2014年8月25日月曜日
3種類のお米
先日、自家用で作ってるお米の収穫が終わりました。といっても刈り取り委託(コンバインを持っている農家さんに刈り取りや乾燥をお願いすること)なので自分ではほとんど何もしていませんが…。
今年は、以前も紹介したように無農薬・無化学肥料で作ったのですが、試験的に3枚の田んぼで条件を変えてやってみました。
1枚目は、冬に鶏糞堆肥を非常識なくらいたくさん入れたもの。
2枚目は、かぼちゃの後作で残肥(利用されずに畑に残っている肥料成分)があるような田んぼに、少量のボカシ肥(有機質の手作り肥料)をいれたもの。
3枚目は、完全に無肥料でつくったもの。
どれが一番よいお米ができたと思いますか? 私の予想では、2枚目が一番元気な稲ができると思っていたのですが、実際は、完全無肥料の3枚目の方が元気がよかったです。昔からお米は肥料でなくて地力で作ると言われていますが、それを実感しました。
ちなみに、全然ダメだったのは1枚目の鶏糞堆肥を大量投入した田んぼ。幼苗の頃は虫がつきましたし、生長期にも株が充実せず、ずんぐりした格好の稲になりました。また、色がとても悪く青黒いような葉っぱになり、しかも収穫期になっても葉色が褪せませんでした。米作りにおいては、多肥は厳に慎むべきというのがよくわかりました。
でもそれ以上に感じたのは、水管理の重要さです。この3枚の田んぼ、見た目からしてかなり違ったのですが、この3枚の平均的な違いよりも大きな違いが、実は1枚1枚の田んぼの中にあります。
それは、取水口付近の稲と、排水溝付近の稲の違いです。当たり前のことですが、取水口からは冷たくて新鮮な水が流れ、排水溝からはぬるくなって、若干汚れた水が出ていきます。そして、取水口付近の稲というのは、常に元気で大きく、丈夫でみずみずしいのです! 逆に、排水溝付近の稲は、小さくて分ゲツ(株ごとの稲の本数)が少なく、病気にも冒されやすいです。田んぼの様子を見てみれば、稲作にとってきれいな水が大量にあるというのがいかに重要かが、一目瞭然です。
実は、稲は必要な栄養のかなりの部分を水から取っているので、土にはチッソとリン酸成分さえあれば、他の栄養素はさほど必要としないのです。というか逆にいえば、新鮮な水が十分に行き渡らないといくら肥料をやってもダメということになります。
というわけで、今年は若干極端な実験をしてみましたが、米作りにおいては肥料は重要でなく、むしろ無肥料でもさほど問題ないということと、より重要なのは水管理であることがよくわかりました。もちろん経済栽培する場合は、品質だけでなく収量も大事なので、無肥料で作り続ければ収量が漸減していきますから完全に無肥料を続けるのは得策ではありません。
来年からは少量の有機質肥料を使って、引き続き無農薬・無化学肥料の米作りを続けて行きたいと思います。
2014年8月17日日曜日
ぬいぐるみで行く南薩の夏休み、参加者募集中です!
最近いろいろなところで行われているアレを南薩の田舎暮らしでもちょっと真似してやってみることにしました!
持ち主の代わりにぬいぐるみが旅行して、写真アルバムが手元に届くというアレを。
でも内容はどこよりも本格的。ぬいぐるみだからって容赦しません。地味で辛い農業体験をしたら築約百年の古民家に民泊、そして日常に戻れなくなるような絶景を眺めるドライブをします。
さらに、アルバムだけじゃなく南薩のお土産までお手元に届きます。ここまでやったらもう「真似」じゃないですよね!
