2018年11月21日水曜日

今回の「石蔵古本市」には神保町から「書肆ひぐらし」が来ます!

今年もやります、「石蔵古本市」!

「石蔵古本市」とは、万世の丁子屋石蔵に古書店数軒に来てもらい、古本の出張販売をしていただくという企画です。

一応(!?)本業は農業なのに、なぜ古書市を企画するのかというと、やっぱり、田舎にこそ文化の風は必要だと思ってますし、徐々に書店が衰退しつつある南薩の地で、多様な本が集う場を作ってみたいという思いがあるからです。

でも一番は、やっぱり自分が好きだからですかね。特に、私の愛する丁子屋石蔵に、たくさんの本を並べてみたいと思うのです。月イチでやっている「石蔵ブックカフェ」もいいですけど、本好きというのは、並んでいる本が多ければ多いほどいいのです。今回の石蔵古本市も、1000冊以上の本が並ぶでしょう!

今回の特色は、初参加の古書店が多いことです。特に、紫色のチラシには書けなかったのですが、東京から「書肆ひぐらし」という古書店にも初参加していただけることになりました。

「書肆ひぐらし」は東京神田の神保町の裏通りにある小さな古本屋です。一度店まで視察(?)に行ったことがあるのですが、残念ながら休業日でした。この店主さんは鹿児島のご出身で、しかも私と同郷というご縁があり、参加していただく運びとなりました。

他人事ながら、遠方からの交通費が南さつまで稼げるのか心配です…!

【書肆ひぐらし】

熊本以北の古本屋は中央の影響を受けて立派な店が多いけれど、三太郎峠を越えると、どうも様子が違う。それは遅れているのか、あるいは辺境のゆえに行き過ぎた資本主義に犯されずに、なにか大事なものが保存されているのではなかろうか。鹿児島の本屋の連中の動きが、どうも不可解だ。ひょっとしてこれは新しいものが生まれようと蠢いているのではなかろうか、などと思いながら覗きに行きたいと思います。すぐに大袈裟なもの言いをするのは僕の癖です。



一癖も二癖もあるような、古書店の雰囲気が伝わってくる紹介文+写真ですよね…! きっと、石蔵にも一癖も二癖もあるような本を持ってきてくださるのではないかと思います。鹿児島では手に入らない、神保町の精粋を見せてくださるでしょう!

ちなみに、「書肆ひぐらし」の店主さんは、なんと書家の石川九楊さんのお弟子さんなのだそうです。

石川九楊さんといえば、書道界きっての論客でもあり、その独特の書は、伝統を踏まえつつもあたかもジョアン・ミロの絵画のような斬新なフォルムを持っています。著作も非常に多く、今本棚を見てみましたら、私も『書に通ず』『日本語の手ざわり』『文字の現在 書の現在—その起源を読み解く』という3冊の本を読んでいました。この他、二玄社の『書の宇宙』シリーズの編集も石川九楊さんの代表的な仕事ですね。

(画像は「つばめの旅日記 by つばめ文庫」より転載)
「書肆ひぐらし」の店主さん、さすがこの石川九楊さんのお弟子さんだけあって、本の商品札(?)というか、「帯」というらしいのですが、本につけているタイトルをちゃんと筆で書いていて、これがなかなか独特で、石川九楊さんの書を知っている方は、その片鱗を感じることができるのではないかと思います。

先日お話を伺いましたら、この書名を書いていると時間を忘れると言っていました。これはなかなか贅沢な帯ですよ(笑)!

なんでこんな、古本とは直接関係のない書道の話をしたのかというと、上に掲載した「書肆ひぐらし」さんから送ってもらった写真、これ、書を書いているところの写真なのではないかと思いまして。私も長く書道をやっていましたので、つい胸が熱くなってしまいました。

閑話休題。

石蔵古本市は、今回は11月30日(金)〜12月3日(月)の4日間の開催です(営業時間は変則的なのでご注意!)。売上的には土日のみ開催の方が合理的ですが、4日間しているのは、土日お仕事の方も多いのでこのようにしています。

12月1日(土)には、既に案内しましたとおり「廃寺の美。隠れた幽幻なる世界」という講演会を行います。個人的にはこれが一番のメインイベントです!

【参考】廃寺の美。隠れた幽幻なる世界—『鹿児島古寺巡礼』出版記念講演会 を開催します!
http://nansatz-kurashi.blogspot.com/2018/10/blog-post_30.html

そして今回は、全日程を通じて、「南薩の田舎暮らし」は珈琲を淹れる予定です(ようやく自分の仕事の話)。珈琲を片手に、石蔵で古本を漁るという贅沢をお楽しみ下さい…! これは多分神保町でも味わえないことですよ!


【情報】
■石蔵古本市 vol.3
参加古書店:    古書リゼット、書肆ひぐらし、つばめ文庫、猫待屋、ブックスパーチ
11月30日(金)13:00〜17:00
12月1日(土)10:00〜20:00
12月2日(日)10:00〜17:00
12月3日(月)10:00〜15:00
場所:丁子屋石蔵
■『鹿児島古寺巡礼−島津本宗家及び重要家臣団二十三家由緒寺跡を訪ねる—』出版記念講演会
“廃寺の美。隠れた幽幻なる世界”
12月1日(土)14:00〜16:30
入場無料・申込不要
場所:丁子屋石蔵(石蔵古本市とは別の石蔵ですが、同じ敷地にあります)

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