有り難いことにうちの柑橘類は売れ行きはよく、販売にはあまり苦労していません(大豊作の時を除く)。むしろ「欲しかったのに気付いたら売り切れだった!」と言われることが多く、本当に申し訳ありません。こう不作が多くては自分の収入が少ないだけでなくお客様にも迷惑がかかります。
というわけで、豊作を目指して毎年いろいろ工夫はしております。今年は、剪定のやり方を変えることにしました。
これまで、私は「弱剪定」でやってきました。 要するに剪定をあんまりしないということです。私は柑橘類を無農薬・無化学肥料で作っていますが、実際にはほとんど肥料を与えていません(といっても堆肥は撒布するので無肥料というわけでもありません)。
ほとんど肥料を与えないと、当然あまり葉っぱも繁りません。だから剪定も弱くてすむ…という理屈です。
しかし最近、いろいろ試してみて、タンカンやしらぬいは大胆に剪定した方が調子がよいということがわかってきました。というか、こいつらは無肥料でもけっこう旺盛に生育します。だから剪定が弱いとよくないようです。
ところで以前、「もしかしたら、タンカンには肥料をやった方がいいのかもしれない…!」という記事を書いたことがあります。
【参考】もしかしたら、タンカンには肥料をやった方がいいのかもしれない…!
https://nansatz-kurashi.blogspot.com/2019/03/blog-post.html
でも、今ブログ記事を見直してみたら、この年に肥料をあげた結果どうなったのかは書いていなかったようです。結果としては、肥料をやってもあまり変わらなかったんです。むしろ肥料の副作用(虫害等)の方が大きかったかもしれない。
つまり、この記事ではタンカン不作の原因を肥料不足と推測していたのですが、今から考えてみると剪定不足だった可能性が高い。
というわけで、今年は幸か不幸か柑橘類の販売作業が少なかったので、できた時間で「強剪定」をしてみたのです。
「強剪定」ってどのくらい切るの? というと、厳密な定義はないと思いますが、柑橘類の場合は全葉っぱの量の20%以上を除去するのが「強剪定」であるというのが一般的のようです(なお弱剪定は5%以下)。
全葉っぱ量の20%というとかなり太い枝まで切る感じなので、今年はチェンソーで剪定しました。ちなみに弱剪定の時はノコギリどころか剪定ばさみすら使わないこともあったんですけどね(手で折り取るため)。
チェンソーが働いてくれたので剪定作業自体はそれほど大変ではなかったんですが、大変なのは剪定で切り取った枝の処理です。例年の数倍あったため、片付けるだけで4日以上かかっています(例年は1日で終わる)。
それにしても、剪定というのは植物にとっては自分の体を切り取られるわけですから、いいことがないように思えます。剪定は間違いなく植物にとってストレスですよね。ところが剪定されなかったらされなかったで、かえっていろいろな問題が起こります。例えば、枝が多くなりすぎて弱くなる、葉っぱが繁りすぎてかえって日光が当たらなくなる、枝がどんどん上へ上へと伸びていって実が付かないなどです。
古代人がいろいろな作物を栽培しはじめた時、最初にあった技術の一つが剪定であるといわれています。剪定とは、植物にとって余計な部分を取り除いてあげることで、植物を元気にする技術なんです。肥料や農薬を使わずに植物を元気にできるのが剪定。無農薬・無化学肥料の栽培では非常に重要な部分です。
この強剪定が効いて、今年はタンカン・しらぬいが豊作になるといいんですが…!
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