【お申し込みはこちらから】
ぬいぐるみで行く 南薩 民泊ぷちツアー(申込期限8月23日(土))
ところで、この「ぬいぐるみツアー」、まだ申込はもの凄く少ないのですが、ネット上ではけっこう話題にしていただいてます。ブログにも2件書いていただきました! よければリンク先もご覧ください。
変なツアーが行われると聞いて。ぬいぐるみで行く南薩民泊ぷちツアー!!(1泊2日)|KAGOSHIMA TIMES SQUARE(リンク切れ)
「ぬいぐるみで行く 南薩 民泊ぷちツアー」|Piyo Piyo Square
2014年7月4日金曜日
春かぼちゃ
先日、かぼちゃの収穫が終わりました。
世間でのかぼちゃの旬はいつだか分かりませんが、こちらではだいたいGWくらいから始まり、7月中旬までで早出しのかぼちゃが終わります。かぼちゃはけっこう涼しい気候(正確には寒暖の差がある気候)が好きですから、真夏でもできないことはありませんが、暖かい南薩ではこれくらい早い方が品質のよいものができます。
今期は、かぼちゃの花が咲いて実がつくくらいまではとても順調で、大きなよいかぼちゃがたくさん成りました。ですが、5月始めくらいに台風のような天候の時があって、随分葉っぱが傷んでしまいました。
そのせいなのかどうなのか、熟期が遅れてしまい、完熟したのが6月下旬の梅雨まっただ中。天気のせいでなかなか収穫ができませんでした。かぼちゃは、成り口(果梗)が乾燥しないとすぐにカビが生えてしまうので、晴れた日にしか収穫ができません。
そんなわけで収穫日がずるずると後ろ倒しになり、梅雨の合間に少しずつ収穫していたら、最後の方はもう過熟な感じになってしまいました。
かぼちゃが熟れすぎるとどうなるか、というと、簡単に言うと持ちが悪くなります。かぼちゃというと1ヶ月くらい保存しても平気な印象があると思いますが、熟しすぎるとすぐに悪くなるんですよね。味も、ベストではなくなります。そしてなにより、収穫が遅れるとなぜか内部から割れたり、表面にキズが入ったりして商品性が無くなってしまいます。
そんなわけで、最後に収穫した分は全部農協に出荷して、最初の方に収穫したものを「南薩の田舎暮らし」で販売することにしました。収穫、というと簡単に思いますが、「今だ!」というベストな時に収穫するのは意外と難しいんですよね。
2014年7月3日木曜日
すももの品種がわかりません
現在ネットショップでも販売中の"南薩コンフィチュール「すもも」。実は私たちもよくわかっていないことがあります。それはすももの「品種」。
大浦町では以前栽培振興されたとかで、すももの樹が随所にあります。結局、産業としてはすもも栽培は成り立たなかったので、みなさん家庭用で消費されているんですが、この時期になると「大浦ふるさとくじら館」では、すももがドッサリ売られています。
しかも、家庭用の余りを物産館に持ってくるわけで、それで儲けようとしていないのです。だから、激安です。1キロで100〜150円が相場でしょうか…。日本一すももが安い物産館だと思いますよ、実際。
で、物産館で売っているすももと「南薩の田舎暮らし」のコンフィチュールになっているすももでは、実は品種が違うんです。物産館で売っているのは、果皮が硬くて未熟な時にかなり酸っぱい品種なんですが、うちのは果皮が軟らかくて薄く、未熟な時でもあまり酸っぱくない品種です。熟す時期も2週間くらい違います。
でも、その品種名がよくわからないんですよね。10数年前に親戚が植えたみたいなんですが、もはや正確な品種名が分からなくなってしまいました。すもも栽培のプロに聞けば分かるんでしょうが、このあたりにはすももの専業果樹農家もいませんしね…。
そして、うちのすもも、物産館で売っているものより圧倒的に美味しいんですよ、悪いけど。その代わり日持ちもとても悪くて、2、3日でダメになってしまいます。美味しいのに日持ちせず商品性が悪いので、コンフィチュール(ジャム)に加工して売ることになりました。
そして、家庭での栽培だから当たり前ですが、無農薬はもちろん無施肥ですし、完熟果だけを樹上で採っていますから生食でもすごく美味しいです。それをジャムにしているわけですから、いいものができないわけがありません。素材がよいと美味しいものを作るのは楽ですね。
でもこのコンフィチュールをもっとたくさん作っていこうと思うと、すももの木を増やしていかないといけません。でも品種が分からないのでどうしたらよいか…。果樹苗木のカタログで見たり、インターネットで検索してみても、いまいち「コレだ!」ってのがないんですよね。
大浦町が栽培振興しようとしたいくつかの品種の中の一つであることは間違いないので、当時のことを覚えている方がいらっしゃいましたらどのような品種があったかぜひ教えてください。
■ご購入はこちらから → 南薩コンフィチュール「すもも」
2015.6.8追記
町内の方から、「それはメスレーという品種だよ」と教えてもらいました。ありがとうございました!
