのです。だから、仮にある枝が不要になったとしても(日当たりが悪いとか)、植物はそれを自分で落とすことはできず、自然に枯れるのを待つしかありません。

そこのところを、人間が少し手伝ってあげて、不要な枝を除去してあげると植物も喜ぶわけです。枝をバサバサ切って可哀想、と思う人もいるかもしれませんが、負担になっている不要な枝の除去をやるだけでも植物というのは元気になるんですよ。

しかもその剪定を、私はほとんどハサミやノコギリを使わないでやります。

どうやるのかというと、エイヤっ!とむしり取ります。ハサミで切った方が切り口がキレイで植物へのダメージが小さいように思うかも知れませんが、実は逆。むしり取ることで、植物の組織に沿って枝が除去できるのでこっちの方が傷の治りも早いんです。

時には写真のようにビヤーーーっとむしられてしまうこともありますが、これは組織に沿った傷なので一年で治ります。逆にハサミで切った傷は数年間治らないこともあります。治りが早いってだけでも、むしり取る方がいい。

それに植物にとって不要な枝は楽にむしり取ることができますが、逆に必要な枝(光をたくさん受けている働き盛りの枝)は、細くてもなかなか折ることができません。これはハサミやノコギリを使わないからこそ発見したことです。植物って不思議…!

最初は手探りだった剪定も、何年かやっているうちに随分理解してきましたし、スピードも数倍になりました。いや、まだまだ分からないことだらけですが…。

そんなわけで来年の収穫に向けた作業がもう始まっています。


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