タンカンの発送も終盤になってきております。今季は柑橘全般がやや不作で、発送量も例年より少なめです。
というわけで、シーズンももうそろそろ終わり…というタイミングなのに、今さらになって「南薩の田舎暮らし」の3つ折りチラシが完成しました!!
シーズンの開始に間に合ったら柑橘のお客様に封入できたのに…、まさに後の祭り。まあこれから2年ほどかけて配布していく予定なので、ちょっと惜しかったけどしょうがない。
これまでも、ポンカンとかタンカンとかをご購入いただいたお客様には、お店のチラシを入れていました。A5サイズ両面の小さなチラシです。私たちはこれで十分かなと思っていました。
ところが、何年か前(3年くらい前でしたかね)、行政が主催する商品デザイン改善の講座みたいなのに出席した時に、中島秋津子さん(鹿児島の商品デザインでは有名なStudio Kの社長)にご意見を伺ったんです。その時のやりとりがこんな感じでした。
窪「このチラシを商品に同封していて、自分たちとしてはこれでいいと思ってるんですけど、どうですか?」
中島さん「どうですか…って、デザインに何を求めるかですよ。売上を伸ばしたいとか、ブランドの認知を広げたいとか」
窪「いや、別に売上を伸ばしたいとかはないですねー。そもそも、自分が収穫した分しか販売できないので、生産量を増やす以外に売上を伸ばす方法はないですし。ブランドの認知とかも特に考えてないです。今は知り合いに売っているような段階なので…。お客様に対して恥ずかしくないものにしたいなと、それだけです」
中島さん「フハハハハ! こういう仕事やってると、売上を増やしたいとか、デザイン変えて儲けようみたいな話ばっかりなのに、窪さんって無欲で面白いね! こんな相談初めてだよ。それならチラシはそのままでもいいと思うけど、「南薩の田舎暮らし」が面白いから、もうちょっと自分たちの説明をしたらいいんじゃない? 今のチラシは説明が少ないから」
というわけで、そう言われてみると確かにそうかなーと思ったので、中島さんに「じゃあもうちょっと説明を増やしたチラシを作りますねー!」と約束しました。中島さんも「南薩の田舎暮らしの新しいチラシをどこかで目にするのを楽しみにしてますね」と言って下さいました。
が、そこからもう3年以上の月日が流れ…。先延ばしにもほどがある…。
で、旧チラシが切れるタイミングに合わせ、新しい3つ折りチラシを製作したわけです。デザインはもちろん自分。説明はこれまでの4倍くらいになったと思います。どんな内容になっているかは、商品をご購入いただいて確認して下さいね(笑)
それから、今季新しく作ったものがもう一つあります。オリジナルダンボールです!これはもう就農直後からの懸案で、普通の農家は1年目くらいに「○○農園」みたいな屋号入りダンボールを作ります。そうしないと出荷に不便ですし、ダンボール会社に大量注文すれば、無地ダンボールを小売りで買うよりお得です。
ですが、私は(1)まとまったお金がない、(2)ダンボールの置き場所がない(500枚が最小発注数。もちろん少部数でも作れるが割高)、の2つの理由から、オリジナルダンボールの製作も先延ばししまくっていました。就農後9年以上が経過しております(笑)
じゃあどうしていたのかというと、これまでは農協で無地ダンボールを買ってきて、消しゴムはんこでロゴを押していました。まあ、これはこれで手作り感があってよかったと思います。でも、消しゴムはんこにはあまり耐久性がなくて、1000枚以上のダンボールに押してきたのでだいぶ劣化してきていました。
それで、昨年ようやくオリジナルダンボールを作りました。でもこれも、側面にロゴをあしらっただけのシンプルなデザインです。普通、最低でも屋号は書くと思うんですが、どうしてそうしなかったか!?
深い理由はないんですけど、「必要ないと思ったから」ですかね。ダンボールを見て注文して下さる方がいるというのは、他の農家から聞きますけどそんなに多くはないでしょうし。だからうちのダンボールであることがわかりさえすればいいので、ロゴだけがシンプルでいいんじゃないかと思ってこうしてみました。今のところ、いい評判も、悪い評判もありません(笑)
というわけで、今季は懸案だったチラシとダンボールの問題が両方とも解決したのでスッキリした気分でいます。「いや、先延ばししすぎだろ!」ってお叱りを受けるかもしれませんね。もちろん商売にはスピード感も大事。パパっと作って行く方がずっといいとは思います。
でも、これも一種のスロービルド。じっくり作って、まるで柿の実が熟して落ちるように生まれたものになったかなと思います。あぁ、よかったよかった。
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