2014年5月14日水曜日
かごしま遊楽館 その1
ブログ更新が遅くなってしまいましたが、GWは埼玉の実家に娘二人(3,0歳)を連れて帰ってましたー!!
パパは農作業があるのでお留守番です。
で、折角都会に来たので、東京は有楽町にある鹿児島県のアンテナショップ「かごしま遊楽館」に行って来ました!
いつかここに出品する為の下見…という訳でもないようなあるような(笑)
子どもを連れて行きにくい場所ではありますが、他の用事もあったので、子ども達と私の母と4人で行って来ました。
さて、このお店、
1階 食品のお土産ショップと観光案内コーナー
2階 郷土料理のレストラン
3階 工芸品の展示、販売
となっています。
何年も前、旦那さんと付き合っていた頃に一緒に来たことがありましたが、よくある普通のおみやげ屋さんという印象でした。
でもこのお店、いつも人が多い!
売上も凄いらしいです。鹿児島が人気というより、立地が凄くいいからだと思っていますが。。。
1階は人が多そうだったので、とりあえず、行ったことの無い3階から行ってみる事に。
エレベーターで3階に上がると、大きな西郷さんの像が入り口前でお出迎えしてくれました。
そういえば、鹿児島の人って西郷さんが大好きだよなぁ。
色んな所でグッズとかイラストとかを見かけるし、呼び捨てにすると怒られるとかいう話も聞いたことが…
私も結婚してからは「西郷さん」とよんでいます。鹿児島弁では「せごどん」と言うそうですが、発音が難しすぎて正確に言えません。
店内に入ってみると、意外な事にこちらはお客さんがゼロ。がらんとしています。
でも見てみると、商品は面白いものがいっぱい!
鹿児島関連の本に、薩摩切子や黒じょか、鹿児島生まれの化粧品などなど。なんで人少ないんだ??というかんじです。
更に奥に行ってみると…
「さつまけんし はやと!!!!」
ことちゃんも大喜び!私も大好きなご当地ヒーロー「薩摩剣士隼人」のグッズコーナーがあるではないか!!!
「こんなに色々グッズあるんだ〜」
と見ていると、ことちゃん、隼人のソフビ人形が欲しくなってしまったご様子。
いやいや、人形は買わないよ。さっきもお土産買ったし、この後、東京駅のプリキュアショップ行くんでしょ。
説得しようとしましたが、どうしても諦めきれないことちゃん。
「プリキュア行かなくてもいい」
とまで言ったので、隼人を買ってもらいました。
なぜ東京で隼人…
でもとっても嬉しそうなことちゃんでした!
