2021年6月2日水曜日

イノシシと土壌微生物の関係

笠沙の赤生木(あこうぎ)の柑橘園に草払いしに行ったら、とんでもなく地面が掘り返されていました。

無論、イノシシのしわざです。

写真の土が露出しているところは全てイノシシがほじくり返した跡で、本来は雑草で覆われているはずのところです。そして言うまでもなく元は、平坦な土地なのです。こんなにボッコボッコになってしまったのはイノシシのせい…。

このように圃場が穴だらけになってしまうと、機械で草払いすることができないので、穴を埋める必要があります。鍬一本で穴を塞ぐ作業をするのですが、えっちらおっちら、2日間かかってしまいました。ふーっ。

実は、この場所は2019年に借りてから、たびたびイノシシ被害を受けてきたところです。

【参考記事】私の方が闖入者、のようです。
https://nansatz-kurashi.blogspot.com/2019/05/blog-post.html

それで不思議なことに、隣の圃場(別の方が管理しているポンカン園)には全然イノシシが掘った跡がないのに、ここだけやたらとほじくり返しているんですよね。毎年。どうして?

穴を鍬で埋め戻しながら、たくさんのミミズが出てきましたので、どうやらこの圃場にはミミズが豊富でそれを食べにイノシシが来ているんだろうと思います。ではなぜここにはミミズが多いんでしょうか? 

それはおそらく、この圃場を管理するようになってまだ3年目ですので、土が出来上がっていないのです。

「なんで? ミミズが多いことはいいことじゃん」と思うかも知れませんが、実はそうでもありません。ミミズという生物は土壌の有機物を食べています。ミミズが多いのは土壌に有機物が豊富にある証拠ということです。もちろん、土壌に有機物が豊富にあるのは悪いことではありません。

しかし逆に言えば、それは有機物の分解速度が遅いということでもあります。有機物がなかなか分解されないから、ミミズの食料がいつまでも残っているのです。

私の経験では、土壌微生物が豊かな土地の場合、土壌の有機物は微生物によって速やかに分解されてしまうので意外とミミズは多くないのです。つまり、この圃場は土壌微生物が十分ではないためにミミズが多いんじゃないでしょうか。だからイノシシが来る。

私の柑橘管理は、基本的には無農薬・無肥料・機械除草です。それを続けることで、徐々に土壌微生物が豊かになっていく…と思っています(←確かめたわけではない)。そして、その結果ミミズが少なくなるのではないかと思っており、事実長く管理しているところは目立ったイノシシ被害は受けません。

そんな感じになるまで5年くらいかかるでしょうか。それまでは鍬で穴を埋め戻す作業が毎年必要になりそうです…。

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