その2へ続く。
(n)
2014年4月20日日曜日
南薩コンフィチュール「金柑とたんかん」のレシピを紹介
現在販売中の南薩コンフィチュール第2弾「金柑とたんかん」が好評です。
このジャムは、昨年自家用に作ったジャムがモトになっています。近隣の先輩農家からいただいた金柑とうちで作っているたんかんがちょうど家にあったので、家内がそれでジャムを作ったんです。それがとても美味しかったので、「これは是非商品化すべき!」と家内を説き伏せて、ようやく今年の販売に漕ぎ付けました。
このジャムは、金柑の皮とたんかんの果肉で作られているのですが、濃厚な甘みと軽やかな苦みがある金柑と、爽やかなたんかんの相性は抜群です。偶然家にあった材料で作ったわけですが、とてもバランスのよい組み合わせだと思います。金柑はともかく、たんかんは鹿児島以外ではあまり見かけない果物ですから、この2つが同時に家にあるという偶然はこの地域ならではですね。
有り難いことに、ご購入いただいた方からも「ちょっと高いけどオススメ!」「甘すぎず金柑の苦みがあって美味しい」「普通のマーマレードは苦手だけどこれは美味しかった」といった感想や口コミをもらっていて、事実ちょっとお値段高めですが売れ行きも好調です。
このジャム、製造はもちろん家内の手作りですが、美味しく仕上げるためにとても手間がかかるというので、先日加工所にお邪魔して(加工所内は家内の領域です)、レシピを取材してみました。少し説明が細かすぎるきらいもありますが、どうやって作るのかご紹介します!
まず材料。
(1)下ごしらえ編
まずは金柑の下ごしらえから。金柑の皮にある小さな傷の部分を除去します。この金柑は、大浦で一番美味しい金柑を作ると評判の樋野さんの金柑を使っていますが、傷物を格安で分けてもらっていますので、ちょっとだけ傷があるんです。ぱっと見では気づかないくらいの小さな傷なのですが、これを残していると食感と見た目が悪くなるので全部丁寧に取り除きます。
次に金柑を切ります。ざくざく切ります。
切った金柑を、皮、種、それ以外の部分(果肉と薄皮)に分けます。この作業が面倒です。種は苦いので捨てますが、「果肉と薄皮」は重要です。ここにはジャムを固めるために重要な物質、ペクチンがたくさん含まれているからです。
金柑の「果肉と薄皮」をフードプロセッサにかけて粉砕します。
ジャムのメインの材料である皮もフードプロセッサにかけて粉砕します。ただ、あまり細かくしてしまうと皮の食感がなくなってしまうので、軽くかけるだけにします。
次はたんかんです。たんかんは当店で売っているものと同じ、自家農園で栽培している無農薬たんかんです。
まずたんかんの皮を包丁で螺旋状に剝いていきます。手で剝くと白い薄皮の部分が残ってしまうので、包丁でやります。ただ、皮の方に僅かですが果肉がのこってしまいますので、ここの果汁だけ手で搾ります。実は、たんかんは皮についている際(きわ)の所が美味しいので、本当に細かい作業ですが一つひとつ行います。
次に、たんかんの果肉だけを包丁で切り出して分離します。薄皮の部分を入れると苦くなってしまいますし、食感も悪くなりますので小袋から一つひとつ果肉を分離していきます。果汁を搾るというのも一案ですが、そうすると果肉が入らないので面倒ですがこういう作業をやっています。
果肉をジューサーミキサーにかけて液状にします。つぶ感が少しだけ残るように軽くかけます。
(2)ペクチン準備編
実は、ジャムは「糖、酸、ペクチン」という3つの物質がバランスよく混ざっていないと固まりません。柑橘類の果肉にはほとんどこのペクチンが含まれておらず、主に皮と小袋の薄皮(じょうのう膜)に含まれているんです。そこで、金柑からペクチンを抽出する作業を行います。
先ほど用意した金柑の「果肉と薄皮」を鍋で煮ます。ちなみに、銅製の鍋を使っています。銅鍋は、熱伝導率がよいのでジャムには最適なんですよ。「じっくりコトコト」というのが丁寧な感じがしますが、ジャムは強火で短時間で仕上げるのが美味しいと言われています(長時間煮込むと、ジャムの食感を左右する高分子が壊れてしまうからです)。そして、理屈はよくわかりませんが銅鍋で作るとジャムの色も鮮やかに仕上がります。ただ、銅鍋はもの凄く錆びやすいのでお手入れが大変です。
「果肉と薄皮」を煮ていると、だんだんとろみがついてきます。このとろみの正体がジャムを固める物質「ペクチン」です。
これをザルで濾して、ペクチンがたくさん含まれている液体部分だけを取り出します。濾さないで全部をジャムに入れてしまうと、食感が悪くなるだけでなく、金柑の味が強く出過ぎてしまい、たんかんとの味のバランスが悪くなります。
ヘラで押すようにして絞り出します。
これで、ペクチンが豊富に含まれた液体ができました。ちなみに、こんな面倒な作業をするくらいなら、売っているペクチンを添加した方が早いんじゃないかと個人的には思っていますが、家内には自然の材料だけで作りたいというこだわりがあるみたいです。
(3)鍋で仕上げる編
ようやく本番です。「フードプロセッサにかけた金柑の皮」と「ミキサーにかけたたんかん果肉」を鍋に混ぜ入れ火にかけます。
火を通しながら、ここまで除去しきれていなかった種がないか確認します。もしあればもちろんアミで取ります。当然ですがアクも取ります。
ぐつぐつしだしたら、金柑の果肉と薄皮部分で作ったペクチン豊富な液体を投入します。ちなみに、ここで使っている金柑は、傷がなければブランド金柑「春姫」として出荷されるはずだったものです。ですから、皮も甘くて柔らかく、生でも美味しいです。普通の金柑の甘煮は結構煮詰めると思うのですが、この美味しさを損なわないように手早く火を通します。
さらに砂糖を投入。砂糖は分量を一度に入れないで、何度かに分けて少しずついれます。というのは、糖度を一気に高くすると金柑の皮が固くなってしまうのだそうです。
金柑やたんかんに含まれている糖分は毎回少しずつ違うので、製品の糖度を一定にするために砂糖の分量を微調整しなくてはなりません。そこで、ある程度砂糖を投入したら、適宜ブリックス計(糖度計)で糖度を計りながら砂糖の量を調節します(ブリックス計は、含まれているいろいろな糖分をショ糖に換算して全体の糖度を計る機械です)。最終的には、糖度をだいたい50度くらいに調整します。ジャムの糖度は40〜65度くらいで、50度という糖度はジャムとしては普通くらいの甘さです。
また、レモン汁も入れます。レモン汁を入れるのは酸の補給のためです。もう一度書きますが、ジャムは「糖、酸、ペクチン」という3つの物質がバランスよく混ざっていないと固まりません。たんかんに含まれている酸だけだと足りないため、レモン汁で酸を足してやるんですね。
鮮やかな色に仕上がりました。できあがったジャムはガラス瓶に詰めます。でもこれで完成じゃありません。保存食品なので、殺菌が大事です。
使用するガラス瓶は、中性洗剤で洗った後に蒸し器を使って高温殺菌しておきます。
そして、ジャムを入れた後も、脱気(酸素が瓶の中に残っていると雑菌が増える要因になるため酸素を抜く)と殺菌(高温で雑菌を死滅させる)でそれぞれ15分ずつ蒸し器で蒸します。これは、理想的にはお湯につけてやる方がいいんですが、施設の関係上蒸し器でやります。お湯の方がいいのは、温度調節ができるからです。蒸し器だと水蒸気による殺菌なので100℃しかできませんから、ときどきガラス瓶が割れてしまいます。
ラベルを貼って完成です。ラベルはうちにあるレーザープリンタで作っています。本当は印刷所に頼みたいのですが、経費削減の関係から今はプリンタのお世話になっています。近いうちにちゃんとした印刷のものに変えていきたいですね。ちなみに、たった14個のジャムを製造するのに、3時間以上かかっていました。
今回取材してみて、「金柑とたんかん」のコンフィチュールはもの凄く手間がかかっていることが分かりました。作っている本人は、製造過程の一部を企業秘密にしておきたかったみたいですが、あまりにも手間がかかるので、仮に公開しても誰もこの通りに作る人はいないんじゃないかと言って全部書いてしまいました。
1つ500円以上するのでジャムとしては割高な商品ですが、工程が多く丁寧に作っているので値下げして売ってはいけないと再認識しました!
ご購入は「大浦ふるさと館」またはこちらから→南薩コンフィチュール「金柑とたんかん」
このジャムは、昨年自家用に作ったジャムがモトになっています。近隣の先輩農家からいただいた金柑とうちで作っているたんかんがちょうど家にあったので、家内がそれでジャムを作ったんです。それがとても美味しかったので、「これは是非商品化すべき!」と家内を説き伏せて、ようやく今年の販売に漕ぎ付けました。
このジャムは、金柑の皮とたんかんの果肉で作られているのですが、濃厚な甘みと軽やかな苦みがある金柑と、爽やかなたんかんの相性は抜群です。偶然家にあった材料で作ったわけですが、とてもバランスのよい組み合わせだと思います。金柑はともかく、たんかんは鹿児島以外ではあまり見かけない果物ですから、この2つが同時に家にあるという偶然はこの地域ならではですね。
有り難いことに、ご購入いただいた方からも「ちょっと高いけどオススメ!」「甘すぎず金柑の苦みがあって美味しい」「普通のマーマレードは苦手だけどこれは美味しかった」といった感想や口コミをもらっていて、事実ちょっとお値段高めですが売れ行きも好調です。
このジャム、製造はもちろん家内の手作りですが、美味しく仕上げるためにとても手間がかかるというので、先日加工所にお邪魔して(加工所内は家内の領域です)、レシピを取材してみました。少し説明が細かすぎるきらいもありますが、どうやって作るのかご紹介します!
まず材料。
金柑……………約1kgです。これだけです。
たんかん………約1kg
グラニュー糖…約800g
レモン汁………レモン1/2個分
(1)下ごしらえ編
まずは金柑の下ごしらえから。金柑の皮にある小さな傷の部分を除去します。この金柑は、大浦で一番美味しい金柑を作ると評判の樋野さんの金柑を使っていますが、傷物を格安で分けてもらっていますので、ちょっとだけ傷があるんです。ぱっと見では気づかないくらいの小さな傷なのですが、これを残していると食感と見た目が悪くなるので全部丁寧に取り除きます。
次に金柑を切ります。ざくざく切ります。
切った金柑を、皮、種、それ以外の部分(果肉と薄皮)に分けます。この作業が面倒です。種は苦いので捨てますが、「果肉と薄皮」は重要です。ここにはジャムを固めるために重要な物質、ペクチンがたくさん含まれているからです。
金柑の「果肉と薄皮」をフードプロセッサにかけて粉砕します。
ジャムのメインの材料である皮もフードプロセッサにかけて粉砕します。ただ、あまり細かくしてしまうと皮の食感がなくなってしまうので、軽くかけるだけにします。
次はたんかんです。たんかんは当店で売っているものと同じ、自家農園で栽培している無農薬たんかんです。
まずたんかんの皮を包丁で螺旋状に剝いていきます。手で剝くと白い薄皮の部分が残ってしまうので、包丁でやります。ただ、皮の方に僅かですが果肉がのこってしまいますので、ここの果汁だけ手で搾ります。実は、たんかんは皮についている際(きわ)の所が美味しいので、本当に細かい作業ですが一つひとつ行います。
次に、たんかんの果肉だけを包丁で切り出して分離します。薄皮の部分を入れると苦くなってしまいますし、食感も悪くなりますので小袋から一つひとつ果肉を分離していきます。果汁を搾るというのも一案ですが、そうすると果肉が入らないので面倒ですがこういう作業をやっています。
果肉をジューサーミキサーにかけて液状にします。つぶ感が少しだけ残るように軽くかけます。
(2)ペクチン準備編
実は、ジャムは「糖、酸、ペクチン」という3つの物質がバランスよく混ざっていないと固まりません。柑橘類の果肉にはほとんどこのペクチンが含まれておらず、主に皮と小袋の薄皮(じょうのう膜)に含まれているんです。そこで、金柑からペクチンを抽出する作業を行います。
先ほど用意した金柑の「果肉と薄皮」を鍋で煮ます。ちなみに、銅製の鍋を使っています。銅鍋は、熱伝導率がよいのでジャムには最適なんですよ。「じっくりコトコト」というのが丁寧な感じがしますが、ジャムは強火で短時間で仕上げるのが美味しいと言われています(長時間煮込むと、ジャムの食感を左右する高分子が壊れてしまうからです)。そして、理屈はよくわかりませんが銅鍋で作るとジャムの色も鮮やかに仕上がります。ただ、銅鍋はもの凄く錆びやすいのでお手入れが大変です。
「果肉と薄皮」を煮ていると、だんだんとろみがついてきます。このとろみの正体がジャムを固める物質「ペクチン」です。
これをザルで濾して、ペクチンがたくさん含まれている液体部分だけを取り出します。濾さないで全部をジャムに入れてしまうと、食感が悪くなるだけでなく、金柑の味が強く出過ぎてしまい、たんかんとの味のバランスが悪くなります。
ヘラで押すようにして絞り出します。
これで、ペクチンが豊富に含まれた液体ができました。ちなみに、こんな面倒な作業をするくらいなら、売っているペクチンを添加した方が早いんじゃないかと個人的には思っていますが、家内には自然の材料だけで作りたいというこだわりがあるみたいです。
(3)鍋で仕上げる編
ようやく本番です。「フードプロセッサにかけた金柑の皮」と「ミキサーにかけたたんかん果肉」を鍋に混ぜ入れ火にかけます。
火を通しながら、ここまで除去しきれていなかった種がないか確認します。もしあればもちろんアミで取ります。当然ですがアクも取ります。
ぐつぐつしだしたら、金柑の果肉と薄皮部分で作ったペクチン豊富な液体を投入します。ちなみに、ここで使っている金柑は、傷がなければブランド金柑「春姫」として出荷されるはずだったものです。ですから、皮も甘くて柔らかく、生でも美味しいです。普通の金柑の甘煮は結構煮詰めると思うのですが、この美味しさを損なわないように手早く火を通します。
さらに砂糖を投入。砂糖は分量を一度に入れないで、何度かに分けて少しずついれます。というのは、糖度を一気に高くすると金柑の皮が固くなってしまうのだそうです。
金柑やたんかんに含まれている糖分は毎回少しずつ違うので、製品の糖度を一定にするために砂糖の分量を微調整しなくてはなりません。そこで、ある程度砂糖を投入したら、適宜ブリックス計(糖度計)で糖度を計りながら砂糖の量を調節します(ブリックス計は、含まれているいろいろな糖分をショ糖に換算して全体の糖度を計る機械です)。最終的には、糖度をだいたい50度くらいに調整します。ジャムの糖度は40〜65度くらいで、50度という糖度はジャムとしては普通くらいの甘さです。
また、レモン汁も入れます。レモン汁を入れるのは酸の補給のためです。もう一度書きますが、ジャムは「糖、酸、ペクチン」という3つの物質がバランスよく混ざっていないと固まりません。たんかんに含まれている酸だけだと足りないため、レモン汁で酸を足してやるんですね。
鮮やかな色に仕上がりました。できあがったジャムはガラス瓶に詰めます。でもこれで完成じゃありません。保存食品なので、殺菌が大事です。
使用するガラス瓶は、中性洗剤で洗った後に蒸し器を使って高温殺菌しておきます。
そして、ジャムを入れた後も、脱気(酸素が瓶の中に残っていると雑菌が増える要因になるため酸素を抜く)と殺菌(高温で雑菌を死滅させる)でそれぞれ15分ずつ蒸し器で蒸します。これは、理想的にはお湯につけてやる方がいいんですが、施設の関係上蒸し器でやります。お湯の方がいいのは、温度調節ができるからです。蒸し器だと水蒸気による殺菌なので100℃しかできませんから、ときどきガラス瓶が割れてしまいます。
ラベルを貼って完成です。ラベルはうちにあるレーザープリンタで作っています。本当は印刷所に頼みたいのですが、経費削減の関係から今はプリンタのお世話になっています。近いうちにちゃんとした印刷のものに変えていきたいですね。ちなみに、たった14個のジャムを製造するのに、3時間以上かかっていました。
今回取材してみて、「金柑とたんかん」のコンフィチュールはもの凄く手間がかかっていることが分かりました。作っている本人は、製造過程の一部を企業秘密にしておきたかったみたいですが、あまりにも手間がかかるので、仮に公開しても誰もこの通りに作る人はいないんじゃないかと言って全部書いてしまいました。
1つ500円以上するのでジャムとしては割高な商品ですが、工程が多く丁寧に作っているので値下げして売ってはいけないと再認識しました!
ご購入は「大浦ふるさと館」またはこちらから→南薩コンフィチュール「金柑とたんかん」
2014年4月16日水曜日
今年の田植え
今日は、田植えをしました。南薩は早期米の産地なので4月が田植えシーズンです。
イマドキ珍しいかもしれませんが、2条植え歩行田植機を使っています。先輩農家Kさんからもらった、昭和50年代から使われている「アンティーク」の田植機です。一見ポンコツですけどエンジンは元気で、軽快に植えることができました!
田んぼは仕事というより、「田舎モノの嗜み」としてやっているのですが、それでも4反(40a)ほどありますから、一家で食べられる量ではありません。親戚に買ってもらったり、昨年は農協にも出荷しましたがそれでも余り気味です。
せっかく作るのに余ってしまったらもったいないので、利益はないかもしれませんが、今年は販売もしていけたらなあと思っています。
そこで、というわけでもないのですが、無農薬・無化学肥料に挑戦してみることにしました。昨年も無農薬でしたが、今年はさらに無化学肥料でやってみます。
お米の場合、無農薬だと何が大変かというと、田んぼの草取りを頑張らないといけないんですよね。昨年は旱魃の年だったこともあり、草がひどすぎて途中で草取りをあきらめ、結局草ボウボウの田んぼになっちゃいましたけど、今年はどうなることやら…。
無化学肥料だとどうなるか? 私も実はよくわかりません。無化学肥料といっても、有機質肥料は入れていて、昨年の冬に鶏糞をどっさり投入しましたし、今年もボカシ肥を与えているので、それなりに肥料成分は補給されているはずです。でも化学肥料のように肥料成分の計算ができていないので、必要十分かがよくわかりません。もし生長があまりに悪かったら、化学肥料を追肥してしまうかもしれません…。
ところで、無農薬・無化学肥料のお米なら美味しいこと間違いなし! とは、私は思っていないんですよ。農薬とか化学肥料がどれだけ風味に影響しているのか、実際のところよくわかりません。たぶん、ほとんど影響していないんじゃないでしょうか。それよりも、天候と管理をキッチリやったかどうかの方が重要な気がします。
でも、無農薬・無化学肥料のお米、つまり「有機栽培米」(※この名称を使うには認証が必要)は随分高いですよね。相場は、品種やブランドにもよりますがだいたい1kgあたり1000円程度します。それだけ需要があるんでしょう。私の場合は、ほとんど趣味みたいなものですし、認証も受けていませんし、こんな高値で売るつもりは全然ありませんが、何か面白い(?)売り方ができたらと思っています。
私の作るお米、需要があるといいんですけどねー…。販売面でグッドアイデアがあったら教えてください。
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